ポイントサイト「モッピー」を使ってみた(前編)

memStockでは、Spotifyほか各種ポッドキャスト配信サービスにて「気になるサービスを使ってみた」を配信中です。
本記事は、音声配信であるポッドキャストを「文字で読みたい人」に向けて内容を要約したものです。
気になるサービスを使ってみたとは?
起業家・投資家・ファイナンシャルプランナーである山田尚貴が、今まさに気になっているサービスについて、実際に使ってみたことで感じたそのすごさや面白さから、残念な部分やネガティブな感情までを、経営者視点などの様々な角度から分析してお話しする番組です。
なぜ今、ポイ活に着目したのか
「ポイ活」という言葉は長年知ってはいたものの、なんとなく胡散臭いなと思い、ずっと敬遠してきました。しかし、コロナ禍以降、この言葉を頻繁に耳にするようになり、これだけ世の中で聞くんだったら使ってみようと思い立ちました。
実際に調べてみると、代表的なポイントサービス「モッピー」のユーザー数は1200万人にも上ります。日本人の約10人に1人が使っているという規模は驚きでしたが、さらにその約半数の500〜600万人がアクティブユーザーとして定期的にサービスを利用しているということも分かりました。この高いアクティブ率は、後述するように、ユーザーを継続的にサイトへ呼び込む仕組みが緻密に設計されていることと関係しています。
ポイントサービスの変遷
ポイントサービスの歴史は2000年頃まで遡ります。最初の大きな転換点は、ヨドバシカメラのゴールドポイントでした。それまでの紙のスタンプカードとは異なり、デジタル化されたポイントカードが登場しました。2004年頃には、TSUTAYAのTポイントが登場し、その後、楽天ポイントが大きな変革をもたらしました。
楽天は「楽天経済圏」と呼ばれる独自の経済システムを作り上げ、買い物だけでなく、旅行やガソリンなど、様々なサービスと連携しています。現在では楽天ペイを通じて実店舗でも利用でき、なんだかんだ言ってサービスの多さで優位性を確立しています。
その後2010年頃には、Pontaポイントなどのいろいろなポイントがどんどんと発行されていきます。
さらに、2019年10月の消費税増税に伴う経済産業省によるキャッシュレス・ポイント還元事業が大きな転換点となり、その後のコロナ禍での在宅増加によるオンラインショッピングの普及や、総務省のマイナポイント事業も相まって、ポイ活への注目が一気に高まりました。
多様化するポイントサービス
ポイントサービス市場には、実に多様なサービスが存在しています。例えば、ANAは歩いたらマイルがもらえる「健康促進×ポイ活」のようなアプリ「ANA Pocket」を出しています。
ポイントサイトに注目すると、「げん玉」は600〜700万人規模のユーザーを抱え、「ポイントタウン」や「ポイントインカム」なども、数百万人規模のユーザーを持っています。各サービスには特徴があり、例えばGMOメディアのポイントタウンは、自社グループのサービスへの誘導を重視した設計となっています。
ただし、ポイントの価値設定には注意が必要です。「10万ポイントプレゼント!」といった表示があっても、10ポイントが1円という換算の場合もあり、景品表示法の観点からも疑問が残る表示方法が見られます。その点、モッピーは1ポイント1円という分かりやすい設定で、ユーザーにとって理解しやすい仕組みになっています。
ポイント獲得方法の多様化
ポイントの貯め方には様々な種類があります。アンケートへの回答や、ゲーム・アプリの利用、ホテルのモニター体験、レシート画像のアップロードなど、生活のさまざまな場面でポイントを獲得できるようになっています。
特徴的なのは、複数の獲得方法を組み合わせられる点です。例えば、特定のクレジットカードと特定のショッピングサイトを組み合わせることで、より多くのポイントを獲得できます。このような組み合わせ方はアフィリエイトサイトでも頻繁に紹介されていますが、その複雑さゆえに「めんどくさい」と感じるユーザーも多いようです。他にも、InstagramやTikTokでは、特に主婦層のポイ活インフルエンサーが多く、ポイントの貯め方を紹介しています。
ポイ活における注意点
ポイ活をする上で注意すべき点もあります。ポイントを貯めることに執着して、不要な支出をしてしまうケースが見られます。例えば、航空会社のステータスを上げるために必要以上に飛行機に乗る「マイラー」のような行動です。
また、ポイントには有効期限があり、短いものでは3ヶ月で失効してしまうこともあります。ポイントの失効は発行企業にとって収益となるため、一部のサービスでは意図的に短い有効期限を設定している可能性もあります。例えばモッピーでは、数分で完了するような簡単なタスクを用意することで、ユーザーを頻繁にサイトへ呼び込み、そこで魅力的なポイント獲得機会を提示する仕組みを作っています。このような工夫は、ビジネスとしてはうまく設計されているものの、ユーザーとしては依存しすぎない注意が必要でしょう。
結局のところ、楽しみながらも深追いしすぎないというバランス感覚が、継続的なポイ活には重要かもしれません。
(後編へ続く)
memstock編集部
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山田 尚貴
カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業後、NTTPCコミュニケーションズでシステムエンジニアとして金融機関等のシステム運用などに携わる。2009年、株式会社エニドアを創業し代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスの開発・提供を行う。M&Aにより会社を売却後、上場企業のグループ会社の経営を6年行った後、株式会社modoを創業し代表取締役に就任。家族向けのサービスmemStockの開発を行う。 二級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種を保有。2児の父。



