こどもNISAとは?旧ジュニアとの違い

子どもの教育資金を、預金だけでなく投資でも準備したい。2023年に終わったジュニアNISAの代わりになる制度が始まると聞いて、何が決まっているのかを調べている家庭も多いはずです。
いわゆる「こどもNISA」は、2026年3月31日に公布された改正法で導入が決まり、2027年1月から0歳から17歳もNISA口座を開けるようになります。使えるのはつみたて投資枠だけで、年間60万円、非課税で持てる上限は600万円です。12歳以降は、子どものための支出に限って払い出せます。ここでは、金融庁・国税庁・日本証券業協会の公表資料で、2026年10月時点で確定している内容と、まだ発表されていないことを分けて整理します。
2026年10月時点で決まっていること
2025年12月の「令和8年度税制改正の大綱」で示された内容は、2026年3月31日に公布された「所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)」で法律になりました。国税庁の資料では、NISA口座を開ける年齢の下限が撤廃され、0〜17歳でもつみたて投資枠を設けられることになったと説明しています。適用は2027年(令和9年)1月1日からです。
「こどもNISA」は通称で、国税庁の資料では「未成年つみたて投資枠」と呼んでいます。主な内容は次のとおりです。
| 項目 | 0〜17歳のNISA | 18歳以上のNISA |
|---|---|---|
| 使える枠 | つみたて投資枠のみ | つみたて投資枠と成長投資枠 |
| 年間投資枠 | 60万円 | 360万円(つみたて120万円・成長240万円) |
| 非課税保有限度額 | 600万円 | 1,800万円(うち成長投資枠1,200万円) |
| 買える商品 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 | つみたて投資枠の商品に加え、上場株式・投資信託など |
| 買い方 | 定時・定額の積立 | 制限なし(成長投資枠) |
| 金融機関の変更 | できない | 年単位でできる |
| 非課税で持てる期間 | 無期限 | 無期限 |
子どもが生まれた年からも枠を使えます。2027年以後の各年のうち、1月1日時点で18歳未満である年と、生まれた年に設けられる枠が対象です。
引き出せる時期と条件
17歳までは、原則としてNISA口座から資産を払い出せません。例外は、災害などのやむを得ない場合と、12歳以降に子ども本人のための支出に充てる場合です。
12歳以降の払い出しは、その年の3月31日に12歳である年、つまり小学6年生の1月以降にできるようになります。資金の使い道が子どものためのものであること、子どもが払い出しに同意したことを示す書面とともに、親権者などが申出書を金融機関に出します。国税庁の資料では、使い道を子どもの教育費または生活費に限っています。
投資信託はいつでも売れますが、売ったお金は専用の口座で管理され、自由には引き出せません。制限がなくなるのは、その年の3月31日に18歳である年の1月1日以降(学年でいえば高校3年生の1月以降)です。認められた理由以外で払い出すと、それまで非課税だった利益に課税され、NISA口座も廃止されます。
18歳になると、手続きなしで18歳以上のNISAに移ります。移るのはその年の1月1日に18歳である年からで、同じ学年でも誕生日によって移る年が違います。
ジュニアNISAとの違い
2016年に始まったジュニアNISAは、2023年で新規の投資ができなくなりました。新しい制度は、18歳まで原則引き出せなかったことや、非課税期間が5年に限られていたことが見直されています。
| 項目 | ジュニアNISA(2023年で終了) | こどもNISA(2027年1月から) |
|---|---|---|
| 年間の非課税枠 | 80万円 | 60万円 |
| 非課税期間 | 投資をした年から最大5年間 | 無期限 |
| 払い出し | 原則18歳まで不可 | 12歳以降は子どものための支出なら可 |
| 買える商品 | 上場株式・投資信託など | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 |
いまジュニアNISA口座に資産が残っている場合、2024年以降は年齢や理由に関係なく非課税で払い出せます。ただし一部だけを払い出すことはできず、全額を払い出すと口座は廃止されます。
親や祖父母のお金を入れるときの贈与税
子どものNISAで買い付けに使えるのは、子ども本人のお金だけです。日本証券業協会は、親や祖父母の口座にある資金で子どものNISAの買い付けはできず、子ども名義の銀行口座や証券口座のお金を使う必要があると説明しています。親や祖父母が子どもにお金を渡して積み立てる場合は、贈与として税金の扱いを確認します。
贈与税(暦年課税)は、1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計から基礎控除110万円を差し引いた額にかかります。基礎控除は、贈与した人ごとではなく、もらった人ごとに年110万円です。両親と双方の祖父母から受け取った場合も、子ども1人あたりで合計します。
たとえば、ある年に父方の祖父母から50万円、母方の祖父母から50万円、親から20万円を受け取った子どもは、合計120万円から110万円を引いた10万円が課税対象です。18歳未満の子が受け取る場合は一般税率で、200万円以下の部分は10%なので、贈与税は1万円です。翌年2月1日から3月15日までに、子ども本人の申告と納税が必要になります。
親が子どもの教育費を出すことは、通常必要な範囲で、必要な都度直接支払う場合は贈与税がかかりません。国税庁は、教育費の名目でもらったお金を預金したり、株式などの購入に充てたりした場合は贈与税がかかると説明しています。NISAに積み立てるお金は、この非課税の扱いには当たりません。祖父母から教育資金を一括で贈与された場合の非課税特例(最大1,500万円)は、2026年3月31日で終了しています。
まだ決まっていないことと家族で決めておくこと
2026年10月時点で、口座開設の受付をいつから始めるか、どの金融機関がどの商品を扱うかは、金融庁や業界団体の資料では示されていません。日本証券業協会は、手続きの詳細は取引のある証券会社などに問い合わせるよう案内しています。金融機関は途中で変えられないため、各社の発表を見比べてから選ぶほうが安全です。
始める前に家族で決めておきたいのは、親自身のNISAで準備するか、子どものNISAで準備するかです。親のNISAはいつでも売却でき、使い道の制限もありません。子どものNISAは子ども本人の資産になり、払い出しには子どもの同意と使い道の確認が必要です。
資金の出どころも決めておきます。児童手当は、子どもを養育している親に支給されます。第1子・第2子の場合、月額は3歳未満が1万5,000円、3歳以上高校生年代までが1万円で、0歳から18歳の年度末まで受け取ると合計約234万円です(36か月×1万5,000円+180か月×1万円で計算)。これを子どもの口座に移して積み立てるなら、祖父母からの援助と合わせて年110万円の範囲に収まるかを毎年確かめると、申告の要否で迷わずに済みます。
NISAでインデックスファンドを積み立てる場合の枠や商品の要件は、こちらの記事で取り上げています。
こどもNISAを家族の資金計画にどう組み込むかは、こちらの記事でも扱っています。
出典
- 個人の方が株式等や土地・建物等を譲渡した場合の税制改正のあらまし(令和8年度、国税庁) https://www.nta.go.jp/publication/pamph/joto-sanrin/r08aramashi.pdf
- 0歳からNISA口座が開設できるようになります!(日本証券業協会) https://www.jsda.or.jp/shijyo/seido/tax/files/nisa_under18.pdf
- NISAを知る(金融庁 NISA特設ウェブサイト) https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html
- 令和8(2026)年度税制改正について-税制改正大綱における金融庁関係の主要項目-(金融庁、2025年12月) https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20251226-2/01.pdf
- 「令和8年度税制改正の大綱」の概要(金融庁「アクセスFSA」2026年2月号) https://www.fsa.go.jp/access/r7/270/270_03.pdf
- 2023年までのNISA(金融庁 NISA特設ウェブサイト) https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/till2023/index.html
- ジュニアNISAを利用する皆さまへ(日本証券業協会) https://www.jsda.or.jp/nisa/assets/img/top/reading_pamphlet_jr.pdf
- No.4402 贈与税がかかる場合(国税庁) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm
- No.4410 複数の人から贈与を受けたとき(国税庁) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4410.htm
- No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)(国税庁) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm
- No.4405 贈与税がかからない場合(国税庁) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4405.htm
- No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税(国税庁) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4510.htm
- 児童手当制度のご案内(こども家庭庁) https://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/jidouteate/annai
よくある質問
- こどもNISAはいつから始まりますか
- 2027年1月からです。2026年3月31日に公布された改正法で、令和9年(2027年)1月1日から適用されることが決まっています。口座開設の受付開始時期は金融機関ごとの発表を確認してください。
- こどもNISAで株式は買えますか
- 買えません。0〜17歳が使えるのはつみたて投資枠だけで、買えるのは長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託です。上場株式は18歳以上のNISAに移ってから成長投資枠で買えます。
- 親が毎月お金を出して子どものNISAに積み立てても、贈与税はかかりませんか
- 子どもが1年間にもらったお金の合計が110万円以下なら、贈与税はかからず申告も不要です。祖父母などからの援助と合わせて110万円を超えると、超えた部分に贈与税がかかります。
- 途中で金融機関を変えられますか
- 17歳までは変更できません。口座を廃止して別の金融機関で開き直すことはできますが、それまでの利益や含み益に課税されます。
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