値上げ下の食卓リアル:世代間の選択と未来の食へのヒント

生活/暮らしmemstock編集部(更新: 2026年3月25日
値上げ下の食卓リアル:世代間の選択と未来の食へのヒント
*このポッドキャストは、生成AIを活用して制作しています。内容は十分配慮のうえお届けしていますが、正確性についてはご自身でもご確認のうえ、参考情報としてお役立てください。

皆さんの毎日の食卓は、最近いかがでしょうか。食費が上昇しているという実感を多くの方がお持ちなのではないでしょうか。特に、ご家族の食事を預かる方にとっては、日々のやりくりに頭を悩ませることも少なくないでしょう。

今回は、マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが全国3,000人を対象に実施した「食に関する調査(2025年)[1]」の結果を元に、食費をめぐる現状と、私たちの食生活にどのような変化が起きているのかを詳しく見ていきたいと思います。特に、家族を大切にされている方々が、この状況にどう向き合っているのか、そのリアルな姿と、今後の食生活のヒントになるような情報を探っていきます。

高まる食費負担:エンゲル係数43年ぶりの高水準

まず、注目すべきデータとして、家計に占める食費の割合、いわゆるエンゲル係数があります。これが2024年の総務省調査によれば、実に43年ぶりという高水準に達し、28.3%になったとのことです。この数字からも、食費の負担が増していることが伺えます。

そして、今回のクロス・マーケティング社の調査においても、食費が家計の3割程度を占めると回答した方が最も多く、その割合は37%にのぼりました。さらに注目すべきは、この「食費が家計の3割以上」という層が、2022年から増加傾向にあるという点です。これは、単なる数字の変動ではなく、日々の生活、とりわけ家族を支える皆さんにとって、食費の重みがじわじわと増していることの表れと言えるでしょう。

値上げ実感の最前線:家計を直撃する基本食材

では、具体的にどのような品目の値上げを実感しているのでしょうか。調査結果を見ると、最も多くの人が値上げを実感しているのは「お米」で、実に71%に達しています。これは圧倒的な数字です。続いて「野菜」が54%、「卵」が41%、「パン」が32%となっており、毎日の食卓に欠かせない基本的な食材ばかりが上位を占めていることがわかります。こうした基礎的な食品の値上げは、家計に直接的な影響を与えるため、深刻な問題です。

また、興味深い傾向として、年齢が上がるほど値上げを感じる品目が多くなるという点も挙げられます。これは、長年にわたる家計管理の経験からくる、価格変動に対する敏感さの表れなのかもしれません。

値上げにどう向き合う?世代で異なる消費行動

このような物価上昇に対し、私たちはどのように対応しているのでしょうか。「いつも購入している商品が値上がりした場合、同ジャンルのより安価な商品に切り替えることが多い」と回答した方が33%で最も多く、堅実な対応が見て取れます。

しかしその一方で、「値上がりしても、いつも購入している商品を買い続けることが多い」と回答した方も26%存在します。ここに、世代間の意識の違いが明確に現れています。

調査によると、20代から40代の層では「安価な商品に切り替える」という選択が最も多いのに対し、50代から60代になると「値上がりしても、いつも購入している商品を買い続ける」という傾向が強くなるのです。これは単にブランドへの愛着だけではないかもしれません。長年家族に提供してきた味や品質への信頼感、あるいは「失敗したくない」という安定志向などが、価格以外の価値として重視されている可能性も考えられます。世代によって守りたいもの、優先するものが異なるということでしょう。

外食の役割と変化:厳しい中でも求める「楽しみ」

次に、外食の状況について見てみましょう。

週に1回以上外食する人は28%、月に1回以上で見ると60%にのぼります。メニューの値上げは多くの飲食店で見られるものの、外食の頻度自体は前年と比べてそれほど大きく変わっていないようです。利用するお店としては、和食店やファミリーレストランなどが中心となっており、家計が厳しい状況下でも、家族との外食のような、ちょっとした楽しみや息抜きの価値は維持したいという意識が働いているのかもしれません。

食品選びの新基準?賞味期限とフードロスへの意識

食品の選び方や買い物の仕方にも、変化の兆しが見られます。

特に注目されるのが「賞味期限」に対する意識です。複数の商品を比較検討し、「賞味期限が最も先のものを選ぶ」という行動をとる人が46%と、半数近くに達しています。特に50代、60代ではこの傾向が強く、家族のために少しでも長く保存できるものを、という配慮が感じられます。

しかし、ここで興味深いのは20代の動向です。20代に限っては、「賞味期限が迫っているものから購入する」という回答が、「一番新しいものにこだわる」という回答を上回るのです。また、「一番賞味期限が遠いものを選ぶ」と比べても2ポイントしか差がありません。これは、単なる節約意識だけでなく、近年社会的な課題として認識されている「フードロスをなくそう」という意識の高さの表れとも考えられます。あるいは、その両方の側面があるのかもしれません。

世代による価値観の違いが、このような日常的な購買行動にも影響を与えていることは非常に示唆に富んでいます。

未来の食卓への眼差し:トレンド食品と高まる期待

最後に、トレンド食品について触れておきましょう。

オーツ麦やオートミール、グルテンフリー食品、さらには昆虫食といった新しいタイプの食品について、言葉として聞いたことがある人は約4割程度存在します。しかし、実際に購入した経験があるかという点では、例えばオーツ麦やオートミールで11%程度に留まり、その他のトレンド食品に至っては1割にも満たないのが現状です。

つまり、認知度はある程度高まっていても、実際の購入にはまだハードルがあると言えそうです。

ただ、関心が高い食品としては、スーパーフードや「完全栄養食(それだけで必要な栄養素がバランス良く摂取できるとされる食品)」などが挙げられています。こうした新しい選択肢への期待感は確実に存在しているようです。

変化する食生活:価格と価値の狭間で

しかしながら、日々の必需品の値上げがこれほど厳しい状況では、多くの家庭にとって、まずは家族の毎日の食卓を安定的に維持することが最優先課題となります。そのため、新しい食品に積極的に挑戦するための心理的、あるいは経済的な余裕は、現時点では持ちにくいのかもしれません。

今回の調査結果からは、食費上昇という厳しい経済的現実の中で、消費者が価格と品質、そして長年慣れ親しんだ味との間で、日々懸命にバランスを取りながら選択を行っている姿が浮き彫りになりました。また、世代による価値観の違いが、外食の位置づけや食品ロスへの意識、さらには新しい食品への向き合い方など、多岐にわたる側面に影響を与えていることも明らかになりました。

基本的な食材の値上げが続けば、消費者の行動はさらに工夫を凝らし、より多様化していく可能性があります。

必需品の値上げが家計を圧迫する一方で、完全栄養食のような新しい食品への関心も確かに存在します。もし、これらの新しい食品が、時短調理や栄養バランスの改善、手軽さといった付加価値を提供し、結果としてコストパフォーマンスが良いと広く認識されるようになれば、忙しい現代人の、そして多くの家庭の食卓風景は、これから大きく変わっていく可能性を秘めていると言えるでしょう。

このような変化の兆しには、今後も注目していく必要がありそうです。


[脚注]

  1. メニューの値上げもあり外食行動は昨年と同水準 家計に占める食費の割合、3割くらい以上が増加傾向へ | 株式会社クロス・マーケティングのプレスリリース ↩︎
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memstock編集部

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