「Disney+」を使ってみた(後編)

memStockでは、Spotifyほか各種ポッドキャスト配信サービスにて「気になるサービスを使ってみた」を配信中です。
本記事は、音声配信であるポッドキャストを「文字で読みたい人」に向けて内容を要約したものです。
気になるサービスを使ってみたとは?
起業家・投資家・ファイナンシャルプランナーである山田尚貴が、今まさに気になっているサービスについて、実際に使ってみたことで感じたそのすごさや面白さから、残念な部分やネガティブな感情までを、経営者視点などの様々な角度から分析してお話しする番組です。
▽前編はこちら
レコメンド機能の課題
視聴履歴との不一致
「Disney+(ディズニープラス)」のレコメンド機能には課題があるようです。私の場合、「SHOGUN 将軍」しか視聴していないにもかかわらず、「SHOGUN 将軍を見たあなたへ」というレコメンドには、「プレデター」や「ウォーキング・デッド」といった、全く異なるジャンルの作品が並び、興味をそそられませんでした。
また、子供用のアカウントで「ベイマックス」を視聴しましたが、自分用のアカウントでは視聴していないにもかかわらず、自分用アカウントに「ベイマックスを見たあなたへ」というレコメンドが表示されるなど、アカウント間の区別が適切に機能していないように感じました。これでは、アカウントを分けている意味が薄れてしまいます。
Netflixとの比較
「Netflix」では、視聴した直後に「これも観たい」と感じる作品が高い精度でオススメされてきます。これはNetflixが10年以上かけて蓄積してきた視聴データとアルゴリズムの改善の成果でしょう。
現在、アメリカの動画配信サービスの市場シェアではNetflixが21%を占めているのに対し、ディズニープラスは11%に留まっています。この10%の差は、こうしたレコメンドの精度の違いから来ているのではないかと思われます。動画配信サービスにとって、毎月継続して料金を支払ってもらうことはビジネスモデル的に重要であり、その意味でもレコメンド機能の改善は不可欠でしょう。
コンテンツの探しやすさ
検索機能の課題
コンテンツの検索性にも課題が見られます。現状では、ディズニー、ピクサー、マーベルといった制作会社別の大きなカテゴリーは存在するものの、アクションやドラマといったジャンル別の分類や、気分やテーマに応じた作品の探しやすさが十分とは言えません。
Netflixのような詳細なカテゴリー分類があれば、よりユーザーの目的に沿った作品探しが可能になるはずです。特に、コンテンツ数が増加している現在、より洗練された検索・分類システムの必要性は高まっています。
ユーザーからの声
ユーザーレビューからは、様々な不満の声が上がっています。「韓国ドラマは不要」「ディズニー作品だけに絞ってほしい」といった意見や、以前は視聴できていたミッキーのショートムービーなどが削除されたことへの不満など、ディズニーファンならではの声が目立ちます。
これらの声は、ディズニーの伝統的な世界観を大切にしつつ、新しいコンテンツをどのように提供していくかという課題を示しています。特に、コアなディズニーファンの期待と、新規ユーザー獲得のためのコンテンツ拡充のバランスが問われています。
グローバル展開の現状
ディズニープラスには、「Disney+ Core」と「Disney+ Hotstar」という2つの形態があり、日本などの先進国ではCoreを、インド、インドネシア、マレーシアなどではローカルコンテンツやスポーツ中継を加えたHotstarを提供しています。
しかし、各国でのコンテンツ調達や現地企業との連携、チーム組成など、ローカライズにかかる負担は決して小さくありません。さらに、インドではクリケットの放映権喪失によるユーザー離れなど、地域特化型のコンテンツ戦略にも課題が見えてきています。
今後への期待と提案
料金プランの見直し
現状の課題に対する一つの解決策として、「スカパー!」のような選択制の料金プランが考えられます。基本料金を抑え、その上で視聴したいコンテンツを選択できる仕組みです。
これにより、ディズニー作品のコアなファンは望むだけ選択・課金ができ、特定のドラマだけを視聴したい人は、基本料金のみで利用できるようになります。このような柔軟な料金体系は、より多くのユーザーのニーズに応えることができる可能性があります。
サービス拡充の可能性
ディズニーならではの展開として、ディズニーランドでの購入が割引になるといった特典や、オンラインショップでの会員特典など、実店舗やグッズ販売との連携も検討に値します。
ただし、これはディズニー全体の収益構造に関わる判断となるため、慎重な検討が必要となります。実際、ディズニーランド自体の入場料が1万円程度することを考えると、動画配信サービスの料金設定にはまだ余地があるのかもしれません。
サービスの未来
成長と今後の課題
ディズニープラスは、サービス開始からわずか2年で1億人のユーザーを獲得しました。これは、Netflixが同じユーザー数を獲得するまでに約10年を要したことと比較すると、驚異的な成長です。
しかし、その後の2年間で増加したユーザー数は5000万人程度に留まっており、成長の鈍化が顕著です。この状況は、当初のディズニーファンの取り込みが一段落し、新たな成長戦略の必要性が高まっていることを示唆しています。
展望と期待
私自身、Netflix、Hulu、Amazonプライムなど、複数の動画配信サービスを契約していますが、ディズニープラスについては現在の月額1,320円(プレミアムプラン)という料金に対して、「SHOGUN 将軍」以外のコンテンツを視聴していないため、継続利用を迷っている状況です。
サービス開始から4年以上が経過し、改めてビジネスモデルを見直してみると、ユーザー体験の改善と柔軟な料金体系の導入が、今後の発展には不可欠だと感じています。
memstock編集部
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山田 尚貴
カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業後、NTTPCコミュニケーションズでシステムエンジニアとして金融機関等のシステム運用などに携わる。2009年、株式会社エニドアを創業し代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスの開発・提供を行う。M&Aにより会社を売却後、上場企業のグループ会社の経営を6年行った後、株式会社modoを創業し代表取締役に就任。家族向けのサービスmemStockの開発を行う。 二級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種を保有。2児の父。



