【2027年開始】こどもNISAとは?旧ジュニアNISAとの違いと教育資金の新しい貯め方を徹底解説

子どもの将来のために教育資金を準備したいけど、預金だけでは不安。2023年末に終了したジュニアNISAに代わる制度を探している。そんな悩みを抱える子育て世帯は多いのではないでしょうか。
この記事では、2027年から開始が見込まれる新しい制度「こどもNISA」の概要を、現時点での情報をもとに徹底解説します。廃止されたジュニアNISAとの違いや、具体的な活用方法、制度が始まる前に家庭で話し合っておきたいことまで、網羅的にご紹介します。
この記事を読めば、新制度のポイントをいち早く理解し、制度開始に向けて家庭内で何を話し合い、どう準備すればよいかの道筋が見えてきます。
※本記事は、令和8年度税制改正大綱など公表されている情報に基づく概要解説です。今後の審議で内容が変わる可能性があります。
2027年開始予定の「こどもNISA」とは?制度の基本をサクッと理解
結論から言うと、「こどもNISA」とは0歳から17歳を対象にした、年間60万円までの投資で得た利益が非課税になる新しい制度です。早ければ2027年からの開始が見込まれています。
背景・理由:なぜ作られるのか?
2024年に拡充された現行NISAは、30〜50代の利用者が約56%と半数以上を占めています。そこで、次世代の資産形成を促進し、投資人口の裾野をさらに広げることを目的に、この新しい制度の創設が検討されることになりました。
制度の4大ポイント
現時点で公表されている制度の要点は以下の4つです。
- 対象年齢: 0歳~17歳
- 年間投資枠と総額: 年間60万円まで(非課税保有限度額は総額600万円)
- 対象商品: 「つみたて投資枠」の対象となる、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託に限定
- 引き出しルール: 原則12歳以降、本人の同意を得たうえで親権者などが引き出し可能
注意点:「こどもNISA」は通称であり、税制改正大綱では「未成年者特定累積投資勘定」と記載されています。また、制度開始は早くても2027年であり、今後の国会での審議によって内容が変更される可能性がある点にご留意ください。
【比較表】どこが変わった?廃止された「ジュニアNISA」との大きな違い
一言でいえば、こどもNISAは旧ジュニアNISAの使いにくかった点が大幅に改善され、より柔軟に利用できる制度になっています。
背景・理由:ジュニアNISAが普及しなかったわけ
2023年末に廃止されたジュニアNISAは、口座数が制度終了の2023年度末時点で約104万件と普及が限定的でした。その主な理由として、「原則18歳まで引き出せない」という厳しい制限と、「非課税期間が5年」と短かった点が挙げられます。
比較表:ジュニアNISAとこどもNISAの違い
| 特徴 | ジュニアNISA(2023年末に廃止) | こどもNISA(2027年開始見込み) |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 80万円 | 60万円 |
| 非課税保有期間 | 5年間 | 無期限 |
| 対象商品 | 上場株式・投資信託等 | 長期積立向けの一定の投資信託のみ |
| 引き出し | 原則18歳まで不可 | 12歳以降、子の同意で可能 |
注意点:ジュニアNISAでは上場株式なども購入できたため、「子どものための資金」という趣旨とは異なる使われ方が問題視されるケースがありました。こどもNISAでは対象商品が長期積立向けの投資信託に絞られており、より制度の趣旨に沿った資産形成が促される設計になっています。
現行NISA(親のNISA)との使い分けはどう考える?
基本的な考え方は、こどもNISAは子どもの教育資金など目的に特化した資金準備、親自身のNISAは老後資金など、目的を分けて使い分けることです。
背景・理由:なぜ口座を分けるのか?
もちろん、親世代が自分たちのNISA口座(非課税保有限度額1,800万円)を使って教育資金を準備することも可能です。しかし、「子どものためのお金は明確に分けて管理したい」というニーズは根強く、そうした家庭にとってこどもNISAは有効な選択肢となります。
比較表:現行NISAとこどもNISA
| 現行NISA(18歳以上) | こどもNISA(0歳~17歳) | |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 最大360万円(つみたて120万+成長240万) | 60万円 |
| 非課税保有限度額 | 1,800万円 | 600万円 |
| 対象商品 | 投資信託、上場株式など | 長期積立向けの一定の投資信託のみ |
| 引き出し | いつでも可能 | 12歳以降 |
注意点:子どもが18歳になると、こどもNISA口座は自動的に18歳以上向けの制度(現行NISA)に移行する仕組みが検討されています。これにより、シームレスに資産形成を継続できる見込みです。
こどもNISAのメリットと期待される活用シーン
この制度の最大のメリットは、教育資金を非課税で効率的に準備できること、そして家族の金融リテラシー向上につながる点にあります。
背景・理由:子育て世帯の高い期待
スマートバンク社の調査によると、18歳以下の子どもを持つ親の72.8%が新制度を「利用したい」と回答しており、その目的の6割以上が「教育資金」と答えています。このことからも、制度への期待の高さがうかがえます。
具体的な活用シーン
教育資金としての活用
12歳以降に引き出しが可能なため、中学・高校の塾代や学費、大学受験費用など、教育費が本格的にかかり始める時期の資金ニーズに対応できます。例えば、中学校3年間の費用は公立と私立で平均300万円以上の差があるとも言われており、計画的な準備が重要です。
金融リテラシーの向上
資金の出し手は親や祖父母が中心となるため、今まで投資に関心がなかった層が「子や孫のために」と資産運用を始めるきっかけになる可能性があります。家族でお金の計画や仕組みについて話し合う良い機会となり、世代を超えた金融リテラシーの向上が期待されます。
注意点:こどもNISAは投資であるため、銀行預金とは異なり元本は保証されていません。過去の市場を見ると、大きな下落からの回復には数ヶ月から数年かかることもあります。そのため、利用する時期が近い資金の場合は特に、長期的な視点を持つことが大切です。
制度開始までに家庭で話し合っておきたい3つのこと
制度が始まる前に「目的」「資金源」「運用方針」の3つを家族で話し合っておくことが、スムーズなスタートの鍵となります。
背景・理由:利用をためらう「資金」と「知識」の壁
前出の調査では、新制度の利用をためらう理由として「資金的な余裕がない」「(制度が)よくわからない」が同率1位(各28.5%)でした。このことからも、事前の計画と知識の習得が重要であることが分かります。
① 目的の明確化:「何のために、いつまでに、いくら必要か」
まずは「大学の入学費用として」「中学・高校の塾代や留学費用に」など、お金の使い道を具体的に言語化しましょう。ゴールが明確になることで、必要な金額や積立期間が見えてきます。
② 資金源の確保:「どこからお金を出すか」
毎月の家計から捻出するのか、児童手当を充てるのかなどを決めましょう。例えば、SBI証券のシミュレーションによると、0~2歳は月1万5,000円、3歳から高校卒業までは月1万円が支給される児童手当を年利5%で運用できた場合、元本約234万円が18歳時点で約390万円になるという試算もあります。家計に無理のない範囲で、継続できる資金計画を立てることが大切です。
③ 運用方針の合意:「基本的なルールを決める」
投資の基本である「長期・積立・分散」を家族で確認し、市場が大きく下落したときでも慌てて売却しない、といった基本的なルールを共有しておくと、いざという時に冷静な判断ができます。過去のデータでは、市場が暴落してから回復するまで数年を要するケースもあるため、資金が必要になる時期の5〜7年前から、少しずつ売却を検討し始めるなど、出口戦略も視野に入れておくとより安心です。
【ミニケース:Aさん一家(夫35歳、妻34歳、長男5歳)の場合】
- 方針: 世界経済に連動する低コストのインデックスファンドを基本とし、価格が下がっても積立を継続することを確認。
- 資金源: 毎月支給される児童手当1万円と、家計から1万円を追加し、月々2万円を積立。
- 方針: 世界経済に連動する低コストのインデックスファンドを基本とし、価格が下がっても積立を継続することを確認。
注意点:親や祖父母から資金援助を受ける場合、年間110万円を超える贈与は贈与税の対象となる可能性があります。複数の人から贈与を受ける場合は合計額で判断されるため注意が必要です。例えば、父方の祖父母と母方の祖父母の両方から資金援助を受ける場合、その合計額が年間110万円を超えないように注意が必要です。個別のケースについては、税務署や税理士などの専門家にご相談ください。
最後に
この記事の要点をまとめます。
- こどもNISAは、旧ジュニアNISAの課題を克服した、より使いやすい制度
- 教育資金準備と、家庭での金融教育の大きなチャンス
- 制度開始までに「目的・資金源・方針」を家族で話し合うことが重要
制度開始は2027年からの見込みですが、まずはご家庭の教育費プランを具体的に話し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。必要な金額が見えれば、月々の積立額も自然と決まってきます。
家族で話し合って決めた大切な方針や計画は、いつでも見返せる場所に記録・共有しておくことが、継続の鍵になります。
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【参考情報】
[1] 財務省「令和8年度税制改正の大綱」(2025年12月26日)
Ministry of Finance Japan
[2] 財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」(2025年12月26日)
Ministry of Finance Japan
[3] 金融庁「令和8(2026)年度税制改正について(金融庁関係の主要項目)」(2025年12月)
Food Safety Authority
[4] 金融庁「NISAを知る:NISA特設ウェブサイト」
Food Safety Authority
[5] スマートバンク「『子ども向けNISA』意識調査」(PR TIMES掲載、2025年12月20日)
プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES
[6] こども家庭庁「もっと子育て応援!児童手当」(支給額・支給時期)
CFA Japan
[7] 国税庁 タックスアンサー「No.4410 複数の人から贈与を受けたとき」
National Tourism Administration
memstock編集部
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