手間要らずのロボアドバイザーとは

資産形成・投資山田 尚貴(更新: 2026年10月16日)
手間要らずのロボアドバイザーとは
*この記事は、制度やお金の仕組みを分かりやすくまとめた「一般情報」です。正しさや最新かどうかは、必ず国や金融機関などの公式情報でご確認ください。投資は元本が保証されず、損をする可能性もあります。個別の判断が必要な場合は、金融機関や税理士などの専門家に相談してください。

バブルが崩壊してから日本は失われた20年と言われた負の時代を経て、2024年2月には日経平均株価がバブル期の1989年12月につけた史上最高値を更新しました。今まで給与を全て銀行に預けていた人も、加熱する投資ブームに乗りたいと証券口座を開設する人が一気に増えました。NISA口座の数も、2026年6月末時点で3,048万口座に達しています。

ただ、仕事も家事も忙しいし調べたり勉強する暇が全然取れないという人もたくさんいると思います。

そこで、最近CMなどでも目にするようになったロボアドバイザーについてご紹介していきます。

ロボアドバイザーって何?

ロボアドバイザーは、AIなどの技術を用いて、投資家一人ひとりに最適な投資ポートフォリオ(金融資産の組み合わせ)を提案・運用するサービスです。投資の知識や経験がなくても、手軽に資産運用を始められる点が特徴です。

具体的には、投資家から年齢、年収、投資目的、リスク許容度などの情報を入力してもらい、AIが最適なポートフォリオを提案します。その後、定期的にポートフォリオを見直し、必要に応じて売買を行います。

従来は、投資家自身が個別の株式や投資信託を選別してポートフォリオを組まないといけなかったので、時間がない家庭の資産運用に向いています。また、投資先は市況などの外的環境の変化や企業の業績の見通しなどを分析した上で、定期的に自分のポートフォリオの見直しを行います。これをリバランスと言いますが、リバランスも自動で行ってくれるというのが最大のメリットです。

どんなサービスがあるの?

それでは実際にどんなサービスが世の中にあるのか、いくつかのサービスを紹介していきます(手数料などは2026年10月時点の各社の公式サイトの内容です)。

ウェルスナビ

ウェルスナビは、2015年に設立されたウェルスナビ株式会社が2016年1月にサービスを開始したロボアドバイザーで、現在は三菱UFJフィナンシャル・グループの一員です。人工知能(AI)を用いて、投資家一人ひとりに最適な投資ポートフォリオを提案・運用するサービスです。

主な特徴:

  • 全自動運用: 投資家自身で銘柄を選んだり、売買のタイミングを判断する必要はありません。
  • 分散投資: 世界約50カ国・約12,000銘柄に分散投資することで、リスクを抑えながら資産運用を行うことができます。

投資対象:

  • 世界中の株式
  • 債券
  • 不動産
  • 金

手数料:

WealthNaviに対して預かり資産の年率1%(税込1.1%、現金部分を除く。3,000万円を超える部分は年率0.5%・税込0.55%)と、ETFの保有コスト年率0.05〜0.12%程度が手数料としてかかります。手数料の割引として、最大で年率0.90%(税込0.99%)まで割り引く長期割というプログラムも提供しています。NISA口座では、つみたて投資枠の手数料は0%です。

利用方法:

  1. ウェルスナビのウェブサイトまたはアプリで口座開設
  2. 投資目的、リスク許容度、投資期間などを設定
  3. 入金
  4. 運用開始

Folio ROBO PRO

Folio ROBO PROの概要

Folio ROBO PROは、SBIグループの株式会社FOLIOが提供するロボアドバイザーサービスです。AIの将来予測に基づいて毎月投資配分を変更し、必要に応じて臨時の変更も行うことで、パフォーマンスの最大化を目指しています。AIによる将来予測に基づいて投資配分を毎月変更するという点が大きなメリットと言えそうです。

主な特徴:

  • AIによる将来予測: 40以上の先行指標を分析し、将来を予測して投資配分を決めます。
  • 毎月の投資配分の変更: 市場環境の変化に合わせて、毎月ポートフォリオを自動的に調整します。
  • 臨時のリバランス: 必要に応じて、臨時の投資配分の変更も行います。
  • 投資対象: 米国の取引所に上場しているETFを通じて、米国株式・先進国株式・新興国株式・米国債券・ハイイールド債券・新興国債券・米国不動産・金の最大8種類の資産に分散投資します。

手数料:

年率1.1%(税込)。毎月のETF取引コストも含まれています。運用額が3,000万円を超える部分は年率0.55%(税込)です。

利用方法:

  1. Folioのウェブサイトまたはアプリで口座開設
  2. 投資目的、リスク許容度、投資期間などを設定
  3. 入金
  4. 運用開始

SBIラップ

SBIラップの概要

SBIラップは、SBI証券が提供するロボアドバイザーサービスです。SBI証券の総合口座があれば申し込めて、投資に関する知識や経験がない方でも、手軽に資産運用を始められる点が特徴です。投資一任契約の相手は上でご紹介したFOLIOなので、AIのパフォーマンスはそこまでRoboProと変わらない可能性もありますが、AIだけでなく、匠の運用コースというプロの運用担当者が銘柄選定を行う人力のサービスもあるのが大きな違いです。

主な特徴:

  • 主なコース:
    • AI投資コース: AI技術を用いて、個別株やETFに分散投資
    • 匠の運用コース: プロの運用担当者が厳選したファンドに投資
    • このほか、レバレッジ運用のコースやALL株式コースなどもあります

手数料:

  • 投資一任手数料(運用資産額に対して、現金部分を除く):
    • AI投資コース: 年率0.660%(税込)
    • 匠の運用コース: 年率0.770%(税込)
  • このほかに、投資対象ファンドの信託報酬などがかかります(AI投資コースは信託財産に対して年率0.1606%(税込)と、ETFの経費率年率0.03%〜0.49%程度。匠の運用コースは銘柄ごとに年率0.374%〜1.078%(税込))。

利用方法:

  1. SBI証券の口座開設
  2. SBIラップの申し込み
  3. 投資目的、リスク許容度、投資期間などを設定
  4. 入金
  5. 運用開始

THEO

THEOの概要

THEOは、株式会社お金のデザインが提供するロボアドバイザーサービスです。投資家一人ひとりに最適な投資ポートフォリオを提案・運用するサービスです。

主な特徴:

  • 徹底的な分散投資: 約30種類のETF(上場投資信託)への投資により、約70の国・地域の20,000銘柄以上に分散投資
  • オーダーメイドのポートフォリオ: 一人ひとりの年齢や金融資産等に応じた最適なポートフォリオを提案
  • 自動で年齢に応じた資産配分に調整: 年齢に応じて、3つのポートフォリオの割合を調整し、リスクの度合いを自動的に下げていく

手数料:

運用資産額の最大年率1.10%(税込)。時価評価額3,000万円を超えた分は年率0.55%(税込)で、2024年7月からは利用状況と預かり資産に応じた手数料の割引プログラムもあります。

利用方法:

  1. 無料診断で将来の資産をシミュレーション
  2. THEOのウェブサイトまたはアプリで口座開設
  3. 入金
  4. 運用開始

ロボアドバイザーのメリットとデメリット

家庭でロボアドバイザーを使うメリット

  • 手軽に始められる: 投資の知識や経験がなくても、簡単に始められます。
  • 手間がかからない: 投資家自身で銘柄を選んだり、売買のタイミングを判断する必要はありません。
  • 分散投資: 複数の金融商品に分散投資することで、リスクを抑えることができます。
  • NISA口座に対応: NISA口座で運用できるサービスもあり、非課税枠を使えます。
  • 自動リバランス: 多くのサービスが自動でポートフォリオの入れ替えを定期的に実施してくれます。

家庭でロボアドバイザーを使うデメリット

  • 全自動運用: 個別の銘柄選択はできません。
  • 手数料: 投資信託よりも手数料が高い場合があります。
  • 長期的な運用が必要: 短期的な利益を得るには不向きです。
  • 金融商品の種類: 取扱金融商品が少ない場合があります。

実際に使ってみた感想

筆者自身、THEO、WealthNavi、RoboProと3つのサービスを使ってみました。そのうちウェルスナビとRoboProは現在も継続して使っています。ユーザーとして見た時に、実際の画面や登録までのハードルはどのサービスもそこまで違いはありませんでした。ただ、入金してリスク許容度を選んで後は勝手に運用してくれるという体験は、手数料分の仕事をしてくれている気がします。パフォーマンスも自分自身ではそこまで各社変わらないのですが、RoboProは株式の変動が大きい時(特に下落局面)でもそこまでパフォーマンスが落ちない=AIがしっかりと予想した通りの動きになっているのかなと思いました。

RoboProで実際に筆者が運用しているポートフォリオ。円グラフでカテゴリー毎の比率を表している。
RoboProでの筆者の運用ポートフォリオ(2024年3月23日現在)

まとめ

ロボアドバイザーは、手軽に資産運用を始められるメリットがあります。忙しい共働き世帯にとって、最初の一歩を踏み出すには最適な選択肢になり得ます。一方、自身で投資信託や個別株を売買するより手数料が高い場合もあります。ロボアドバイザーと一言で言っても、たくさんのサービスが存在しています。過去のパフォーマンスと自身のリスク許容度を考えながら、自分にあったサービスを探してみてください。

出典

よくある質問

ロボアドバイザーはどんなサービス?
AIなどの技術を用いて、投資家一人ひとりに最適な投資ポートフォリオを提案・運用するサービスです。年齢や年収、リスク許容度などの情報から最適なポートフォリオが自動提案されます。
ロボアドバイザーのメリットは?
投資の知識や経験がなくても手軽に始められます。投資家自身で銘柄を選んだり売買のタイミングを判断する必要がなく、世界中の金融商品に分散投資できます。自動リバランスも行われます。
各ロボアドバイザーサービスの手数料はどのくらい?
2026年10月時点で、ウェルスナビは預かり資産の年率1%(税込1.1%、別途ETF保有コスト年率0.05〜0.12%程度)、Folio ROBO PROは年率1.1%(税込)、SBIラップの投資一任手数料はAI投資コース年率0.660%(税込)・匠の運用コース年率0.770%(税込)で別途信託報酬など、THEOは最大年率1.10%(税込)です。
山
この記事を書いた人

山田 尚貴

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業後、NTTPCコミュニケーションズでシステムエンジニアとして金融機関等のシステム運用などに携わる。2009年、株式会社エニドアを創業し代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスの開発・提供を行う。M&Aにより会社を売却後、上場企業のグループ会社の経営を6年行った後、株式会社modoを創業し代表取締役に就任。家族向けのサービスmemStockの開発を行う。 二級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種を保有。2児の父。

関連記事