英会話はAI一択になるかもしれない、日本人にぴったりな英会話アプリ「スピーク」

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気になるサービスを使ってみたとは?
起業家・投資家・ファイナンシャルプランナーである山田尚貴が、今まさに気になっているサービスについて、実際に使ってみたことで感じたそのすごさや面白さから、残念な部分やネガティブな感情までを、経営者視点などの様々な角度から分析してお話しする番組です。
英語力を向上させたい多くの日本人にとって、効率的な学習方法の選択は常に悩みの種です。今回は、シリコンバレー発のAI英会話アプリ「Speak(スピーク)」を実際に使ってみて、AIを活用した英語学習の新しい可能性を探ってみました。
もう恥ずかしくない!AIと気軽に話せる新時代の英会話
英会話学習の歴史は長く、ジョン万次郎の時代から日本人は様々な方法で英語習得に挑戦してきました。私自身も高校時代には英語が学年最下位になるほど苦手でしたが、英会話スクールで学ぶうちに徐々に苦手意識を克服できました。ただし、英会話スクールには高額な費用がかかるという大きな壁があります。
現在は様々な選択肢があり、低コストで効果的に学習することが可能になっています。特に注目を集めているのが、AIと会話できる英会話アプリです。「スピーク」は、ChatGPTのような対話型AIを活用し、音声コミュニケーションを通じて英語を学べるアプリです。
日本人向けにも最適化された海外発サービス
スピークはシリコンバレー発のサービスですが、日本向けのローカライズが驚くほど洗練されています。最初は海外製品ということで懐疑的でしたが、実際に使ってみると日本人が開発したのではないかと思うほどのクオリティで、日本語部分の完成度の高さに感心しました。
アメリカは移民大国であり、英語学習のニーズが非常に高いです。特にシリコンバレーには様々な英語を話す人々が集まり、現地のアメリカ人から認められるためには「正しい英語」を身につける必要があります。そのような背景から誕生したのがスピークであり、本気で英語を学びたい人のために設計されています。
自然な会話で身につく実践的な英語力
スピークでは語学学習の基本プロセスを実践的に学ぶことができます。一般的な語学学習では、まず単語を覚え、次に簡単な文章を学び、それを少しずつ変化させながら語彙力を増やしていきます。例えば「I have a pen.」という文を「I have an apple.」に変えるといった具合です。これは、外国人が比較的少ない単語数でも多様な表現ができるようになる方法と同じアプローチです。このような実践的な学習方法ができる点がスピークの大きな魅力です。
このアプリの最も優れている点は、AI技術を活用した会話機能です。従来の英会話アプリでは、あらかじめ用意された決まった返答しか得られませんでしたが、スピークはOpenAIと連携しているため、自分の発言に対して自然な会話として返答が返ってきます。この会話のキャッチボールが違和感なく行えることが、AIを活用した英会話学習の大きな進歩だと実感しました。
多様なシチュエーションで学べる会話練習
アプリ内では人物が登場し、その人物とビデオレッスン形式で対話します。この人物はAIが制御するアバターで、会話の内容に基づいて個別のレッスンが生成されます。文法や語彙のブラッシュアップを行った後、実践的なストーリーのある会話を体験できるのが特徴です。
また、シチュエーション設定も自由に変更できます。英会話スクールでは事前にビジネスや旅行などの目的を決めてレッスンが組まれますが、スピークでは様々な場面に対応できる英語力を身につけられるよう、シチュエーションを自在に変えられる仕組みになっています。
可視化される成長とやる気を保つ工夫
スピークでは学習の進捗を視覚的に確認できる機能が充実しています。従来の英会話では自分の成長が目に見えにくいという課題がありましたが、このアプリでは話した文章量、学習時間、新しく学んだ単語とその活用頻度などが数値で表示されます。
さらに、ゲーミフィケーション要素も取り入れられており、レッスンのクリアや単語の習得に応じてXPが貯まっていきます。リーグ制のランキングもあり、獲得したXPに応じて自分の順位が表示されるため、継続的なモチベーション維持につながります。私は現在リーグ内で7位ですが、課金によってランキングで有利になるようなことはなく、純粋に学習成果が反映される公平な仕組みになっています。これは学習アプリとして理にかなった設計だと思います。
間違いを恐れない心理的安全性の確保
日本人が英会話を苦手とする最大の要因は、間違えることへの恐怖心ではないでしょうか。これは私の持論ですが、日本の教育では間違いをすぐに修正される経験が多く、それが英語学習の障壁になっていると感じます。対人の英会話では間違いを恐れて発言を躊躇してしまいがちですが、AIとの会話では間違えても問題ないという心理的安全性があります。
スピークでは相手が人間ではないため、間違いを恐れずに自由に発話できます。この点が英語学習の効率化につながり、従来の英会話スクールやオンライン英会話よりも早い効果が期待できると考えています。
また、音声認識や音声合成の技術も近年飛躍的に向上しています。数年前は実用レベルとは言い難かった技術が、今では人間とほとんど変わらないクオリティになっています。今後もさらに精度が上がっていくことが予想され、AI英会話アプリの可能性はますます広がっていくでしょう。
これからの英語学習スタイルを考える
AIを活用した英会話学習の可能性について見てきましたが、ここでは他の学習スタイルと比較しながら、これからの英語学習の展望を考えてみましょう。
人と学ぶ英会話の魅力と限界
英会話スクールの最大の課題はコストの高さです。私も通っていた経験がありますが、マンツーマンとグループレッスンで料金が大きく異なります。英語力の向上は発話量に比例すると言われており、理想的にはマンツーマンのレッスンが望ましいのですが、それだけコストがかかります。英会話スクールは資金に余裕があり、個別コーチをつけたい人向けの選択肢と言えるでしょう。
一方、オンライン英会話は価格が下がり続け、現在は月額2,000円程度で「話し放題」というサービスも登場しています。その多くはフィリピン人講師によるレッスンですが、講師によって質にばらつきがあるのが現状です。私も試しに1ヶ月ほど利用しましたが、オンライン英会話は講師の知識量や対応力に大きな差があると感じました。これは英会話スクールでも同様の問題で、人が介在する以上、クオリティの変動は避けられません。
費用対効果から英会話学習を考える
費用面を比較すると、一般的に各学習方法には以下のような価格差があります。
- AI英会話アプリ:
月額2,000円〜4,000円 - オンライン英会話:
月額2,000円〜5,000円(高品質サービスで6,000円〜7,000円) - 英会話スクール(マンツーマン):
月額20,000円〜(1レッスン(40〜50分)あたり7,000円〜8,000円の料金設定が多い)
学習頻度については、オンライン英会話では「レッスン受け放題」を謳うサービスが多いものの、実際には時間的制約から頻繁には受講できないケースが多いです。また、「受け放題」と謳いながらもレッスンの予約が取りにくいという口コミもよく見かけます。
英会話スクールは基本的に週1回、1コマ40分程度のレッスンで、講師の在籍時間も12時から20時頃というものが多いです。仕事をしながら通う場合、夜間しか通えないと選択肢が限られる可能性があります。また、定期的なレッスンは予約しやすくても、スポット的に受講したい場合は難しいことがあります。
自分のペースで進められる柔軟な学習環境
AI英会話の最大のメリットは24時間いつでも利用できる点です。オンライン英会話でも少なくとも40分のまとまった時間が必要で、心の準備も含めると1時間から1時間半ほどの時間を確保する必要があります。対してAI英会話は5分や10分の短い休憩時間でも学習可能で、細切れの時間を有効活用できます。これにより、総学習時間を増やしやすいという大きな利点があります。
一方で、AIは人間ではないため、リアルタイムの会話スピードや個人の癖を完全に再現するのは難しい面もあります。私自身、英会話スクールでは話せると感じていても、実際にアメリカに行ったときにほとんど通じなかった経験があります。これは講師がゆっくり話してくれたり、慣れによって意図を汲み取ってくれたりしていたためです。初対面の人とのコミュニケーションでは、そうした「学習」がないため、理解してもらえないことがあります。
複合的アプローチで効率的に学ぶ未来
スピークを使ってみて、従来型の英会話スクールの存在価値が変化していく可能性を強く感じました。最も効率的な学習方法は、AI英会話で大量の会話練習を行いながら、人間とのコミュニケーションの感覚を掴むためにオンライン英会話を併用することではないでしょうか。
また、オンライン英会話を併用する代わりに、Discordなどのボイスチャットで英語圏の人と趣味のコミュニティで交流するという方法も非常に効果的です。これができる人は積極的に活用すべきですが、多くの日本人は最初のハードルが高いと感じるかもしれません。
AI技術の進化に伴い、アバターの自然さもさらに向上していくでしょう。将来的にはARやVRを活用し、カフェで外国人と話しているかのようなシチュエーション学習も可能になるかもしれません。こうした技術の発展により、英語学習の効率と効果は飛躍的に高まっていくと予想されます。
広がるAI英会話アプリの選択肢
AI英会話アプリは急速に増加しており、レッドオーシャン化が進んでいます。スピークをダウンロードした後、多くの類似アプリが広告で表示されるようになり、その数の多さに驚きました。いくつかのアプリを試してみましたが、サービス内容は似通っており、差別化が難しい状況です。その中でもスピークは日本語のローカライズやゲーミフィケーションの面で特に完成度が高いと感じました。
他のAI英会話アプリとの違い
「Praktika」というAIアバターと会話する英会話アプリも興味深いサービスです。ダウンロードして使おうとしましたが、最初の登録段階で日本語が非常に不自然で理解しづらく、もったいないと感じました。その後登録してみると、サービス自体は非常によく設計されていましたが、日本語のローカライズの問題が使用体験を損なっていました。サービス自体はよく設計されていますが、日本語の不自然さがストレスになる可能性があります。
AI英会話ではないものの、シャドーイングに特化したアプリも多数登場しています。シャドーイングとは、他者の発話を即座に真似る練習で、例えば映画を見ながら役者の話した直後にそのまま話すといった学習法です。これは英語学習の効率を高める有効な方法で、このようなトレーニングをサポートするAIシャドーイングサービスも出てきています。ただし、多くのアプリは最初から課金が必要なため、気軽に試しにくい面があります。
老舗言語学習アプリとの特徴の違い
私が1年前から利用している「Duolingo」は2010年代から続く老舗の言語学習アプリで、最近はChatGPTのAPIを使った会話機能も追加されました。キャラクターとの会話も楽しめる「Duolingo MAX」というプランはスピークとほぼ同じ価格帯で、Duolingo MAXのファミリープランが年額30,000円、スピークのプレミアムプラスプランが年額29,800円で提供されています。
Duolingoの特徴は英語以外にも韓国語やスペイン語など多くの言語に対応していることと、ゲーミフィケーションがスピークよりもさらに充実している点です。ステップごとの目標が明確で、達成感を得やすい設計になっています。大人よりも子供、特に小中学生の入門用として適していると感じます。うちの子も1年ほど遊びながら単語学習に取り組んでいますが、その効果は明らかです。
なお、スピークのプレミアムプラスプランは月払いでは5,800円と高めですが、年払いでは29,800円となり、月換算では大幅に割安になるため、そちらがお得です。英会話アプリを本格的に利用するなら、どこかのサービスを決めて年額で支払い、継続して使用するのが効果的でしょう。
教育分野全体に広がるAI活用の可能性
AI英会話市場はChatGPTなどのAI技術の進化と並行して発展しています。日々新しいサービスが登場する中、英会話アプリも進化を続けるでしょう。
子供の英会話教育についても、従来の英会話スクールは月額30,000円程度で月4回のレッスンが一般的ですが、会話量が限られています。10歳までが言語学習のゴールデンゾーンと言われる中、より多くの会話量を確保するためにはAI英会話アプリの方が効果的かもしれません。
また、スピークなど現在は大人向けに設計されているアプリも、将来的には登録時の年齢に応じて対応や会話相手が変わるなど、子供に特化した機能が増えることも期待できます。
AI技術の進化は英会話だけでなく、予備校や転職支援、コーチングなど様々なチュータリング分野と相性が良く、これらの市場もAIによって大きく変わっていくでしょう。例えば受験対策では、各学校の傾向と対策をAIが学習し、個々の生徒に合った学習方法を提案することも可能になります。英会話に限らず、教育分野全体でAIの活用が進むと考えられます。
AIが開く英語習得の新たな道
私の英語学習の旅は、高校2年生から当時流行していた「駅前留学」の英会話スクールに通い始めたことから本格化しました。2年間学習して「話せる」と思っていましたが、実際にアメリカに行ってみるとハンバーガー一つ注文できないほど実践力が伴っていませんでした。
真の英語力向上は、アメリカで生活し、やむを得ず英語を使わざるを得ない環境に身を置いたことで実現しました。アパート探しから学校の授業まで、すべて英語環境の中で圧倒的な量の英語に触れたことが上達の鍵でした。
このことから、量をこなせば誰でも英語を話せるようになると確信しています。特に日本人は中学・高校で大量の文法と単語を学んでいるため、頭の中には英語のデータベースが既に構築されています。あとは使う機会と量を増やすことで、眠っている知識を活性化させることができるのです。
この点でAI英会話アプリは革新的であり、日本人がより効果的に英語を学べる可能性を秘めています。従来の英会話と比べて、生きた英語、実際に使われている表現を学べる点も大きなメリットです。英会話スクールの講師も日本に住んでいれば、現地で使われている最新の表現を常に把握しているわけではありません。
AI技術の進化と共に英会話学習もさらに進化していくことが期待されます。特に日本に住んでいると英語力が落ちていく傾向がありますが、こうしたアプリを活用して継続的に英語力を維持・向上させていきたいと考えています。
memstock編集部
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山田 尚貴
カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業後、NTTPCコミュニケーションズでシステムエンジニアとして金融機関等のシステム運用などに携わる。2009年、株式会社エニドアを創業し代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスの開発・提供を行う。M&Aにより会社を売却後、上場企業のグループ会社の経営を6年行った後、株式会社modoを創業し代表取締役に就任。家族向けのサービスmemStockの開発を行う。 二級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種を保有。2児の父。



