ラーケーションとは?働く親と子どもの新しい学びの休暇

生活/暮らしmemstock編集部(更新: 2026年3月25日
ラーケーションとは?働く親と子どもの新しい学びの休暇

「学校は休まずに通うもの」—私たちの多くが当たり前だと思っていることかもしれません。でも、働き方が多様化する現代で、家族の時間と子どもの学びを両立させる新しい選択肢があったらどうでしょう?「ラーケーション」という言葉をご存知ですか?この記事では、親子の時間を大切にしながら、子どもの成長も後押しする新しい可能性についてご紹介します。

今話題の「ラーケーション」って何?

「ラーケーション」とは、「ラーニング(学び)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語です。子どもが保護者と一緒に平日に学校を休み、校外での体験学習や探求活動を行う制度のことを指します。ポイントは、この制度を利用すると学校を休んでも欠席扱いにならないこと。「出席停止・忌引等」と同様の扱いになります。

この制度は2023年9月に愛知県が全国で初めて「ラーケーションの日[1]」として導入しました。その後、都道府県単位では2024年度から茨城県が「体験活動推進日[2]」として年5日の取得を可能にし、山口県でも「家族でやま学の日[3]」として導入されるなど、全国の自治体に徐々に広がっています。ただし、まだ導入している自治体は限られており、お住まいの地域で利用できるかどうか確認が必要です。

導入の背景には、保護者の働き方の多様化があります。土日祝日に働く保護者も多く、子どもの休日と自分の休日を合わせるのが難しい家庭が増えています。ラーケーションは、こうした家庭でも親子が一緒に過ごす時間を確保できるよう考えられた制度なのです。

共働き家庭にうれしい!ラーケーションの3つのメリット

ラーケーションは特に共働き家庭にとって、多くのメリットがあります。

1. 平日休みの保護者も子どもと質の高い時間を過ごせる

土日祝日が忙しい職種(医療、飲食、小売など)の方にとって、子どもと休みを合わせるのは大変です。ラーケーションなら、平日に子どもと一緒に過ごす時間を正式に確保できます。愛知県の調査[4]でも、この点をメリットと感じる保護者が最も多い結果となっています。

また、休日が重ならない共働き家庭にとっても、平日が使えることで有給休暇を合わせて取得し、家族と過ごす時間の選択肢が広がります。

2. 家計に優しい!平日利用の経済的メリット

平日の方が土日祝日に比べて、様々な面でお得になることが多いです。

  • 宿泊施設や交通機関が平日割引を設けていることが多い
  • 観光施設の入場料が安くなるケースも
  • オフシーズン料金の適用で、同じ予算でもより充実した体験ができる

例えば、平日料金が大人1,800円、子ども900円なのに対し、土日は大人2,300円、子ども1,200円というように料金に差がある施設を利用する場合、家族4人で訪れると、平日なら1,600円を節約できる計算になります。

3. ゆったり楽しめる!混雑を避けた平日ならではの体験

土日祝日の観光地や施設の混雑は子連れにとって大きなストレスです。平日なら人が少なく、以下のようなメリットがあります。

  • じっくり展示物を見られる
  • 解説員にゆっくり質問できる
  • 待ち時間が少なく効率的に回れる
  • 子どものペースに合わせた行動がしやすい

これらのメリットは子どもの学びをより深めるためにも重要なポイントです。

学校では得られない!体験を通じた「生きる力」の育み方

ラーケーションの大きな魅力は、教室の中では得られない実体験を通じた学びができることです。五感をフルに使った体験は、教科書だけの学びよりも子どもの記憶に強く残ります

例えば、歴史の授業で戦国時代について学んだ後、実際の城や博物館を訪れることで、多角的な理解が進みます。また、理科で植物の仕組みを学んだ後、自然の中で実際に観察することで、知識がより定着するでしょう。

このような体験型の学びは、子どもの「生きる力」を育む上で非常に大切です。自分で考え行動する力、好奇心や探究心、問題解決能力など、将来社会で役立つスキルを自然と身につけることができます。

学校教育と体験学習、両方の学びを組み合わせることで、子どもの成長をより豊かにサポートできるのです。

ラーケーション制度の基本ルール

ラーケーションを利用するには、いくつかの基本ルールを知っておく必要があります。まず重要なのは、この制度はまだ全国すべての自治体で導入されているわけではないという点です。また、導入している自治体でもルールが異なるため注意が必要です。お住まいの地域で制度が導入されているか、また具体的なルールについては、各自治体の教育委員会や学校に確認してみてください。

年間取得可能日数

自治体によって取得可能な日数は異なります。例えば、愛知県では年3日まで取得可能であるのに対し、茨城県ではより多い年5日まで取得できるようになっています。連続で取得することも可能です。ただし、未使用の日数を翌年度に繰り越すことはできないため、計画的な利用が大切です。

事前申請の方法と期限

原則として、活動日の1週間前までに学校へ計画書(日程、場所、活動内容など)をアプリ等の指定された方法で提出する必要があります。申請書の様式は学校から配布されるケースが多いようです。

取得できない日

学校行事がある日や、テスト期間中など、学校側が指定する日は取得できない場合があります。事前に学校カレンダーを確認しておきましょう。

事後の学習フォロー

制度を利用した日の授業内容は、保護者と子どもで協力してフォローする必要があります。クラスメイトとノートの貸し借りをしたり、教科書の該当部分を確認したりと、計画的な対応が必要です。

年齢別・タイプ別!おすすめラーケーション活動プラン

子どもの年齢や興味によって、おすすめの活動は異なります。ここでは年齢別・タイプ別のプランをご紹介します。

未就学児・小学校低学年向け

好奇心旺盛なこの年代には、五感を使った楽しい体験がおすすめです。

  • 自然観察:公園や森での生き物探し、落ち葉や木の実の収集
  • 簡単な科学実験:身近な材料で作れる実験キットを利用
  • 地域探検:地元の名所や施設を巡る小さな冒険
  • 料理体験:簡単なお菓子作りなど

小学校高学年向け

より複雑な思考ができるようになるこの年代には、以下のような活動がおすすめです。

  • 歴史体験:地域の歴史的建造物や博物館の見学
  • プログラミング体験:子ども向けのプログラミング教室
  • 職業体験:見学可能な企業や職業体験施設の利用
  • 自然科学の探究:天体観測や生態系の観察

子どものタイプ別プラン

  • 知的好奇心タイプ:博物館、科学館、図書館巡り
  • アクティブタイプ:アウトドア活動、スポーツ体験
  • ものづくりタイプ:工作教室、伝統工芸体験
  • 社会貢献タイプ:環境保全活動、地域ボランティア

平日だからこそ楽しめる!おすすめの学びスポット

平日に訪れることで、より充実した体験ができるスポットをご紹介します。

博物館・科学館

平日は混雑が少なく、展示をじっくり見られるだけでなく、解説員にゆっくり質問できるメリットがあります。また、一部の施設では平日限定のワークショップを開催していることも。

工場見学

食品工場や自動車工場など、多くの企業が工場見学を受け付けています。平日は見学者が少なく、より詳しい説明を受けられることが多いです。予約が必要な場合が多いので、事前確認を忘れずに。

自然公園・動物園

人が少ない平日は、動物たちがリラックスしている姿を観察しやすく、飼育員の方との会話も弾みやすいです。自然公園では、季節の草花や生き物をゆっくり観察できます。

職業体験施設

平日は予約が取りやすく、一人ひとりに丁寧な指導をしてもらえるチャンスが増えます。子どもの将来の夢を育む貴重な機会になるでしょう。

子どもの学びを最大化するラーケーション成功のコツ

ラーケーションをより有意義なものにするためのコツをご紹介します。

子どもと一緒に計画を立てる

行き先や活動内容を子どもと一緒に考えることで、子どもの主体性や意欲が高まります。「どこに行きたい?」「何を学びたい?」と問いかけ、子どもの意見を尊重しましょう。

学びを深める声かけを工夫する

「なぜだと思う?」「どうしてそうなるんだろう?」といった問いかけは、子どもの思考力を刺激します。正解を教えるのではなく、考えるきっかけを提供する姿勢が大切です。

学校の授業の遅れをフォローする

ラーケーション前に担任の先生に予定を伝え、その日の学習内容を把握しておきましょう。帰宅後や週末に、無理のないペースで取り組む計画を立てておくと安心です。

体験を形に残す工夫をする

写真を撮ったり、日記を書いたり、作品を作ったりして、体験を形に残すことで学びが定着します。家族で振り返りの時間を持つのも効果的です。

新しい家族の時間「ラーケーション」で広がる可能性

共働きで忙しい現代の家庭だからこそ、質の高い「学びと休暇」の時間を意識的に作ることが大切です。ラーケーションは、単なる休暇ではなく、子どもの成長を支える貴重な機会となります。

子どもにとっては、学校では得られない体験や発見の場になるでしょう。保護者にとっても、子どもの新たな一面を発見する機会や、自身も学び直す機会になるかもしれません。そして何より、家族の絆を深める素晴らしい時間になるはずです。

まだ導入されていない地域にお住まいの方も、週末や長期休暇を利用して「ラーケーション的な体験」を取り入れてみてはいかがでしょうか。日常から少し離れた場所で、家族で過ごす特別な時間は、きっと子どもの未来への大きな贈り物になります。

一歩踏み出す勇気があれば、家族の時間はもっと豊かに、子どもの学びはもっと深くなるでしょう。新しい家族の時間「ラーケーション」で、子どもも親も一緒に成長する素敵な一日を作ってみませんか?


[参考]

[脚注]

  1. 愛知発の新しい学び方「ラーケーションの日」ポータルサイト – 愛知県 ↩︎
  2. ラーケーションが始まります – 茨城県教育委員会 ↩︎
  3. 家族でやま学の日 – 山口県ホームページ ↩︎
  4. 「ラーケーションの日」に関するアンケート調査の結果について – 愛知県 ↩︎
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この記事を書いた人

memstock編集部

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