超高齢化社会の救世主!?若者と高齢者のマッチングサービスとは?|注目の記事を読み解く vol.2

生活/暮らし山田 尚貴(更新: 2026年3月24日
超高齢化社会の救世主!?若者と高齢者のマッチングサービスとは?|注目の記事を読み解く vol.2

大学生が“孫役”となって高齢者とおしゃべりを重ね、孤独感やうつリスクをぐっと下げる。そんな温かな取り組みが、核家族化で途切れがちな世代間のつながりを優しく再編してくれるかも。高齢者のメンタルケアの領域をマッチングサービスで解決しようとする画期的なスタートアップのリリースを今週は取り上げました。

ほかにも、買い物で健康管理をアップデートするウォルマート×NationsBenefits、家計にうれしいカナダ発 EV シフト、従業員の家族まで支える WHILL の新しい福利厚生、そして遊びながら「お金の流れ」を学べる子ども向け金融教育プラットフォームをピックアップしました。忙しい合間のコーヒーブレイクに、ぜひ気になる記事をのぞいてみてください。

孫世代が心のケア?京大発「まごとも」が高齢者介護に新風

高齢化社会の日本において、メンタルケアは若者だけに必要なものではなくなっています。「まごとも」という京大発のスタートアップが出している高齢者と若者のマッチングサービスはこの課題に向き合っている素晴らしいサービスだと思います。特に一人暮らしの高齢者の方にとって、誰かと話すという事は社会とのつながりを作り出すという意味においてもすごく重要な事だと思います。

仕組みとしては素晴らしいのですが、個人的にはマッチングサービスとしての課題もいくつかありそうだなと思います。安全性という部分で全ての若者が問題ないのかをどうチェックするかはかなり気になります。学生証などで本人確認するとありますが、学生だから問題ないかには疑問が残ります。品質についても人による部分が大きいのでクオリティコントロールをどうするかなど色々と気にはなりますが、社会的にすごく意義のあるサービスだと思うのでうまく拡大してほしいです。

ウォルマート新提携:いつもの買い物が健康管理に変わる?

アメリカ大手小売のウォルマートがヘルスケアの会社と提携して新しいサービスを提供し始めたというリリースですが、特に面白いなと感じたのが、「Basket Analyzer Service(バスケット・アナライザー・サービス)」と呼ばれている買い物かごの中身を分析して買い物客の健康に対する傾向を読み取ったりするものです。今回の取り組みは保険給付が主な目的となっていますが、将来的に買った食材の総カロリーなどダイエット情報が即座に分かると便利だなと感じました。

一方で、この取り組み自体はウォルマートの顧客囲い込み要素が大きいと思うので、他のスーパーなどでの買い物は反映されないと思います。消費者としてはどこで買っても包括的に分析してスコアリングしてくれると助かりますね。日本でも近い将来取り組まれそうな分野なので引き続き注目していきたいです。

EVの新常識:カナダで注目「家計に優しい車」

電気自動車か、ガソリン車かの論争はずっと続いていますが、ヨーロッパではテスラ離れが進みガソリン回帰しているようですね。記事で取り上げられているVinFastを数年前アメリカのショッピングモールで展示されているのを見たのですが、ベトナム発の電気自動車と説明されるまで分からないぐらい先進的なデザインで格好良かったのを覚えています(ベトナムに自動車メーカーのイメージがなかったので)。このVinFastや中国のBYDなど安価でスタイリッシュな電気自動車が普及してきた事によって、少し高級なイメージがあるEVも徐々に一般化してきているのかなと思いました。

元々環境の為に乗るというイメージが強かった電気自動車ですが、実際は電気を生み出す環境負荷コストや車体を作る環境負荷が結構高いので、本当にそうなのか?という疑問が投げられていました。ただ、記事にあるように、家計の為という目的になってくると、実際に日本でも電気代>ガソリン代で実質ランニングコストを下げられますし、EV補助金も電気自動車の場合数十万円後半から車種によっては100万円を超える補助金が出たりもするので少しずつ所有が現実的になってきているように感じられます。

介護と仕事、両立の新潮流。WHILL社が示す企業サポートの今

WHILLの車いすを見たことがありますか?羽田空港や成田空港の搭乗口間の移動で活用されていたのを実際に見たのですが、乗ってみたいと思うほどシンプルでカッコいいデザインで、操作性も誰でも使えそうなユニバーサルデザインになっていました。最近はたまに街中で乗っている人も見かけるようになり、社会に実装されてきていることを感じます。

そのWHILLが企業向けに福利厚生パッケージとしてWHILLを従業員の家族に提供するというもの。値段は車種によって違いますが、平均して30万円前後。歩くのが辛くなってきた親にプレゼントするには少し高い。そこを企業の福利厚生としてサポートしてあげることによって多くの人に行き渡りそうです。企業にとっても介護などのサポートが手厚いというイメージPRにもなりますし、WHILLの車いすを貰った親は子どもや会社に対してすごく良いイメージを持てます。そしてWHILLとしてはミッションである「すべての人の移動を楽しくスマートにする」に近づけるという三方良しの素晴らしい取り組みではないでしょうか。

子供の金融教育、新ステージへ:Incent社ら新プラットフォーム発表

学ぶ・稼ぐ・使う・貯める・寄付する・借りるをゲーム感覚で体験できる設計は、肌感覚でお金の流れを感じ取れると思います。最近、シミュレーション的に投資してみようというサービスだったり、座学的なお金の授業的なサービスは銀行始め色々と出てきていますが、本質的にお金の事を知れるかというと少し疑問が残ります。(それでもここ数年ですごくお金に対する世の中の理解は進んでいるという前提ではありますが。) このアプリのお手伝いポイントでバーチャルショップの文房具を買ったり、寄付先を調べて自由研究にしたり──アプリ一つで金融と社会課題を同時に学べるのは画期的です。

ただ、保護者のリテラシー差が学習効果に影響するとの指摘にはすごく納得感があります。日本ではまだまだ投資などお金を動かす事に対して懐疑的な人が多くいますし、新NISAが始まって訳もわからず投資して損をしてしまった人はさらに懐疑的になっています。子どもだけでなく大人もしっかりとお金について学ぶ機会がこのサービスのように日本でもたくさん出てきてほしいものです。

この記事を書いた人

山田 尚貴

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業後、NTTPCコミュニケーションズでシステムエンジニアとして金融機関等のシステム運用などに携わる。2009年、株式会社エニドアを創業し代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスの開発・提供を行う。M&Aにより会社を売却後、上場企業のグループ会社の経営を6年行った後、株式会社modoを創業し代表取締役に就任。家族向けのサービスmemStockの開発を行う。 二級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種を保有。2児の父。

関連記事