節約は何から始める?変動費と習慣

家計・物価memStock編集部(更新: 2026年10月13日)
節約は何から始める?変動費と習慣

週末のまとめ買いで、かごの中身は先月とほとんど同じなのに、レシートの合計が数千円高い。節約しなければと思っても、何を削ればよいのかが分からないまま、我慢だけが続く家庭は少なくありません。

節約は、支出の中身を知ることから始まります。金融経済教育推進機構(J-FLEC)の家計管理の教材は、支出を固定費と変動費に分け、必要なもの(ニーズ)と欲しいもの(ウォンツ)を区別して優先順位をつけることを見直しの出発点にしています。この記事では、総務省の家計調査と消費者物価指数で子育て世帯の支出の実態を確かめ、食費や日用品などの変動費と、買い物の習慣から節約を始める手順を整理します。

子育て世帯の支出と、上がっている品目

総務省の家計調査によると、2025年の二人以上の世帯の消費支出は1か月平均314,001円で、前年より名目4.6%増えました。世帯主の年齢別では、40歳未満の世帯が299,100円(世帯人員3.50人)、40〜49歳の世帯が348,607円(同3.73人)です。子育て期にあたる世帯は人数が多く、40歳代では平均を3万円以上上回っています。

支出が増えた背景には物価の上昇があります。消費者物価指数は2025年平均で前年比3.2%上がり、食料は6.8%上がりました。食料のうち穀類は21.9%、うるち米(コシヒカリを除く)は67.2%の上昇です。2026年8月分の消費者物価指数(2025年=100)でも、総合は前年同月比1.9%、食料は3.1%上がっており、家事用消耗品は10.1%、洗濯用洗剤は10.9%の上昇でした。

品目・区分 上昇率 時点
総合 3.2% 2025年平均(前年比)
食料 6.8% 2025年平均(前年比)
穀類 21.9% 2025年平均(前年比)
総合 1.9% 2026年8月(前年同月比)
食料 3.1% 2026年8月(前年同月比)
家事用消耗品 10.1% 2026年8月(前年同月比)

食費は量より値段で増えている

家計調査で2025年の食料への支出は月94,895円で、名目では5.5%増えましたが、物価の影響を除いた実質では1.2%減っています。支払う金額は増えた一方で、買っている量は減っているということです。消費支出に占める食料費の割合(エンゲル係数)は28.6%で、前年より0.3ポイント上がりました。

中身を見ると、穀類は月8,808円で名目18.7%増、実質2.6%減でした。調理食品は13,580円、菓子類は9,211円、外食は16,563円で、外食は実質でも1.8%増えています。米のように値上がりの大きい品目は、量を減らしても支出が増えやすい一方、菓子類や外食、調理食品は回数や量を家庭で決めやすい支出です。食費を見直すときは、「食費」という一つの数字ではなく、こうした品目の単位で考えると、削る場所と削らない場所を分けられます。

節約の手順:固定費と変動費を分けて優先順位をつける

J-FLECの教材は、生活費を毎月発生する一定額の「固定費」と、その時々で変動する「変動費」に分けています。固定費の例は住居費・通信費・保険料・ローン返済など、変動費の例は食費・水道光熱費・交通費・ガソリン代・交際費や娯楽費・日用品代や衣料品代などです。

教材は見直しで優先順位をつけることを求め、二つの手順を挙げています。一つは、必要なもの・こと(ニーズ)と欲しいもの・やりたいこと(ウォンツ)を区別し、ウォンツの中でも優先順位をつけることです。もう一つは、まず固定費を、次に変動費を圧縮することで、固定費は一度見直すと毎月安定して支出を減らせるため効果的だとしています。たばこやお酒など習慣化された支出の見直しも効果的だと書かれています。

固定費の見直しは手続きが中心になるため、通信・電気・保険・住宅の契約の確かめ方は別の記事にまとめています。

変動費は一回ごとの金額が小さく、気づかないうちに積み上がります。知るぽるとの家計管理の解説も、1回に使う金額は少なくても、月単位・年単位で考えれば大きな金額になることがあるとして、一つひとつの支出について、なぜ支出したのかを振り返るよう勧めています。そのうえで、優先順位にあわせて予算にメリハリをつけたり、支出の時期をずらしたりして、支出を収入の範囲内に収めるという考え方です。

変動費 ニーズとウォンツの分け方の例 見直しの手がかり
食費(食材) 主食・おかずの材料はニーズ 買い物前に冷蔵庫の在庫を確かめ、必要な分だけ買う
菓子類・飲料・外食 楽しみの部分はウォンツ 回数や金額の上限を家族で決める
日用品 洗剤などの消耗品はニーズ 在庫を確かめてから買い、買い置きしすぎない
娯楽・交際費 ウォンツの中で優先順位をつける 家族にとって外せないものを先に決め、残りを調整する

変動費を減らす買い物とカード払いの習慣

食費では、食べきれずに捨てる分を減らすことも節約になります。消費者庁は、買い物の前に冷蔵庫や食品庫にある食材をチェックし、まとめ買いを避けて必要な分だけ買うことを勧めています。消費者庁の実証事業では、家庭で捨てた食品の量を計量するだけで食品ロスが約2割減り、計量に加えて削減の取り組みをすると約4割減ったと報告されています。

カード払いやキャッシュレス決済の使い方も、変動費の習慣に関わります。J-FLECの教材は、クレジットカードは目の前のお金が減らないので使い過ぎる心配があると注意を促しています。リボ払いは毎月の支払いが一定で家計管理はしやすくなる一方、毎月の返済額が少ないと残高が減らず、総支払額が多くなる可能性があるとしています。「フレックス払い」「つけ払い」「定額払い」など、リボ払いの名前を変えているケースもあると書かれています。

セールの「通常価格」の表示や、購入を急がせる画面の作りなど、買い物の場面には支出を増やしやすい仕掛けもあります。表示のルールについては、こちらの記事で扱っています。

続けるために「先に分ける」仕組みをつくる

節約で浮いたお金は、そのままにすると別の支出に回りがちです。J-FLECの教材は、「お金に余裕ができたとき」に貯めるのは案外難しく、先に差し引くことがポイントだとして、無理のない範囲で給与天引きや口座引き落としなどを使い、貯める仕組みをつくるよう勧めています。教材の例では、手取り17.8万円から1万円を先に引き、残りの16.8万円で生活費をやりくりします。

教材は、お金を「使う」「貯める」「増やす・備える」の三つに分ける考え方も示しています。水道光熱費や通信費、衣料品代などの生活費は「使うお金」、車や住宅の購入、教育費、旅行代など近い将来に使う予定のお金は「貯めるお金」です。教育費や家族旅行のように目的のある支出を「貯めるお金」として先に分けておくと、変動費を抑えた分がどこに向かうのかが家族で共有しやすくなります。

子どもと一緒に取り組む場合は、おこづかいの記録から始める方法もあります。知るぽるとは、子どもたちが健全な金銭感覚を身につけるうえで、おこづかいの使い方について記録をつけることは役立つとして、子ども向けのこづかい帳を公開しています。

家計簿のつけ方や、家計調査の10大費目を使った費目の分け方は、こちらの記事にまとめています。

出典

よくある質問

節約は固定費と変動費のどちらから始めればよいですか
J-FLECの教材は、まず固定費を、次に変動費を圧縮するという順番を挙げています。固定費は一度見直すと毎月安定して支出を減らせるためです。変動費は毎日の買い物の習慣に関わるため、固定費の見直しと並行して、品目ごとに優先順位をつけていく方法があります。
食費はいくらくらいが目安ですか
国が家庭の食費の目安額を決めているわけではありません。参考になるのは家計調査の平均で、2025年の二人以上の世帯の食料は月94,895円、消費支出に占める割合(エンゲル係数)は28.6%でした。世帯人数や外食の頻度で大きく変わるため、自分の家庭の記録と比べて、どの品目が多いかを見るのに使えます。
物価が上がる中で、支出を増やさないことはできますか
2025年の家計調査では、食料の支出は名目で5.5%増えた一方、実質では1.2%減っていました。値上がりした分を量の調整だけで吸収するのは難しいことが分かります。ニーズとウォンツを分けて、ウォンツの中で優先順位をつけ、固定費の見直しとあわせて家計全体で調整するのが、J-FLECの教材が示す考え方です。
リボ払いは節約になりますか
毎月の支払額が一定になるため家計管理はしやすくなりますが、J-FLECの教材は、返済額が少ないと残高が減らず、総支払額が多くなる可能性があると説明しています。リボ払いの名前を変えたサービスもあるため、支払い方法の仕組みを確かめてから使うよう呼びかけています。
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この記事を書いた人

memStock編集部

memStock編集部は、家族の豊かな暮らしと家計管理を応援する記事制作チームです。ライフハック・節約・投資・保険など、日常生活とお金に関する実用的な情報を、確かな専門知識と多様な視点から分析・提供しています。読者の皆様が抱える日々の悩みや将来への不安を解消し、ワンランク上の生活を実現するためのヒントが詰まった記事をお届けします。 「家族の暮らしをより豊かに」をモットーに、わかりやすく実践的なコンテンツで皆様の人生設計をサポートします。

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この記事を監修した人

山田 尚貴

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業後、NTTPCコミュニケーションズでシステムエンジニアとして金融機関等のシステム運用などに携わる。2009年、株式会社エニドアを創業し代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスの開発・提供を行う。M&Aにより会社を売却後、上場企業のグループ会社の経営を6年行った後、株式会社modoを創業し代表取締役に就任。家族向けのサービスmemStockの開発を行う。 二級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種を保有。2児の父。

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