子育て世代のリアル:育休と仕事両立、夫婦の意識差

今回は、総合転職情報サイト「マイナビ転職」が発表した「育児離職と育休の男女差実態調査(2025)[1]」という興味深いレポートをを元に、仕事と育児のリアルな声、そしてその両立について深掘りしていきたいと思います。特に、家族との時間を大切にされている方にとって、何か考えるヒントが見つかるかもしれません。この調査は、子育て中の正社員800名を対象に行われたものです。
さて、早速ですが、この調査から見えてくる「育児とキャリアの両立の実情」、特に男女間の意識の違いや、育休のリアルなところを見ていきましょう。
育児離職のリアル:3人に1人が経験、背景にある男女差
まず驚いたのが、子育て中の正社員のうち、なんと35.0%の方々が、育児を理由に退職を経験したり、あるいは考えたことがあるという点です。これは3人に1人以上という計算になりますね。いわゆる「育児離職」という言葉が示す現実です。
特に育休を取得した女性に限ると、この割合は41.3%にも上るというのですから、かなり高い数字です。一方で、男性も決して他人事ではなく、33.3%が同様の経験や考えを持ったことがあると回答しています。
ただ、やはり女性の方が割合が高い背景には、「育児の主担当は女性」といった、目には見えないプレッシャーや、仕事との両立の難しさが、より重くのしかかっている可能性が考えられます。家族のためにキャリアを一度立ち止まって考え直さざるを得ない、そんな状況が透けて見えるようです。
「働き続けたい」9割の女性、でも男性との意識には壁も
しかし、その一方で非常に力強いデータもあります。実は、女性の約9割が、お子さんの年齢に関わらず「正社員として働き続けたい」と望んでいるのです。これは本当に強い意志ですよね。
これに対して、「妻に正社員として働き続けてほしい」と考えている男性は約7割。ここに2割ほどのギャップが見られます。この差の背景には、男性側が「自分が大黒柱として稼がなくては」という責任感を強く感じていたり、あるいは「妻には無理せず家庭中心で」といった根強い価値観がまだ影響しているのかもしれません。だからこそ、ご夫婦間での将来設計やキャリアについてのすり合わせが、ますます重要になってくると言えそうです。
求められる「協力」と「社会のサポート」
では、その「働き続けたい」という理想を実現するためには、何が必要なのでしょうか。
調査によると、男女ともに「土日休み」や「残業の少なさ」を求める声が上位に挙がっています。これは共通の願いのようですね。
ところが、「パートナーの家事・育児への協力」という項目になると、男女間で10ポイント以上の差が開いてしまうんです。やはり、ここでの期待値に違いがあるようです。
さらに女性は、「立地の良い保育園」や「学童保育の充実」といった、具体的なサポート体制も重視していることがわかります。
これらを踏まえると、職場の環境改善はもちろん大切ですが、それだけでは足りず、家庭内での協力体制、そして保育園のような社会的なインフラがいかに重要か、ということが浮き彫りになります。まさに、パートナーシップのあり方そのものが、キャリア継続の鍵を握っていると言っても過言ではないでしょう。
育休取得の不安:トップは「収入減」、男女で異なる悩みも
次に、育児休業、いわゆる「育休」について見ていきましょう。
育休を取得する際の不安として、男女ともにトップだったのは「収入の減少」でした。これは本当に切実な問題ですよね。特に家族が増えるタイミングで収入が減るというのは、大きな心配事です。
興味深いのは、不安の第2位以下の項目です。男性では「特にない」が上位に来るのに対し、女性は「社会とのつながりが減ること」や「仕事のブランクへの不安」を挙げる方が多くいました。これは、育休期間が比較的長くなることが多い女性特有の悩みと言えるかもしれません。キャリアから一時的に離れることへの、心理的なハードルが存在するようです。
育休満足度:自己評価は高いが、夫婦間で見える「評価ギャップ」
では、実際の育休の満足度はどうだったのでしょうか。
ご自身の育休に対する満足度は、男性が68点、女性が73点と、まずまず高い結果でした。
しかし、さらに面白いのは「パートナーの育休への満足度」です。男性から見た奥さんの育休満足度は76点と高評価なのですが、女性から見た夫の育休満足度は65点と、少し辛口な評価になっています。ここにもギャップが見られますね。
この満足・不満足の理由は何なのでしょうか。
満足した理由としては、「夫婦で大変な時期を乗り越えられた」「子供の成長を間近で見られた」といったポジティブな声が多く聞かれました。これは素晴らしい経験ですよね。
一方で、不満の声としては、「収入減」や「孤独感」に加えて、特に女性からは「夫にもっと主体的に関わってほしかった」という意見が目立ったそうです。期待していた関わり方と、実際の行動との間に少しズレがあったのかもしれません。ここでもやはり、パートナーシップの質が満足度を左右していると言えそうです。
データが示す「家族」と「キャリア」の葛藤、対話の重要性
さて、今回の調査結果をこうして見てみると、多くの女性が正社員としてのキャリアを強く望んでいる一方で、収入のこと、パートナーの協力、そして社会とのつながりなど、様々な壁に直面している実態がよくわかります。「家族を大切にしたい、でも自分のキャリアも諦めたくない」その葛藤がひしひしと伝わってきます。
また、夫婦間でのキャリアに対する考え方の違いや、育休の経験に対する評価にも、はっきりとした男女差が見えました。
これは、企業の制度改革はもちろん重要ですが、それ以上に、家庭内でのオープンな対話と協力体制がいかに大切か、ということを示唆しているのではないでしょうか。お互いが何を期待していて、どう支え合えるのか。それを本音で話し合うことから、何かが始まるのかもしれません。
このデータに触れてみて、あなたご自身の働き方や、家族との時間について、何か考えるきっかけはありましたでしょうか?
もしかしたら、これを機に、一度パートナーの方と「私たちにとっての理想のバランスって何だろうね?」と、改めて話し合ってみるのも良いかもしれませんね。
memstock編集部
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