株式投資の基礎と始め方【初心者向け】

資産形成・投資memStock編集部(更新: 2026年10月13日)
株式投資の基礎と始め方【初心者向け】

NISAで投資信託の積立を始めたあと、「成長投資枠で、よく知っている会社の株も買ってみようか」と夫婦で話が出ることがあります。ところが証券会社の画面を開くと、株価の横に「100株」「成行」「指値」といった言葉が並び、いくら用意すればよいのかも分かりにくいものです。

株式は、東京証券取引所(東証)では100株単位で売買するので、必要な金額はおおよそ「株価×100」です。値下がりして元本割れすることがあり、配当も必ず出るわけではありません。利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座で買った株の売却益と配当は非課税になります。ここでは、株主になると何が起きるか、売買の単位と注文の出し方、税金とNISAの扱い、買う前に家計で決めておくことを、日本取引所グループ(JPX)、日本証券業協会、金融庁、国税庁の資料で確かめた範囲で整理します。制度の内容は2026年10月時点のものです。

株を買うと株主として3つの権利を持つ

株式を買うと、その会社に出資した「株主」になります。日本証券業協会は、株主の権利を、株主総会で議決に加わる権利(議決権)、配当金などの利益の分配を受け取る権利、会社の解散時に残った資産の分配を受け取る権利の3つと説明しています。

配当金は、会社が利益の一部を株主に分配するお金です。ただし、株を持っていれば必ずもらえるものではありません。会社の利益の状況で配当の有無や金額が決まり、利益があっても配当を出さない会社もあります。配当を受け取るには、権利確定日に株主名簿に載っている必要があり、権利確定日の2営業日前の「権利付最終日」までに買い付けを約定させておきます。

株主優待は、会社が配当とは別に自社製品やサービスなどを株主に贈る制度で、JPXは日本企業に特有の施策と説明しています。優待を受けるには、会社が定める割当日に株主になっている必要があります。国税庁は、株主優待を受け取った場合は雑所得にあたるとしています。

株価は、会社の業績や経済情勢などで日々変わります。日本証券業協会は、株式投資の主なリスクとして、売るときの受取額が買ったときより少なくなる「価格変動リスク」と、投資した会社が破たんする「信用リスク」を挙げています。株式は、預貯金と違って元本割れのおそれがある商品です。

東証では100株単位で売買する

東証での売買は、各社が定款で定めた単元株式数を単位に行われ、内国株は2018年10月1日から100株単位に統一されています。画面に出ている株価は1株の値段なので、たとえば株価2,000円の会社なら、買うのに必要な金額はおおよそ20万円です(手数料は別)。

項目 内容
売買単位 内国株は100株
取引時間 午前9時〜11時30分、午後0時30分〜3時30分
休業日 土日、祝日、12月31日、1月1日〜3日
1日の値動き 前日の終値などを基準に、上下の幅(制限値幅)が決まっている

100株に満たない株は「単元未満株」と呼ばれます。日本証券業協会によると、単元未満株は議決権はありませんが、配当金を受ける権利などは基本的に付与されます。毎月一定額で同じ銘柄を買う「株式累積投資(るいとう)」や、通常の10分の1の株数で売買できる「株式ミニ投資」を扱う証券会社もあります。ただし、これらで持つ単元未満株は証券会社名義となり、議決権や株主優待を受ける権利がなく、買える銘柄も限られます。扱いは証券会社ごとに違うため、口座を開く証券会社で確かめます。

注文の出し方には、主に「成行(なりゆき)」と「指値(さしね)」があります。成行注文は値段を指定せず、売買の成立を優先する注文で、値動きが大きいときは予想より高く買ったり安く売ったりすることがあります。指値注文は「〇〇円以下で買いたい」「〇〇円以上で売りたい」と値段を指定する注文で、希望の値段で売買できる反面、成立しないことがあります。取引所では、成行注文が指値注文より優先して約定します。

口座と税金、NISAの成長投資枠

株式は証券会社を通じて買い、そのために証券会社で口座を開きます。投資の勧誘を受けた業者が金融庁に登録されているかは、金融庁の登録業者一覧で確かめられます。証券会社は、預かった有価証券やお金を自社の資産と分けて管理することが法律で義務付けられ、分別管理がされていなかった場合も日本投資者保護基金が1顧客あたり1,000万円まで補償します。

上場株式の配当と売却益には、所得税15%と住民税5%に復興特別所得税(所得税額の2.1%)が加わり、合計20.315%の税金がかかります。2027年1月以後に生じる所得からは、復興特別所得税が1.1%に下がり防衛特別所得税(所得税額の1%)が加わりますが、合計の税率は変わりません。たとえば売却益が10万円なら、税金は20,315円です。口座の種類によって申告の手間が変わります。

口座 税金の扱い
一般口座・源泉徴収なしの特定口座 自分で確定申告して納める
源泉徴収ありの特定口座 証券会社が計算して納税し、確定申告は不要
NISA口座 売却益と配当が非課税で、確定申告も不要

NISAの成長投資枠では、上場株式を買うことができます。年間の投資枠は240万円、生涯の非課税保有限度額は1,800万円で、そのうち成長投資枠で使えるのは1,200万円までです。つみたて投資枠(年120万円)と併用でき、つみたて投資枠で積立を続けながら、成長投資枠で個別の銘柄を買うこともできます。整理銘柄・監理銘柄は対象外です。

NISA口座で買った株の配当を非課税にするには、配当の受け取り方を「株式数比例配分方式」(証券会社の口座で受け取る方法)にしておく必要があります。配当金領収書を郵便局などに持っていく受け取り方だと、NISA口座の株でも課税されます。

もう一つ、NISA口座で値下がりした株を売って出た損失は、ほかの口座の利益や配当と相殺(損益通算)できず、翌年以降に繰り越すこともできません。特定口座や一般口座なら、上場株式の売却損は確定申告で配当と損益通算でき、引ききれない損失は翌年から3年間繰り越せます。NISA口座で株を売ると、買ったときの金額(簿価)の分だけ、翌年以降に非課税枠が復活します。

銘柄を選ぶ前に家計で決めておくこと

個別株は1社の業績で値段が大きく動くため、株を買う前に、そのお金がいつ必要になるかを決めておきます。J-FLECは、お金を「日常生活に必要なお金」「近い将来に使う予定のお金」「当面使う予定のないお金」に分け、投資は当面使う予定のないお金で行うよう勧めています。数年以内に使う教育費や住宅の頭金を個別株に回すと、値下がりした時期に売らざるを得なくなります。

日本証券業協会は、投資の心構えとして「心の余裕(冷静な判断力)」「時間の余裕(中・長期投資が基本)」「資金の余裕(余裕資金で)」を挙げ、1つの商品に集中せず複数の商品に分散することを勧めています。一方で、投資期間を長くするほど最終的な運用成果のぶれが大きくなる可能性もあると説明しており、長く持てば必ず値上がりするわけではありません。成長投資枠を個別株だけで埋めず、つみたて投資枠の投資信託と組み合わせると、1社の値下がりが資産全体に与える影響を小さくできます。

銘柄を比べるときは、株価と財務の数字から計算する指標が使えます。

指標 意味
PER(株価収益率) 株価が1株あたりの当期純利益の何倍か。高いと利益に比べて割高、低いと割安といわれる
PBR(株価純資産倍率) 株価が1株あたりの純資産の何倍か。小さいほど割安を示す
配当利回り 1株あたりの年間配当金が株価の何%にあたるか
配当性向 当期純利益のうち配当に回した割合

PERは業種によって高い業種と低い業種があり、成長期待の高い会社ほど高くなる傾向があります。配当利回りが高い株について、日本証券業協会は「高い配当金がずっと続くとは限らない」と注意を促しています。1つの指標だけで決めず、業績の推移や会社が公表している決算の資料もあわせて見ます。

金額の決め方や、投資信託との組み合わせ方は、こちらの記事で取り上げています。

NISAの枠の仕組みと、つみたて投資枠で買える投資信託は、こちらの記事で説明しています。

出典

よくある質問

株は何円から買えますか
東証の内国株は100株単位で売買するため、おおよそ「株価×100」の金額と手数料が要ります。株価2,000円なら約20万円です。証券会社によっては、るいとうや株式ミニ投資などで100株未満から買えますが、議決権や株主優待の権利がなく、銘柄も限られます。
NISAで買った株が値下がりしたら、損失は確定申告で使えますか
使えません。NISA口座で生じた売却損は、ほかの口座の利益や配当との損益通算も、翌年以降への繰越控除もできません。特定口座や一般口座の上場株式の売却損なら、確定申告で配当と損益通算し、3年間繰り越せます。
NISA口座の株の配当は自動的に非課税になりますか
受け取り方によります。株式数比例配分方式(証券会社の口座で受け取る方法)を選んでいる場合に非課税になります。配当金領収書を金融機関に持っていく方法だと課税されます。
株主優待に税金はかかりますか
国税庁は、株主優待を受け取った場合は雑所得にあたるとしています。配当所得とは所得の区分が異なります。
m
この記事を書いた人

memStock編集部

memStock編集部は、家族の豊かな暮らしと家計管理を応援する記事制作チームです。ライフハック・節約・投資・保険など、日常生活とお金に関する実用的な情報を、確かな専門知識と多様な視点から分析・提供しています。読者の皆様が抱える日々の悩みや将来への不安を解消し、ワンランク上の生活を実現するためのヒントが詰まった記事をお届けします。 「家族の暮らしをより豊かに」をモットーに、わかりやすく実践的なコンテンツで皆様の人生設計をサポートします。

山
この記事を監修した人

山田 尚貴

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業後、NTTPCコミュニケーションズでシステムエンジニアとして金融機関等のシステム運用などに携わる。2009年、株式会社エニドアを創業し代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスの開発・提供を行う。M&Aにより会社を売却後、上場企業のグループ会社の経営を6年行った後、株式会社modoを創業し代表取締役に就任。家族向けのサービスmemStockの開発を行う。 二級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種を保有。2児の父。

関連記事