子供の教育費、公立でも15年614万円

教育・学校memStock編集部(更新: 2026年10月13日)
子供の教育費、公立でも15年614万円

子どもの進路の話が出たときや、学資の積み立て額を決めるとき、「結局、教育費は全部でいくらかかるのか」が気になります。文部科学省の令和5年度「子供の学習費調査」(2026年1月の訂正版)では、幼稚園3歳から高校3年までの15年間の学習費総額は、全て公立で約614万円、全て私立で約1,969万円です。

ここに大学の費用が加わります。一方で、高校の授業料は2026年度から所得制限のない支援に変わりました。2026年10月時点の公的な調査と制度をもとに、学校段階ごとの金額と、足りないときに使える公的な選択肢を順に整理します。

幼稚園から高校までは公立で約614万円、私立で約1,969万円

子供の学習費調査は、保護者が学校教育と学校外活動のために1年間に支出した額を、子ども1人当たりで集計した調査です。授業料や給食費に加えて、塾・習い事・家庭学習の費用も含みます。令和5年度の調査は2024年12月に公表され、2026年1月16日に訂正版が出ました。

訂正版で示された15年間の合計(各学年の平均額を単純に足したもの)は、次のとおりです。

進路のケース 幼稚園 小学校 中学校 高校(全日制) 15年間の合計
全て公立 53万円 220万円 163万円 178万円 約614万円
幼稚園だけ私立 104万円 220万円 163万円 178万円 約665万円
幼稚園と高校が私立 104万円 220万円 163万円 352万円 約838万円
全て私立 104万円 1,046万円 467万円 352万円 約1,969万円

いちばん差が開くのは小学校です。1年間の学習費総額は公立小学校が366,599円、私立小学校が1,741,516円で、約4.8倍の差があります。中学校は公立542,450円・私立1,560,359円、高校(全日制)は公立596,954円・私立1,179,261円でした。

なお、令和5年度の調査は、2026年度の高校授業料の制度改正より前の支出額です。高校の金額を自分の家庭に当てはめるときは、次に説明する新しい支援の分を差し引いて考えます。

幼稚園の金額が他の段階より小さいのは、2019年10月に始まった幼児教育・保育の無償化で、幼稚園・保育所・認定こども園を利用する3歳から5歳までの子どもの利用料が無料になったためです。ただし、学習費調査の金額には、通園の費用や習い事などの学校外活動費も含まれています。

公立でも学習費の多くは塾や習い事の費用

公立の小中学校では、学習費の大半が学校の外で使われています。公立小学校の学習費総額366,599円のうち、塾・家庭教師・習い事・体験活動などの「学校外活動費」は256,489円で、構成比は70.0%でした。公立中学校でも356,018円(65.6%)が学校外活動費です。

つまり、公立か私立かの選択と同じくらい、塾や習い事にいくら使うかで総額が動きます。学校の授業料は進路でほぼ決まりますが、学校外活動費は家庭が毎年決め直せる部分です。習い事の選び方と続け方、塾の費用の抑え方は、それぞれ別の記事にまとめています。

高校の授業料は2026年度から所得制限なしで支援

高校の授業料は、2026年度(令和8年度)から「高等学校等就学支援金」の新制度で、世帯年収にかかわらず支援されるようになりました。改正法は2026年3月31日に成立し、4月1日に施行されています。

学校 支給上限額(年額)
公立高校(全日制) 118,800円
私立高校(全日制) 457,200円
私立高校(通信制) 337,200円

支援金は学校が代わりに受け取り、授業料に充てる仕組みです。公立高校は授業料と同じ額なので実質的に授業料がかからず、私立高校は上限の457,200円を超える授業料の分が家庭の負担として残ります。支援を受けるには申請が必要で、手続きは学校からの案内に沿って進めます。

支援金の対象は授業料だけです。入学金、施設設備費、制服や教材、修学旅行の費用は含まれません。教科書費や教材費などの授業料以外の費用には、返還不要の「高校生等奨学給付金」があり、都道府県または学校に申し込みます。対象となる世帯の条件は都道府県ごとに確かめてください。

大学は学費に加えて入学時と仕送りの負担が大きい

大学は、授業料に加えて入学時の納付金と、自宅外から通う場合の住まいの費用が重なります。文部科学省の調査では、2025年度入学者の私立大学(学部)の平均は、授業料968,069円、入学料240,365円、施設設備費172,550円でした。国立大学は国が示す標準額が授業料535,800円、入学料282,000円です。標準額のとおりなら、国立大学に4年間通う場合の授業料と入学料の合計は2,425,200円です。私立大学は学部による差が大きく、文科系と理科系の初年度の納付金には約39万円の開きがあります。

私立大学の学部 授業料 入学料 施設設備費 初年度の合計
文科系 850,392円 219,951円 141,892円 1,212,235円
理科系 1,195,313円 245,362円 161,378円 1,602,053円

日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査」(令和3年度、調査は2021年10月)では、高校入学から大学卒業までにかかる入学費用と在学費用の合計は、子ども1人当たり942.5万円でした。大学の入学先別に見ると、国公立大学で743.0万円、私立大学文系で951.6万円、私立大学理系で1,083.4万円です。この調査は2021年時点の金額で、その後の授業料の改定は反映されていません。

自宅外から通う場合は、仕送りが加わります。同じ調査で、自宅外通学者への仕送り額は年間平均95.8万円(月額7.9万円)でした。日本学生支援機構の令和6年度学生生活調査では、大学学部(昼間部)の学生1人当たりの学費と生活費の合計は2,019,100円で、前回の令和4年度調査から10.7%増えています。

足りないときは給付型の支援から順に確かめる

教育費の準備が足りないときは、返さなくてよい支援から先に確かめ、そのうえで借りる手段を選ぶと、卒業後の返済を小さくできます。大学・短大・専門学校には、授業料の減免と給付型奨学金を組み合わせた「高等教育の修学支援新制度」があります。2025年度からは、多子世帯の学生は所得制限なく授業料等の減免の対象です。制度の詳しい要件と、教育資金の貯め方は別の記事で整理しています。

借りる場合の公的な手段には、日本学生支援機構の貸与型奨学金と、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」があります。国の教育ローンは子ども1人につき上限350万円(一定の要件で450万円)、固定金利は年4.05%(2026年7月時点)で、日本学生支援機構の奨学金と併用できます。民間の教育ローンとの比べ方は、次の記事にまとめています。

教育費の総額は、進路の組み合わせと、学校外活動にいくら使うかで大きく変わります。表の金額を目安に、子どもが何歳のときにいくら必要になるかを家族で書き出しておくと、毎月の積み立て額を決めやすくなります。

出典

よくある質問

子供の教育費は、大学まで全部でいくらかかりますか?
文部科学省の調査では、幼稚園から高校までの15年間で全て公立なら約614万円、全て私立なら約1,969万円です。大学は、日本政策金融公庫の令和3年度調査で国公立大学に進んだ場合の入学・在学費用が4年間で約481万円(高校入学からの合計743.0万円から高校3年間の261.8万円を引いた額)でした。自宅外から通う場合は、ここに仕送りが加わります。
高校の授業料は2026年度から無料になったのですか?
2026年度から、高等学校等就学支援金は所得制限なしで支給されています。公立高校(全日制)は上限118,800円で授業料に相当するため、実質的に授業料はかかりません。私立高校(全日制)の上限は457,200円で、これを超える授業料や入学金・施設設備費は家庭の負担です。
塾や習い事の費用は、教育費の中でどのくらいの割合ですか?
令和5年度の子供の学習費調査では、公立小学校の学習費総額のうち70.0%、公立中学校では65.6%が、塾・習い事・家庭学習などの学校外活動費でした。私立小学校は40.7%、私立中学校は27.1%で、私立では学校に払う費用の割合が大きくなります。
国の教育ローンはいくらまで借りられますか?
子ども1人につき350万円までで、一定の要件に当てはまる場合は450万円までです。金利は固定で年4.05%(2026年7月時点)です。世帯年収の上限など利用の条件は、日本政策金融公庫の案内で確かめてください。
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この記事を書いた人

memStock編集部

memStock編集部は、家族の豊かな暮らしと家計管理を応援する記事制作チームです。ライフハック・節約・投資・保険など、日常生活とお金に関する実用的な情報を、確かな専門知識と多様な視点から分析・提供しています。読者の皆様が抱える日々の悩みや将来への不安を解消し、ワンランク上の生活を実現するためのヒントが詰まった記事をお届けします。 「家族の暮らしをより豊かに」をモットーに、わかりやすく実践的なコンテンツで皆様の人生設計をサポートします。

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この記事を監修した人

山田 尚貴

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業後、NTTPCコミュニケーションズでシステムエンジニアとして金融機関等のシステム運用などに携わる。2009年、株式会社エニドアを創業し代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスの開発・提供を行う。M&Aにより会社を売却後、上場企業のグループ会社の経営を6年行った後、株式会社modoを創業し代表取締役に就任。家族向けのサービスmemStockの開発を行う。 二級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種を保有。2児の父。

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