森林環境税とは?令和6(2024)年度から課税される国税の概要

お金の話memstock編集部(更新: 2026年3月25日
森林環境税とは?令和6(2024)年度から課税される国税の概要
*この記事は、制度やお金の仕組みを分かりやすくまとめた「一般情報」です。正しさや最新かどうかは、必ず国や金融機関などの公式情報でご確認ください。投資は元本が保証されず、損をする可能性もあります。個別の判断が必要な場合は、金融機関や税理士などの専門家にご相談ください。

今月に入り、住民税の通知書に「森林環境税」という聞き慣れない税金が記載されているのに気づいた人も多いのではないでしょうか。

この税金は2024年度から新たに導入されたもので、森林整備等に活用されます。

なぜこの税金が創設されたのか、どのように使われるのか、気になる点を本記事でわかりやすく説明します。

森林環境税とは

森林環境税は、2024年度から開始された国税です。その目的は、適切な森林整備等を進めていくために必要な地方財源を安定的に確保することにあります。

林野庁によると、「森林の有する公益的機能は、地球温暖化防止のみならず、国土の保全や水源の涵養等、国民に広く恩恵を与えるものであり、適切な森林の整備等を進めていくことは、我が国の国土や国民の生命を守ることにつながる一方で、所有者や境界が分からない森林の増加、担い手の不足等が大きな課題」とされています。

このような森林を取り巻く課題に加え、2015年に採択されたパリ協定の枠組みにおける温室効果ガス排出削減目標の達成や、災害防止等を図るための森林整備を推進する必要性から、森林環境税が創設されました。

目的

森林環境税は以下の3つの目的を掲げています。

  • 森林整備等に必要な地方財源の安定的な確保
  • パリ協定の枠組みにおける温室効果ガス排出削減目標の達成
  • 災害防止等を図るための森林整備の推進

特に近年では、気候変動による自然災害の増加が懸念されています。健全な森林は、土砂崩れや洪水を防ぐ機能を有しているため、私たちの生活を守る上でも適切な森林整備が欠かせません。

森林環境税は、そのための財源を安定的に確保することを目指しているのです。

仕組み

森林環境税は、個人住民税均等割の枠組みを用いて市町村が賦課徴収し、都道府県を通じて国に払い込む仕組みになっています。

具体的な流れは以下の通りです。

  1. 納税者から市町村に納付
  2. 市町村から都道府県を通じて国に払込み
  3. 国から市町村・都道府県に譲与税として配分

つまり、納税者の立場からすると、森林環境税は個人住民税と一緒に市町村に納めることになります。

徴収された森林環境税は最終的に国に払い込まれた後、森林環境譲与税として市町村や都道府県に再配分されるのです。

いつから徴収される?

森林環境税の課税開始時期は、2024年度(令和6年度)からとなっています。

当初の予定では、森林環境譲与税も2024年度から開始される予定でしたが、森林整備が喫緊の課題であることから、譲与税については前倒しで2019年度(令和元年度)から譲与が開始されています。

誰が徴収される?

森林環境税の課税対象者は、国内に住所のある個人です。法人は課税の対象外となります。

いくら徴収される?

森林環境税の税額は、1人年額1,000円と定められています。この税額は、個人住民税均等割と併せて徴収されます。

森林環境譲与税について

先述の通り、国に払い込まれた森林環境税は、森林環境譲与税として市町村と都道府県に対して、私有林人工林面積、林業就業者数及び人口による客観的な基準で按分して譲与されます。

総務省によると、「森林環境譲与税は、市町村においては、「森林整備及びその促進に関する費用」に、また、都道府県においては「森林整備を実施する市町村の支援等に関する費用」に充てること」とされています。

つまり、森林環境税を財源とした森林環境譲与税は、市町村が直接森林整備等を行うための費用や、都道府県が管内の市町村における森林整備を支援するための費用に充てられるということです。

森林環境税と森林環境譲与税の違い

森林環境税と森林環境譲与税は密接に関係していますが、それぞれ以下のような違いがあります。

  • 森林環境税は国税、森林環境譲与税は国が地方自治体に譲与する譲与税であること
  • 森林環境譲与税の財源は国税である森林環境税であること
  • 森林環境譲与税は2019年度(令和元年度)から先行して譲与が始まっていること

このように、森林環境税を財源として、森林環境譲与税が地方自治体に配分されている仕組みになっています。

まとめ

本記事では、2024年度から新たに始まった森林環境税について解説しました。

森林環境税は、国内に住所を有する個人から年額1,000円が徴収される国税です。その目的は、適切な森林整備等を進めていくために必要な地方財源を安定的に確保することにあります。

徴収された森林環境税は国に払い込まれた後、森林環境譲与税として市町村や都道府県に再配分され、森林整備等の費用に充てられます。

森林環境税は、国民一人一人が森林の恩恵を受けている受益者であるという認識のもと、その対価を納税という形で森林整備に役立てる仕組みです。この税金を通じて、森林を守り育てる活動が着実に進められ、豊かな森林が次世代に引き継がれていくことが期待されます。


[参考]
 総務省|地方税制度|森林環境税及び森林環境譲与税
 森林環境税及び森林環境譲与税:林野庁

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この記事を書いた人

memstock編集部

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この記事を監修した人

山田 尚貴

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業後、NTTPCコミュニケーションズでシステムエンジニアとして金融機関等のシステム運用などに携わる。2009年、株式会社エニドアを創業し代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスの開発・提供を行う。M&Aにより会社を売却後、上場企業のグループ会社の経営を6年行った後、株式会社modoを創業し代表取締役に就任。家族向けのサービスmemStockの開発を行う。 二級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種を保有。2児の父。

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