食料品の消費税1%、わが家の食費なら月いくら違う?

お金の話memStock編集部
食料品の消費税1%、わが家の食費なら月いくら違う?

週末にまとめ買いをしたスーパーのレシートを見ると、食品の横に「※」や「軽」といった印がついていることがあります。軽減税率8%の対象を示す印です。この8%を2027年4月から2年間、1%にする方針を、政府が9月15日に閣議決定しました。

ニュースで知って、「外食も下がるの?」「うちの食費だと月にいくら変わるの?」と気になった方もいると思います。食料品の消費税1%の中身と、同じ時期に導入される予定の「就業者負担軽減支援金」を、家計の側から順に整理します。

2026年10月2日時点で、この内容は閣議決定された方針(大綱)の段階です。法案はまだ国会に提出されておらず、成立もしていません。10月5日に召集される臨時国会に法案が提出される予定だと報道されています。以下は、法案が成立した場合の内容です。

1%になるのは、いま8%で買っている飲食料品です

方針では、期間は2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間です。1%の内訳は国の消費税0.78%と地方消費税0.22%で、合わせて1%になります。首相は2年後に税率を元に戻すとも説明しています。

対象は、いま軽減税率8%が適用されている飲食料品と同じ範囲です。政府の資料でも、1%の対象となる飲食料品の範囲は8%のときから変わらないとされています。いま8%で買っている食品は1%に、10%のものは10%のまま、と考えるとつかみやすくなります。

例外は新聞です。週2回以上発行される新聞の定期購読は、いまは8%の軽減税率の対象ですが、今回の引下げには含まれず8%のままです。

0%ではなく1%にした理由について、首相は7月30日の記者会見で「1%であれば0%とするよりも事業者のシステム改修の期間を短縮でき、令和9年4月から実施可能であることが明らかとなりました」と説明しています。政府の資料で1%にした理由として示されているのは、この説明です。

テイクアウト、イートイン、給食、お酒はどちら側?

いまの軽減税率と同じく、店で食べるか持ち帰るかで税率が分かれます。共働き家庭がよく使う場面を、国税庁のQ&Aをもとに分けると次のとおりです。

場面 法案が成立した場合の税率
スーパー・コンビニで食品を買って持ち帰る 1%
ネットスーパー・通販の食品 1%
飲食店のテイクアウト、出前・宅配ピザ(届けるだけのもの) 1%
店内での食事、コンビニのイートイン 10%
ケータリング・出張料理(自宅で調理や配膳をするもの) 10%
お酒(本みりんを含む) 10%
ノンアルコールビール、料理酒(塩などで飲めないようにしたもの)、みりん風調味料 1%
ミネラルウォーター、ウォーターサーバーの水 1%(サーバーのレンタル料は10%)
栄養ドリンクなどの医薬品・医薬部外品 10%
学校給食 1%
新聞の定期購読(週2回以上発行) 8%

外食と持ち帰りの税率差は、いまの2ポイント(10%と8%)から9ポイント(10%と1%)に広がります。同じ店の同じメニューでも、店内で食べるか持ち帰るかで、税込価格の差がいまより大きくなります。

学校給食は税法上は軽減税率の対象なので、1%の側に入ります。ただ、保護者が払う給食費が下がるかどうかは自治体の給食費の決め方しだいで、現時点の資料からは分かりません。公立小学校では、2026年4月から国が自治体を通じて給食の食材費を支援する仕組み(完全給食の基準額は月5,200円)も始まっています。この仕組みについては「給食費の月5,200円は、家庭に配られる額ではありません」で詳しく整理しています。

平均的な家庭の食費で、税率差はいくら?

総務省の家計調査(2025年)によると、二人以上の世帯の食料への支出は月平均94,895円です。ここから10%のままの一般外食(15,966円)と酒類(3,784円)を除くと、月約75,145円が1%の対象とみなせる支出になります。

8%込みの支払額が1%込みになると、支払額は108分の101になります。差額は支出の108分の7なので、計算は次のとおりです。

75,145円 × 7/108 ≒ 月約4,871円(年約5.8万円)

身近な金額に直すと、8%込みで10,800円の食品は、1%込みなら10,100円です。8%込みで1万円分の買い物なら、差は約648円になります。わが家の場合は、1か月の食費から店内での外食とお酒を除いた金額に、7/108(約6.5%)をかけると目安が出ます。

この金額は推計で、いくつか前提があります。本体価格が変わらず、税率差がそのまま値札に反映されると仮定した機械的な計算なので、実際に値札がいくら下がるかは店や商品しだいです。家計調査の「外食」には飲食店のテイクアウトや出前も含まれ、これらは本来1%の側なので、試算はやや小さめに出ています。

学校給食は軽減対象なので計算に残しました。平均値のため、家族の人数や外食・お酒の頻度で大きく変わります。

切り替わりの前後には、店頭の表示が混ざる時期があります。値札の貼り替えが間に合わないなどの事情がある場合、2027年2月から5月までは、食品を8%と1%のどちらの税込価格で表示してもよい特例が設けられる予定です。実際の支払額と誤認させない掲示などをすることが、その条件です。

食材の定期便やカタログ通販を使っている家庭には、経過措置も関係します。2027年1月1日より前に契約し、かつ4月1日より前に代金を受け取っている(先払いの)分だけは、4月以降に届いても8%のままです。毎月払いなら、4月以降に届く分は原則1%です。

この扱いは当事者が選べるものではなく、「年内に契約すれば8%」という仕組みでもありません。1%を前提にした契約なら、4月以降の分は1%になります。2027年1月1日より前に販売条件が示され、4月1日より前に申し込んだカタログ販売(お中元など)も、4月以降の引渡しは8%になります。

就業者負担軽減支援金は、夫婦それぞれで判定する方針です

税率の引下げと同じ2027年4月に、「就業者負担軽減支援金」という給付も導入される方針です。大綱が対象として挙げているのは、前年に働いて得た所得(勤労所得)が一定額を超え、所得が上限以下で、住民税や社会保険料の負担が一定以上ある人です。2027・28年度の支援金は、全体で「飲食料品に係る消費税1%相当分の範囲」に収めるとされています。

支給は世帯ではなく個人単位です。共働きの夫婦なら、それぞれが要件を満たすかどうかで判定されます。2029年度からは配偶者の所得に上限を設ける要件が加わる方針ですが、2027・28年度にはこの要件はありません。子どもがいる家庭には「こども加算」がつき、2027・28年度は16歳未満の扶養親族の人数に応じた定額です。

金額は、まだ決まっていません。支援額、こども加算の額、対象になる所得の上限・下限は、どれも大綱に数字がなく、今後定めるとされています。「1人○万円」といった金額を見かけても、現時点では一次資料に裏付けがありません。

受け取り方は、公金受取口座を登録しているかどうかで変わります。登録している人は、市区町村が申請なしで支給を認める「職権認定」が原則です。登録していない人は、申請が必要になる見込みです。支給は年1回で、2027年度分は国と地方の協議資料のイメージ図に「秋支給」とありますが、確定した日程ではありません。

公金受取口座は1人1口座で、本人名義の口座に限られます。夫婦のうち一方だけが登録している家庭もあるので、それぞれの登録状況をマイナポータルなどで確かめておくと安心です。

続報を、わが家の数字で読むために

食費の1%も支援金も、細かい数字はこれからの国会審議とその後の制度設計で決まっていきます。わが家の食費のうち外食とお酒を除いた部分がおよそいくらか、ふたりの口座がどうなっているかを一度話しておくと、続報が出たときに自分の家の数字に置き換えて読めるようになります。

この記事は2026年10月2日時点の情報をもとにしています。法案の審議や成立によって内容が変わる可能性があります。

出典

※試算は総務省「家計調査」(2025年、二人以上の世帯)をもとにした編集部の推計です。(食料94,895円 − 一般外食15,966円 − 酒類3,784円)× 7/108 で、税率差だけを機械的に計算しています。年額は第6-1表の年間支出(食料1,138,736円・一般外食191,587円・酒類45,406円)から同じ式で求めた約58,446円です。実際の値下がり幅は店・商品によって異なります。

よくある質問

食料品の消費税1%は、いつからですか?
政府が閣議決定した方針では、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間です。2026年10月2日時点では法案は未提出・未成立で、法案が成立した場合の日程です。
コンビニのイートインやお酒も1%になりますか?
なりません。店内での飲食(イートインを含む)とお酒は10%のままの方針です。持ち帰りの食品やテイクアウト、届けるだけの出前は1%の対象です。
先払いの食材の定期便は、4月以降に届く分も1%になりますか?
2027年1月1日より前に契約し、かつ4月1日より前に代金を先払いした分は、4月以降に届いても8%のままです。毎月払いの場合、4月以降に届く分は原則1%です。
就業者負担軽減支援金は申請が必要ですか?
公金受取口座を登録している人は、市区町村が申請なしで支給を認める「職権認定」が原則です。登録していない人は、申請が必要になる見込みです。金額や対象になる所得の上限・下限は、まだ決まっていません。
どこに問い合わせればよいですか?
税率引下げの内容は、国税庁の消費税率引下げ特設サイトで確認できます。一般的な問い合わせは消費税軽減税率・インボイスコールセンター(0120-205-553、9時〜17時、土日祝を除く)が窓口です。公金受取口座の登録はデジタル庁のページや、マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)で案内しています。支援金専用のコールセンターや特設サイトは、まだ開設されていません。
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