時短の朝ごはん、栄養はどうそろえる?

働き方・扶養と税memStock編集部(更新: 2026年10月13日)
時短の朝ごはん、栄養はどうそろえる?

7時半には家を出るのに、子どもはまだ眠そうで、食卓にはトーストが1枚だけ。平日の朝ごはんを手早く、それでも栄養が偏らないようにしたいと考える家庭は多いはずです。

農林水産省の資料が勧める朝食は、最初から品数をそろえるものではありません。牛乳や果物など食べやすいものから始め、おにぎりや目玉焼き、次にごはん・味噌汁・おひたし・納豆へと一品ずつ増やしていく順番が示されています。この記事では、食育白書と国の調査、農林水産省・厚生労働省の資料をもとに、忙しい朝の朝ごはんのそろえ方を整理します。

朝ごはんを食べない子どもはどのくらいいるか

文部科学省が小学6年生と中学3年生を対象に行った2025年度の「全国学力・学習状況調査」では、朝食を毎日食べていない(「あまりしていない」「全くしていない」)と答えたのは、小学生の6.4%、中学生の8.6%でした。2026年6月に公表された令和7年度食育白書は、小・中学生の朝食欠食率は近年増加傾向にあるとしています。

同じ白書には、朝食を毎日食べている小・中学生と全く食べていない小・中学生の間で、各教科の平均正答率に大きいところで10ポイント程度の差があるという集計も載っています。スポーツ庁の2025年度「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」でも、毎日朝食を食べる子どもほど体力合計点が高い傾向にありました。どちらも朝食と結果が一緒に動いているという集計で、朝食を食べれば点数が上がるという因果を示したものではありません。白書は朝食と並べて、毎日同じくらいの時刻に寝ていない小学生が18.1%、中学生が18.8%いることも示しています。

2026年6月に決まった第5次食育推進基本計画は、朝食を欠食する子どもの割合を2030年度までに5%以下にする目標を置きました。第4次計画では0%を目標にしていた項目です。

大人が朝ごはんを食べられない理由

農林水産省が2025年10〜11月に全国の20歳以上に行った「食育に関する意識調査」では、朝食を「ほとんど毎日食べる」人は77.0%、「ほとんど食べない」人は11.0%でした。20〜39歳に限ると「ほとんど毎日食べる」は61.6%に下がり、「ほとんど食べない」が20.1%います。第5次計画によると、朝食を欠食する若い世代(20歳代・30歳代)の割合は2025年度に28.2%でした。

毎日は食べていない人に朝食を食べるために必要なことを聞くと、「朝、食欲があること」44.5%、「自分で朝食を用意する時間があること」43.7%、「朝早く起きられること」40.4%、「朝食を食べる習慣があること」39.2%、「自分で朝食を用意する手間がかからないこと」36.8%の順でした。時間と手間に加えて、食欲と起床時刻が上位に入っています。

朝食を食べないことがあるようになった時期は、「20〜29歳から」が23.0%、「高校を卒業した頃(18歳程度〜20歳程度)から」が19.9%で多く、「小学生の頃から」は4.5%でした。第5次計画は、子どもの朝食摂取には家族に朝食を食べる習慣がないことの影響も考えられるとしています。子どもの朝食を見直すときは、親自身の朝ごはんも同じ食卓に並べて考えると、家族の習慣として変えやすくなります。

朝ごはんの中身は主食・主菜・副菜で考える

子どもの朝食について、農林水産省は、食べていてもおにぎりやパンだけだったり、お菓子を食事代わりにしたりすることにも注意が必要だとしています。ごはんやパンなどの主食に、主菜と副菜を組み合わせる形が目安です。

何をどれだけ食べるかの物差しには、厚生労働省と農林水産省が決めた「食事バランスガイド」が使えます。食事を主食・副菜・主菜・牛乳・乳製品・果物の5つに分け、量を「つ(SV)」という単位で数えます。主食はごはん・パン・麺、主菜は肉・魚・卵・大豆製品のおかず、副菜は野菜・きのこ・いも・海藻のおかずです。中学生などジュニア世代は、丈夫な骨をつくるカルシウムを多く含む牛乳・乳製品を大人より少し多めにとるよう勧められています。

朝食は、1日の野菜を補う機会にもなります。厚生労働省の2024年「国民健康・栄養調査」では、20歳以上の野菜摂取量の平均は1日258.7gで、健康日本21(第三次)の目標である350gに約90g届いていません。

食塩にも目安があります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」は、食塩の1日の目標量を成人男性7.5g未満、女性6.5g未満としています。2024年の国民健康・栄養調査では平均9.6gでした。味噌汁や漬物、加工食品を組み合わせる朝は、容器包装に入った加工食品に表示が義務付けられている「食塩相当量」を見て選ぶと、量を確かめられます。

忙しい朝の段取りと、前の晩の準備

農林水産省は、朝食をとっていない人向けに、まず乳製品・果物・野菜ジュースなどから始め、次に簡単に準備できるおにぎり・目玉焼き・サラダ、その次にごはん・味噌汁・おひたし・納豆へと進む順番を挙げています。家族の今の朝ごはんがどの段階にあるかを見て、一つ先の段階の品を一品足すと考えると、無理なく増やせます。

段階 農林水産省が挙げる品の例 主に補えるもの
まずここから 乳製品、果物、野菜ジュース 牛乳・乳製品、果物
次の段階 おにぎり、目玉焼き、サラダ 主食、主菜、副菜
その次 ごはん、味噌汁、おひたし、納豆 主食、副菜、主菜

朝の調理時間を減らす準備も同じ資料に書かれています。前日の食事をとり分けておく、冷凍おにぎりやパン、納豆、チーズ、冷凍野菜や缶詰など簡単にとれるものを用意しておく、といった方法です。子ども向けのページでも、前夜の残り物を使ったり、冷凍したごはんを温めて使ったりして効率よく準備するよう勧めています。夕食のおかずを1皿分とり分けておけば、翌朝はごはんを温めるだけで主菜がそろいます。

とり分けた料理や作り置きは、保存の仕方に気をつけます。厚生労働省の家庭向けの食中毒予防の資料は、残った食品を早く冷えるよう浅い容器に小分けして保存し、冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は−15℃以下を目安に保つよう呼びかけています。

夜の過ごし方と、子どもが朝食づくりに加わる工夫

朝に食欲がわかない理由について、農林水産省は、夕食が遅かったり夜食を食べ過ぎたりすると食欲がわかないこと、夜型の生活で早く起きられないと朝食の時間がとれないことを挙げ、まず生活時間を見直すよう勧めています。食欲がない人には、起きてすぐ水や牛乳、野菜ジュースを飲んで胃を目覚めさせる方法が紹介されています。

夕食が遅くなる日には、農林水産省は食事を2回に分ける「分食」も紹介しています。夕方におにぎりなどの主食を食べ、帰宅後は副菜やおかずだけを食べる方法です。寝る直前にエネルギーや脂質の多いものを食べると体内時計が乱れたまま翌日を迎えることになると説明されています。文部科学省などが進める「早寝早起き朝ごはん」国民運動も、睡眠と朝食をひとまとまりで扱っています。

朝食の準備に子どもが加わることも、家庭でできる食育です。食生活指針には「家族の団らんや人との交流を大切に、また、食事づくりに参加しましょう」という項目があり、食育基本法も家庭の食育を支える施策の例に「親子で参加する料理教室」を挙げています。前の晩に冷凍ごはんを出しておく、牛乳を注ぐ、おにぎりを握るなど、年齢に合った作業を朝の段取りに組み込めます。国の指標では朝食か夕食を家族と一緒に食べる回数を「共食」として数えており、朝の数分を一緒に食卓で過ごすことも食育の一部です。

食育の法律や国の計画、共食や郷土料理の取り組みについては、こちらの記事でまとめています。

夕食の主食・主菜・副菜のそろえ方や、総菜・冷凍食品の組み合わせ方はこちらの記事で扱っています。

出典

よくある質問

朝ごはんがパンだけ、おにぎりだけでも大丈夫ですか
何も食べないよりは、食べやすいものから始めることを農林水産省も勧めています。ただし子どもの朝食について、おにぎりやパンだけになることには注意が必要だとしています。牛乳やチーズ、果物、目玉焼き、納豆など、準備に手間のかからないものを一品ずつ足していく方法があります。
朝食を食べると成績が上がりますか
食育白書には、朝食を毎日食べる小・中学生ほど全国学力・学習状況調査の平均正答率が高いという集計が載っていますが、朝食と成績が一緒に動いていることを示したもので、朝食だけで成績が上がるという意味ではありません。白書は朝食を、睡眠や起床の時刻と並ぶ基本的な生活習慣の一つとして扱っています。
子どもが朝、食欲がないと言います
農林水産省は、夕食が遅い、夜食を食べ過ぎる、寝る時間が遅いといったことが朝の食欲に影響するとしています。夕食や就寝の時刻を見直すことと、起きてすぐ牛乳や水などを飲み、食べやすいものから口にすることが紹介されています。
子どもの朝ごはんの量はどう決めればよいですか
農林水産省は、食事の適量は性別、年齢、身体活動量によって異なるとしています。「食事バランスガイド」で1日に必要な量を確かめ、そのうち朝食で主食・主菜・副菜のどれをとるかを決めると、昼食や夕食で補う分も見えやすくなります。
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この記事を書いた人

memStock編集部

memStock編集部は、家族の豊かな暮らしと家計管理を応援する記事制作チームです。ライフハック・節約・投資・保険など、日常生活とお金に関する実用的な情報を、確かな専門知識と多様な視点から分析・提供しています。読者の皆様が抱える日々の悩みや将来への不安を解消し、ワンランク上の生活を実現するためのヒントが詰まった記事をお届けします。 「家族の暮らしをより豊かに」をモットーに、わかりやすく実践的なコンテンツで皆様の人生設計をサポートします。

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この記事を監修した人

山田 尚貴

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業後、NTTPCコミュニケーションズでシステムエンジニアとして金融機関等のシステム運用などに携わる。2009年、株式会社エニドアを創業し代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスの開発・提供を行う。M&Aにより会社を売却後、上場企業のグループ会社の経営を6年行った後、株式会社modoを創業し代表取締役に就任。家族向けのサービスmemStockの開発を行う。 二級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種を保有。2児の父。

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