ベビーシッターの選び方と注意点

家計・物価memStock編集部(更新: 2026年10月22日)
ベビーシッターの選び方と注意点

夕方の会議が長引きそうなのに、保育園のお迎えの時間が迫っている。子どもの体調不良や園の休みが続き、仕事を休める日が残り少ない。共働きの家庭がベビーシッターを探し始めるのは、たいていこうした切羽詰まった場面です。急いで探すほど、料金の安さや予約のしやすさで決めてしまいがちです。

こども家庭庁は、保育料の安さや手軽に頼めるかではなく、信頼できるかどうかという視点で情報を集めるよう呼びかけています。この記事では、こども家庭庁の「ベビーシッターなどを利用するときの留意点」と、ベビーシッター向けのガイドライン(2026年3月現在)をもとに、依頼前に確かめること、預けている間の注意、費用を軽くする制度を整理します。

ベビーシッターは届出が義務づけられた保育

ふだん「ベビーシッター」と呼ばれるサービスは、法令上は「認可外の居宅訪問型保育事業」にあたり、認可外保育施設の一種として位置づけられています。頼み方は大きく2通りです。事業者に申し込んで所属するシッターに来てもらう方法と、マッチングサイトを通じてシッター個人に直接依頼する方法です。

2016年4月以降、1日に預かる乳幼児が1人であっても、事業として保育を行う場合は都道府県知事等への届出が必要になりました。会社として営む場合も、個人で営む場合も対象で、事業開始から1か月以内に届け出ることになっています。届け出なかったり、虚偽の届出をしたりすると、児童福祉法により50万円以下の過料の対象になります。届け出た事業者は毎年の運営状況も都道府県知事に報告します。

届出をした事業者は、国の「認可外保育施設指導監督基準」に基づいて都道府県等の指導監督を受けます。基準では、居宅訪問型の保育に従事する人は全員が、保育士か看護師(准看護師を含む)の資格を持つか、都道府県知事等が認める研修を修了していることが要件です。2026年4月1日には基準が改正され、事業者がシッターを雇う場合だけでなく、委託契約を結んで保育を提供させる場合も、その事業者が届出の対象になりました。

共働き家庭がシッターを頼む場面

ベビーシッターが使われるのは、残業で保育園のお迎えに間に合わない日、園や学校が休みで仕事を休めない日、親が体調を崩して子どもの世話ができない日などです。ただ、一時的な預け先はシッターだけではありません。市町村の一時預かり事業、病児保育事業、ファミリー・サポート・センター事業もあり、こども家庭庁は一時預かりが必要な場合はシッターに限らず市町村に相談するよう勧めています。

シッターに頼むときは、何をしてほしいかを具体的に伝えます。保育園への迎え、夕食、入浴、寝かしつけまでを頼むのか、自宅で遊び相手をしてもらうだけなのかで、合うシッターも料金も変わります。事業者に派遣を依頼する場合は、シッターへの希望を明確に伝えるよう、こども家庭庁も求めています。

子どもの寝かせ方や体調の伝え方も事前に決めておくと安心です。指導監督基準は、保育を始めるときに体温、排便、食事、睡眠、表情、皮膚の異常や機嫌などを観察し、保護者から子どもの状態をよく聞き取るよう求めています。乳児を寝かせるときは仰向けに寝かせ、睡眠中の顔色や呼吸を細かく観察することも基準に入っています。火災や地震のときの避難場所や避難経路も、あらかじめ保護者に確認することになっています。

依頼する前に確かめること

こども家庭庁の留意点のうち、依頼前に確かめることは次のとおりです。

  • 届出:マッチングサイト経由の場合は、サイトで公開されている情報を確かめ、都道府県等に届出をしているかも確認する
  • 面会:預ける前に必ずシッター本人と会い、預かる方針や心構えを質問する。当日は、事前に会ったシッター本人に子どもを預ける
  • 身元:事業者名、シッターの氏名・住所・連絡先を確認し、身分証明書を提示してもらう
  • 資格:保育士や認定ベビーシッターの資格があれば、登録証の提示を求める。保育に関する研修を受けているかを確かめてもよい
  • 保険:事故に備えた保険に加入しているか、その内容と金額を確かめる。派遣した事業者やマッチングサイトの運営者にも確認する
  • 場所:自宅以外で預かる場合は、事前に見学する

「認定ベビーシッター」は、公益社団法人全国保育サービス協会が、シッターとして必要な専門知識と技術を持つと認定した人です。マッチングサイト経由の利用は、事業者経由より詳しく情報を集めるよう求められており、こども家庭庁のページから、各サイトのガイドラインへの適合状況を調べたサイトも確認できます。

契約の内容も書面で確かめます。指導監督基準は、事業者に対して、申込みがあったときに契約の内容を説明し、契約が成立したら内容を記載した書面を交付するよう求めています。料金のほか、キャンセル料や交通費などの扱いも、この段階で確かめておきます。

性犯罪の防止については、「こども性暴力防止法」が2026年12月25日に施行されます。ただし、個人で事業を行うシッターは同法の対象事業者に該当しないと整理されています。

預けている間と引き渡しのとき

預けている間も、電話やメールで子どもの様子を確かめるようこども家庭庁は勧めています。カメラなどで様子を見たいと保育者に伝えてもよいとしています。子どもの体調が急に変わったときに、シッターからすぐ連絡を受けられる体制も整えておきます。

子どもを引き取るときは、どんな遊びをしたか、預かっている間の様子はどうだったかを、シッターから報告してもらいます。子どもの様子によっては、本人にも聞いてみます。

不満や疑問があれば、派遣した事業者やマッチングサイトの運営者にすぐ相談します。内容によっては、都道府県や市町村の保育担当部署、地域の消費生活センターに相談するよう、こども家庭庁は案内しています。近くの消費生活センターがわからなければ、消費者ホットラインで案内を受けられます。

費用を軽くする制度

勤め先が制度に参加していれば、「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」の割引券が使えます。事業主拠出金を財源とする国の事業で、公益社団法人全国保育サービス協会が実施しています。割引券は企業が協会に申し込み、従業員に配る電子チケットです。勤め先が承認事業主かどうかは、職場に確かめます。

2026年度(令和8年度)の割引額は1枚2,300円で、2025年度までの2,200円から上がりました。使えるのは対象児童1人につき1日1回2枚まで、1家庭につき1か月24枚、1年間280枚までです。割引券を使えるのは、利用料金が「使用枚数×2,300円」以上の場合で、会費、交通費、キャンセル料、保険料は利用料金に含みません。

計算例:対象児童1人で1回の保育料(入会金や交通費を除く)が4,600円以上なら、2枚使って4,600円の割引を受けられます。

対象になるのは、承認事業主に直接雇用されている人が、本人と配偶者の仕事のためにシッターを使う場合です。対象児童は乳幼児または小学3年生まで(障害者手帳や療育手帳の交付を受けている場合は小学6年生まで)です。使えるのは割引券を扱うと認定された事業者に限られ、次のような利用は対象外です。

  • 労働時間外や休日の利用
  • 自宅以外の場所での保育(祖父母宅なども不可)
  • 掃除、洗濯、炊事などの家事サービス

このほか、産休・育休などから職場に戻るための利用には年度内4枚まで、双子など多胎児の家庭には別枠の割引券(9,000円または18,000円)があります。協会の案内では、割引を受けた額は免税になるとしています。

3歳から5歳の子は、幼児教育・保育の無償化により、ベビーシッターの利用料も月3.7万円まで無償化の対象になります(0歳から2歳は住民税非課税世帯で月4.2万円まで)。市町村から、保育が必要な事情(就労など)があるという認定を受け、保育所や認定こども園などを利用できていないことが条件です。シッター側も、都道府県等に届出をして国の基準を満たしている必要があります。

自治体の補助もあります。たとえば東京都の「ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)」は、区市町村が利用料の負担を軽くする場合に都が費用の一部を補助する仕組みで、住んでいる区市町村からシッターの利用が必要と認められた人が対象です。実施の有無や条件は自治体ごとに異なるため、住んでいる市区町村の窓口で確かめます。

保育園に入れるかどうかで、シッターに頼る日数は大きく変わります。保活の進め方は次の記事で扱っています。

出典

よくある質問

マッチングサイトで見つけた個人のシッターも届出が必要ですか
必要です。個人で行う場合も、事業として乳幼児を預かるなら、1人でも都道府県知事等への届出が義務づけられています。こども家庭庁は、マッチングサイト経由で頼む場合も、都道府県等に届出をしているかを確認するよう勧めています。
割引券は自分で申し込めますか
申し込むのは勤め先の企業です。承認事業主となっている企業が協会に割引券を申し込み、従業員に配ります。使えるのは承認事業主に直接雇用されている人なので、まず勤め先が承認事業主かどうかを確かめます。
休日に夫婦で出かけるときも割引券は使えますか
使えません。割引券は本人と配偶者の仕事のための利用が対象で、労働時間外や休日の利用は対象外です。
シッターに家事も頼めますか
事業者やシッターとの契約によります。ただし、企業主導型の割引券は保育だけが対象で、掃除、洗濯、炊事などの家事サービスには使えません。
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memStock編集部

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