子ども医療費、通院の自己負担は市で違う

子どもの健康・病気memStock編集部
子ども医療費、通院の自己負担は市で違う

子ども医療費助成は市区町村がそれぞれ実施し、都道府県が補助する制度です。引っ越しで住む市区町村が変わるときは、転出元・転入先の案内で医療証の失効日と申請手続きを確かめます。

2025年4月1日時点で、通院の対象を18歳年度末(高校生世代の終わり)までとする市区町村は全国1,741のうち1,576でした。一方で通院に一部自己負担を残す市区町村は422ありました。

引っ越すと医療証はどうなる

板橋区の医療証は新住所地への転入の前日まで使え、相模原市では医療費助成を使うのに申請が要ります。いつまで使えるか、申請が要るかは、転出元・転入先それぞれの案内で確かめます。

板橋区は2026年6月更新のよくある問い合わせで、区の医療証は「新住所地への転入の前日まで使用できます」と案内しています。他の自治体へ転出するときは資格消滅の届出も必要です。愛媛県大洲市の案内では、受給者番号が変わる基準日は大洲市で記入した転出予定日ではなく、転入先の転入手続きで記入する「住み始めた日」とされています。

板橋区は資格を失った医療証の返却を案内しています。板橋区の場合、担当の係か区民事務所へ持っていくか、郵送で返却できます。返し方は自治体で違うので、転出元のページで確かめておきます。

対象年齢は全国でどこまで広がったか

2025年4月1日時点で通院の対象を18歳年度末までとする市区町村は1,576、入院は1,600でした。全国1,741市区町村の約9割です。

こども家庭庁が令和7年度「こどもに係る医療費の助成についての調査」で、2025年4月1日時点の実施状況をまとめています。同じ時点で、全都道府県と全市区町村がこどもに係る医療費の助成を実施していました。1年前の2024年4月1日時点は通院1,448、入院1,490だったので、1年で通院は128、入院は110増えています。

市区町村の数(全1,741) 通院 入院
18歳年度末まで(2024年4月1日時点) 1,448 1,490
18歳年度末まで(2025年4月1日時点) 1,576 1,600
所得制限なし(2025年4月1日時点) 1,692 1,693
所得制限あり(2025年4月1日時点) 49 48
一部自己負担なし(2025年4月1日時点) 1,319 1,410
一部自己負担あり(2025年4月1日時点) 422 331

通院で18歳年度末に当てはまらない165市区町村には、それより短い自治体も、18歳年度末より上まで助成する自治体も含まれます。対象年齢が高校生世代までであることと、窓口で払う額が0円であることも別の話です。「全国どこでも高校生まで無料」とは言えません。

違いが出るのは窓口負担と所得制限

同じ「高校生まで」でも、通院1回に払う額は0円から数百円まで自治体で分かれ、所得制限を残す自治体もあります。2025年4月1日時点で、通院に一部自己負担があるのは422市区町村、所得制限があるのは49市区町村でした。

京都市が政令指定都市の制度を比べた資料(2024年10月時点)から、3市の通院の自己負担を並べます。いずれも2024年10月時点の額で、現在の額とは限りません。

都市 通院の自己負担(2024年10月時点) 自己負担がなくなる世帯
千葉市 1回300円、月の上限1,500円 非課税世帯、第3子以降
相模原市 小学生まではなし、中学生から1回500円 非課税世帯
京都市 小学生まで1医療機関につき月200円、中学生は月1,500円 今回は未確認

相模原市の2026年8月更新のよくある質問では、課税世帯の中学生・高校生世代の通院は1回500円を超える額が助成され、非課税世帯は全額助成です。調剤と入院は全額助成で、高校生世代には所得制限があります。同市は2027年4月1日から、所得制限と中学生以上の一部負担金をなくす予定としています。同じ市でも年度で条件が変わるので、引っ越し先の金額は転入の直前に見直します。

窓口で払った自己負担が積み重なったとき、家族の医療費をまとめて医療費控除を受ける考え方はこちらの記事にあります。

隣の市で違う理由は二層構造

都道府県の補助を土台にして、市区町村がどこまで範囲を広げるかで差がつきます。こども家庭庁は調査のページで「各市区町村が実施するこどもに係る医療費の助成については、各都道府県が要綱等に基づき補助しているところです」と説明しています。

東京都の高校生等医療費助成(マル青)が例になります。対象は15歳に達する日の翌日以後の最初の4月1日から、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子で、高校に通っているかどうかは問いません。2026年4月時点の東京都福祉局の案内では、都の基準で通院1回につき最大200円を払い、調剤と訪問看護に負担はありません。

同じページには、区市町村によって助成範囲が異なり、窓口負担のない区市町村もあると書かれています。都内で区や市をまたぐだけでも、高校生世代の通院の窓口負担が200円から0円に、あるいはその逆に変わることがあります。

転入の手続きと空白期間の受診

相模原市の場合、転入届とは別に医療費助成の申請が要ります。切り替えの前後に旧医療証で受診すると、助成された分の返還を求められることがあります。

住民基本台帳法第22条は、転入した日から14日以内の転入届を定めています。この14日は転入届について定めた期限です。医療証の申請期限は転入先の案内で確かめます。相模原市の場合、申請には申請書、子どもの健康保険の情報、マイナンバーの確認書類、申請者の本人確認書類を用意します。

時期 やること 持ち物の例 どこで
転出のとき 医療証の資格消滅の届出(板橋区の例) 医療証 転出元の担当窓口
資格を失ったあと 医療証を返す(板橋区の例) 医療証 転出元の窓口か郵送
転入した日から14日以内 転入届 転入先の案内で確認 転入先の市区町村
転入届のあと 医療証の申請(相模原市の例) 申請書、子どもの健康保険の情報、マイナンバーの確認書類、本人確認書類 転入先の子ども医療費助成の担当

大洲市は、住所が変わったことを伝えずに大洲市の番号で受診すると、医療費の返還を求める場合があると案内しています。受診のときに住所と助成する自治体が変わったことを伝えるよう呼びかけています。堺市も進学などで転出する子どもについて、資格を失ったあとに堺市の助成を受けた分は返還になると書いています。

新しい医療証が届く前に窓口で払った分を転入先で後から払い戻せるか、その申請期限がいつかは、今回確かめた資料からは分かりませんでした。転入先の担当ページで資格の開始日と払い戻しの方法を見ておけば、引っ越し直後に子どもが熱を出しても窓口で迷わずに済みます。

転入にあわせて確かめたい児童手当の支払月は、こちらの記事にまとめています。

引っ越しの日が決まったら、転入先の市区町村のページで「通院1回の自己負担」と「所得制限」の2行を先に見ておきます。転入した週に小児科へ行くとき、窓口で出す金額の見当がつきます。

6歳前後の子がいる家庭には、乳歯が抜ける時期と順番を扱った記事もあります。

出典

すべて2026-10-28に確認。

よくある質問

他の自治体へ引っ越すとき、子どもの医療証はどうすればいい?
他の自治体へ引っ越すときは、子どもの医療証の返却と申請の手続きを転出元・転入先の案内で確かめます。板橋区は転出時に資格消滅の届出を求め、医療証は新住所地への転入の前日まで使えるとしています(2026年6月時点)。使えなくなる日は自治体で違うため、転出元の案内で確かめます。
子ども医療費助成に所得制限はありますか?
子ども医療費助成に所得制限を設けている市区町村は、2025年4月1日時点で通院49、入院48でした。大半の市区町村は所得制限なしですが、相模原市のように高校生世代に所得制限がある自治体もあります(2026年8月時点)。同市は2027年4月1日から所得制限をなくす予定としています。
転入したら、子どもの医療証の手続きはいつまでにすればいい?
転入したら、子どもの医療証の手続きをいつまでにすればいいかは、転入先の担当ページで確かめます。住民基本台帳法の14日以内という期限は、転入届について定めたものです。助成の開始日も同じページで見ておきます。

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