「LUUP」は未来を変えるのか?乗ってみて分かった賛否両論の意味とは

memStockでは、Spotifyほか各種ポッドキャスト配信サービスにて「気になるサービスを使ってみた」を配信中です。
本記事は、音声配信であるポッドキャストを「文字で読みたい人」に向けて内容を要約したものです。
気になるサービスを使ってみたとは?
起業家・投資家・ファイナンシャルプランナーである山田尚貴が、今まさに気になっているサービスについて、実際に使ってみたことで感じたそのすごさや面白さから、残念な部分やネガティブな感情までを、経営者視点などの様々な角度から分析してお話しする番組です。
街中で見かけるようになったグリーンのポート。電動キックボードと電動アシスト自転車のシェアリングサービス「LUUP」について、SNSなどでは賛否両論が交わされています。
今回は、LUUPを利用して実際に体験してみることで、その使い心地や議論の背景について理解を深めてみました。
充実のインフラと手軽な利用システム
アプリをダウンロードして実際に利用を開始するまでの手順は、予想以上に簡単でした。電話番号認証、氏名、生年月日、メール認証、クレジットカード登録を行えば、電動自転車はすぐに利用可能です。電動キックボードの場合は、年齢確認書類の登録と、全11問の交通ルールテストが追加で必要となります。
今回初めて利用したエリアである渋谷区から港区にかけては数多くのポートが設置されており、アプリ上で近くのポートや利用可能な車両の充電状況まで確認できます。返却時も、任意に選択したポートに停めて写真を送信するだけという手軽さです。

実際、利用回転率の高さを実感する場面もありました。返却手続きの最中に次の利用者が待機していて、手続き完了と同時に次の利用が始まるほどです。初回利用時には30分間の無料クーポンも付与されますので、ぜひ一度試してみてほしいです。
電動自転車と電動キックボード、それぞれの乗り心地
まずは電動自転車から挑戦
初めてLUUPを利用するにあたって、電動キックボードにはまだ不安があったため、まずは電動自転車から試すことにしました。
渋谷区から港区にかけての都心部を走行しましたが、特に港区では車の運転が荒い場面も多く、予想以上に緊張感のある体験でした。それでも、アプリに搭載されたナビゲーション機能のおかげで初めての道でも迷うことなく目的地まで向かうことができました。

今回利用した渋谷から麻布までの距離をわずか18分という実用的な速度で移動できることも、大きなメリットだと感じました。

住宅街で試した電動キックボード
自転車での経験を経て、次は電動キックボードに挑戦しました。二子玉川周辺の住宅街で利用しましたが、10年前の電動キックボードと比べて性能面での向上を実感しました。操作の安定性が格段に改善され、アクセル操作も滑らかになっています。
発進時には足でキックする必要があり、最初は戸惑いましたが、これは安全面では理にかなった仕様と言えるかもしれません。急な加速を防ぎ、初心者でも安全に発進できる工夫とも言えます。
ただし、車輪が小さいなど安定性に欠けるため、段差や踏切での衝撃には注意が必要です。実際に踏切を渡った際には、レールの溝に車輪を取られそうになり、ヒヤリとしました。
天候の良い日だったこともあり、住宅街での走行は快適でしたが、これを都心の国道沿いなどで利用するのは少し不安が残ります。特に何か危険を感じた際の対処方法が限られている点は、このモビリティの課題かもしれません。
安全面とルール:解決すべき課題
交通ルールの認識と遵守については課題が残ります。特に電動キックボードについては、SNS上で批判的な意見も多く見られますが、その多くは実際の利用経験がない方からの指摘のようです。特に都心部では、タクシーやトラックドライバーとの関係が課題となっています。LUUP利用者と自動車運転者の双方が、お互いの立場やそれぞれが適用される交通ルールを理解し合うことが重要だと感じました。
また、多くの一方通行の道路で「自転車を除く」という標識があることで、自転車もキックボードも逆走が合法となってしまう現状があります。しかし、そもそも一方通行は一方通行として守られるべきではないでしょうか。一方通行路でのカーブミラーは正方向の交通を前提に設置されているため、本来の安全確認機能が果たせません。さらに、ナビゲーションシステムがこうした道を迂回せずに案内してしまう点も、システムとして改善の余地があると感じました。
2023年7月からは、ヘルメットの着用が、必須から努力義務へと緩和されましたが、安全面での不安は残ります。特に電動キックボードは転倒時の危険性が高く、ヘルメットの着用が推奨されます。しかし、「いつでもどこでも乗れる」という利点を活かすために、ヘルメットを常時携帯することは現実的ではないというジレンマも存在します。
これらの課題に対して、LUUP側も安全講習会を実施するなどの対策を講じていますが、より実効性のある安全教育の仕組みが必要かもしれません。たとえば、原付免許取得時のような学科試験と実車での講習を必須化するなどの対応も、検討に値する選択肢の一つと考えられます。
これからの可能性
LUUPは、特に都市部での移動に新しい選択肢を提供しています。地下鉄の駅間や、タクシーを使うほどではない距離の移動に適しており、経済性と環境への配慮も両立できます。
実際に体験してみて、LUUPには確かな可能性を感じました。ただし、より多くの人が快適に利用できるようになるには、利用者のマナー向上と適切なルール作りが欠かせません。みんなが安心して利用できる環境が整えば、都市の移動手段として定着していくのではないでしょうか。
(後編へ続く)
memstock編集部
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山田 尚貴
カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業後、NTTPCコミュニケーションズでシステムエンジニアとして金融機関等のシステム運用などに携わる。2009年、株式会社エニドアを創業し代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスの開発・提供を行う。M&Aにより会社を売却後、上場企業のグループ会社の経営を6年行った後、株式会社modoを創業し代表取締役に就任。家族向けのサービスmemStockの開発を行う。 二級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種を保有。2児の父。



