窓の補助金は5万円から。内窓1か所だと届かないことがあります

朝、子ども部屋のカーテンを開けると、窓ガラスが結露で濡れている。暖房をつけても足元が冷える。電話口の親からは「お風呂の前の脱衣所が寒くてね」と聞く。10月に入ると、そんな話が家の中で増えてきます。
窓の断熱工事には、環境省の「先進的窓リノベ2026事業」という国の補助があります。予約の受付は遅くとも2026年11月16日まで、交付申請は遅くとも12月31日までです。ただ、窓1か所だけの工事では補助の条件に届かないことがあり、申請の手続きをするのも家族ではありません。公式の資料(2026年9月29日確認)をもとに、いつまでに何を決めればよいかを整理しました。
予算は9月28日時点で25%、期限は「遅くとも」の日付です
先進的窓リノベ2026事業の予算は1,125億円です。公式サイトのグラフによると、予算に対する申請額の割合は、2026年9月28日0時時点で25%(概算値)でした。割合は毎日0時時点の値が当日の午前中に更新されるので、見る日によって変わります。
期限として示されている11月16日(予約)と12月31日(交付申請)は、いちばん遅い場合の日付です。申請額が予算の100%に達すると、その時点で受付が終わります。締め切りは予算の状況に応じて公表されるので、「年末まで大丈夫」とは言い切れません。
補助の対象になるのは、2025年11月28日以降に着手した工事で、遅くとも2026年12月31日までに着手する必要があります。工事請負契約を結ぶ前に工事を始めると、補助の対象から外れます。
申請するのは家族ではなく、工事をする事業者です
この補助は、施主が自分で申し込む仕組みになっていません。公式のお知らせには「一般消費者の方は申請できません」と書かれていて、事務局に登録した事業者(窓リノベ事業者)が申請します。補助金は事業者を通じて施主に還元され、契約代金に充てるか、現金で支払われます。現金の場合は、交付から遅くとも2ヶ月以内です。
手続きは、次の順番で進みます。
- 登録事業者に相談し、採寸・見積もりをしてもらう(採寸や見積もりは「工事の着手」に含まれません)
- 工事請負契約を結び、工事に着手する
- 使う製品の型番が決まり、工事に着手したあとで、事業者が「交付申請の予約」をする(任意)
- 工事が終わったら、事業者が交付申請をする
予約は、予算を一定期間確保しておくための手続きです。業者を決める前の「申し込み」ではありません。戸別の工事の予約は提出から3ヶ月で失効し、11月に予約した場合でも12月31日が最終の期限になります。家族の側から見ると、11月中旬までに事業者と契約して工事を始められるか、12月末までに工事を終えられるかが目安になります。
事業者は、住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトにある事業者検索ページで、都道府県と事業を選んで探せます。ただし公式サイトには、この登録は国や事務局が優良な事業者として認定するものではないと明記されています。見積もりの内容や工期は、ほかの工事と同じように家族の目で確かめる必要があります。
内窓1か所では、5万円の下限に届かないことがあります
補助額は、製品の性能・大きさ・建て方ごとに決められた定額の合計です。上限は1戸あたり100万円で、1回の申請で補助額の合計が5万円以上になることが条件です。
環境省の単価表で、戸建住宅の内窓(今ある窓の内側にもう1枚付ける窓)を見てみます。性能の区分はSSとSの2つで、2025年まで対象だったAグレードは、2026年は内窓の対象から外れました。
- 内窓S・中サイズを1か所:34,000円(届かない)
- 内窓SS・小サイズを1か所(浴室などの小さな窓を想定):36,000円(届かない)
- 内窓S・中サイズを1か所+S・小サイズを1か所:56,000円(届く)
- 内窓S・大サイズ、またはSS・中サイズを1か所:52,000円/58,000円(1か所で届く)
サイズは窓1か所のサッシの面積で決まり、中は1.6〜2.8㎡未満、小は0.2〜1.6㎡未満です。マンションなど集合住宅の内窓とガラス交換は、戸建より単価が少し高く設定されています。それでも内窓S・中サイズ1か所は37,000円で、5万円には届きません。
寒さの気になる窓が1つだけでも、寝室や脱衣所の窓と合わせて1回の申請にすれば、条件を満たせる場合があります。
なお、環境省の資料には「補助単価については、一般的に要する費用の1/2以内で設定」とあります。これは単価の決め方の説明で、工事費の半分が戻るという意味ではありません。実際の補助額は、単価表の金額を足し合わせたものです。
賃貸でも、マンションでも、実家でも対象に含まれます
補助の対象になる人には、住宅を所有する個人またはその家族のほか、賃貸住宅の入居者(賃借人)、マンションの管理組合も含まれています。「持ち家ではないから関係ない」とは限りません。
賃貸の場合、窓に手を加えてよいかどうかは、補助の制度とは別に賃貸借契約の問題になります。大家さんや管理会社の了解が要るかは、契約書を見直したうえで、管理会社や事業者に確かめてから進めてください。
分譲マンションは、管理組合がまとめて申請する方法もあります。一方で、窓のサッシが共用部分にあたり管理組合の承認が要るかどうかは、建物の管理規約によって違います。先に管理規約を見て、管理会社に聞いておくと話が早く進みます。
親名義の実家の場合、所有者の家族も対象者に含まれ、工事の発注者になることができます。発注者の本人確認書類は、工事請負契約書の発注者と同じ人のものを出します。どこまでを「家族」とみなすか(別居している子どもを含むか)は、公式の資料では定義が見当たりませんでした。事業者か、後で紹介する問い合わせ窓口で確かめてください。
自治体の補助とは重ねられる場合があります
同じ窓に、国の別の補助を重ねて受けることはできません。国土交通省の「みらいエコ住宅2026事業」とは、補助の対象になる工事が重ならなければ一緒に使えます。ただし同じ窓を両方に申請すると、理由を問わず窓リノベの申請が無効になります。2025年の窓リノベ事業で補助を受けた窓も、今回は対象外です。
市区町村や都道府県の補助は、国の予算が入っていないものであれば併用できます。お住まいの自治体に窓や断熱の補助があるかは、自治体の窓口やサイトで確認できます。
実家の脱衣所の寒さは、窓の工事だけでは片づきません
消費者庁によると、浴槽での溺死・溺水で亡くなった人は令和6年に7,776人で、そのうち65歳以上が7,363人でした(2025年12月23日公表の資料)。原因として、暖かい部屋と寒い脱衣所・浴室との温度差による急な血圧の変動などが挙げられています。
消費者庁は対策として、入浴前に脱衣所や浴室を暖めておく、温度計で部屋ごとの温度差を確かめる、同居する家族に一声かけてから入る、熱い湯や長湯を避ける、といったことを挙げています。以前の注意喚起では、湯温は41度以下、つかる時間は10分までを目安にしています。
窓の断熱で入浴中の事故が防げると示した公的な資料は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。窓の工事は寒さや温度差をやわらげる方法として、脱衣所の暖房や入浴の習慣と合わせて考えてください。持病のある方は、入浴の仕方をかかりつけの医師に相談してください。
冬の寒さを家族で話すと、「子ども部屋の窓」「親の家の脱衣所」「賃貸だからと後回しにしてきた寝室」と、気になる場所がいくつも出てきます。どの部屋の窓から手を付けるか、誰の名義で契約するかを先に決めておくと、事業者に相談するときの話が一度で済みます。朝の結露がいちばんひどい窓はどこか。そこから家族で話し始めると、見積もりを頼む窓の数も自然に決まっていきます。
予算に対する申請額の割合は2026年9月28日0時時点の値です。割合は毎日更新され、100%に達した時点で受付が終わります。最新の状況は先進的窓リノベ2026事業の公式サイトで確認してください。
出典
- 環境省 先進的窓リノベ2026事業「予算に対する補助金申請額の割合」(2026年9月28日0時時点、2026年9月29日確認)
- 環境省 先進的窓リノベ2026事業「事業概要」(2026年9月29日確認)
- 環境省 先進的窓リノベ2026事業「対象要件の詳細(住宅)」(2026年9月29日確認)
- 環境省 先進的窓リノベ2026事業「リフォーム(戸別)の交付申請(予約を含む)の受付を開始しました」(2026年3月31日掲載、2026年9月29日確認)
- 環境省 先進的窓リノベ2026事業「交付申請等の要件について(交付申請の手引き)【住宅】」(2026年9月29日確認)
- 環境省「先進的窓リノベ2026事業の概要」(2026年9月29日確認)
- 住宅省エネ2026キャンペーン 公式サイト(2026年9月29日確認)
- 住宅省エネ2026キャンペーン「補助金利用を相談できる事業者(住宅省エネ支援事業者)の検索」(2026年9月29日確認)
- 住宅省エネ2026キャンペーン「お問い合わせ窓口」(2026年9月29日確認)
- 国土交通省 みらいエコ住宅2026事業「事業概要」(2026年9月29日確認)
- 消費者庁「年末年始、高齢者の事故に注意しましょう!」(2025年12月23日公表、2026年9月29日確認)
- 消費者庁「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」(2020年11月19日公表、2026年9月29日確認)
よくある質問
- 補助金は自分で申請できますか?
- できません。先進的窓リノベ2026事業は、事務局に登録した事業者が申請する仕組みで、公式サイトにも「一般消費者の方は申請できません」とあります。施主が用意するのは、工事請負契約と本人確認書類です。
- 先に予約をしてから、工事の業者を探せばよいですか?
- 予約は、工事請負契約を結んで工事に着手し、使う製品の型番が決まってから事業者が行う手続きです。業者を決める前に予約だけを済ませることはできません。予約の受付は遅くとも2026年11月16日までで、予算が上限に達するとその前に終わります。
- 窓1か所だけの工事でも補助を受けられますか?
- 1回の申請の補助額が合計5万円以上であれば受けられます。戸建の内窓では、S・大サイズやSS・中サイズなら1か所で5万円を超えますが、S・中サイズ(34,000円)やSS・小サイズ(36,000円)の1か所だけでは届きません。
- 制度について、どこに問い合わせればよいですか?
- 住宅省エネ2026キャンペーンの補助事業合同お問い合わせ窓口で受け付けています。電話は0570-081-789(IP電話などからは03-6629-1646)、受付時間は9:00〜17:00で、土日祝日も受け付けています(通話料がかかります)。
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