育休と育児離職の男女差、最新データ

育児・子どもの安全memStock編集部(更新: 2026年10月13日)
育休と育児離職の男女差、最新データ

妊娠がわかると、夫婦のどちらが、いつから、どれだけ休むかを決めることになります。収入が減る不安と、職場に戻れるかどうかの不安を、二人で同時に抱える場面です。

厚生労働省の「令和7年度雇用均等基本調査」では、育児休業の取得率は男性50.9%、女性88.3%でした。取得率の差は縮まった一方、休む期間は男性の約半数が1か月未満、女性の約8割が10か月以上で、大きな差が残っています。出産・育児を理由に仕事を辞める人も、ほとんどが女性です。公的統計で男女の差を確かめたうえで、2025年に変わった育休の制度を、夫婦で働き方を決めるための材料として整理します。

育休の取得率は男性50.9%、女性88.3%

雇用均等基本調査は、全国の事業所を対象に、出産した女性と、配偶者が出産した男性のうち、育児休業を始めた人の割合を調べています。2025年10月1日時点の令和7年度調査で、女性の取得率は88.3%(前年度86.6%)、男性は50.9%(同40.5%)でした。男性は1年で10.4ポイント上がり、初めて5割を超えています。

男性の数字には、子の出生後8週間以内に最大28日取れる「産後パパ育休」(出生時育児休業)も含まれます。育児休業を始めた男性のうち、産後パパ育休を取得した人は58.3%でした。有期契約で働く人に限ると、取得率は女性74.8%、男性40.4%で、正社員を含む全体より低くなっています。

休む期間は男性の約半数が1か月未満

同じ調査で、2024年4月から2025年3月までに育児休業を終えて復職した人の休業期間は、男女で次のように分かれました。

休業期間 女性 男性
5日未満 0.6% 6.8%
5日~2週間未満 0.6% 14.1%
2週間~1か月未満 0.5% 28.0%
1か月~3か月未満 1.4% 30.3%
3か月~6か月未満 3.6% 10.1%
6か月~10か月未満 15.2% 6.3%
10か月~12か月未満 28.7% 2.4%
12か月~18か月未満 31.4% 1.8%
18か月以上 17.7% 0.3%

男性は1か月未満が合わせて48.9%で、女性は10か月以上が合わせて77.8%です(「不明」を除く)。取得率では男女の差が縮まっても、子どもが1歳前後になるまで仕事を離れて育児を担うのは、多くの家庭でまだ母親です。

出産・育児で仕事を辞める人と、続ける人

総務省「令和4年就業構造基本調査」(2022年)では、過去1年間に出産・育児のために前職を辞めた人は14.8万人で、5年前の21.5万人から減りました。内訳は女性14.1万人、男性0.7万人です。

育児をしている人のうち仕事をしている人の割合は、男性99.0%に対し、女性は73.4%でした。女性は5年前の64.2%から9.2ポイント上がっています。

国立社会保障・人口問題研究所の「第16回出生動向基本調査」(2021年)は、第1子の妊娠がわかったときに働いていた妻のうち、子どもが1歳の時も働いていた割合(就業継続率)を調べています。第1子が2015~19年生まれの場合は69.5%で、2010~14年生まれの57.7%から上がりました。ただし、正規の職員だった妻では83.4%、パート・派遣等の妻では40.3%と、働き方による差が大きく残っています。

同じ調査で、第1子(2015~18年生まれ)が3歳になるまでに育児休業を利用した割合は、母親43.0%に対し父親3.7%でした。正規の職員として就業を続けた妻のいる夫婦に限ると、母親の利用は93.1%、父親は6.3%です。子どもが3歳になるまでの間に日常的に家事を行う夫は、正規の職員として働く妻をもつ夫で4割でした。調査は2021年のもので、男性の育休取得率が大きく伸びたここ数年の変化はまだ反映されていません。

辞めずに続けても、働き方は変わりがちです。内閣府「令和8年版男女共同参画白書」によると、2025年の女性の正規雇用比率は25~29歳の62.8%をピークに、年齢が上がるにつれて下がります(L字カーブ)。出産・育児の時期を正社員のまま越えられるかどうかが、その後の収入にも響きます。

2025年に変わった育休の制度

2025年4月から、雇用保険に「出生後休業支援給付金」が加わりました。子の出生直後の一定期間(父親は出生後8週間以内、産後休業をした母親は16週間以内)に、両親がともに通算14日以上の育児休業を取ると、育児休業給付金(給付率67%)に13%が最大28日分上乗せされます。合わせて給付率80%になり、育休中は申出により健康保険・厚生年金保険料が免除され、給付は非課税のため、手取りで10割相当になります。配偶者が無業者や自営業者・フリーランスの場合などは、配偶者の育休がなくても対象になります。

あわせて、2歳未満の子を育てるために時短勤務をした人に、時短中の賃金の10%を支給する「育児時短就業給付金」も始まりました。厚生労働省の案内の例では、時短前の賃金月額が30万円で、時短中の賃金が20万円に下がった月は、20万円の10%にあたる2万円が支給されます。時短中の賃金が時短前の90%を超えると支給率が下がり、100%以上なら支給されません。復職後にフルタイムに戻るか、時短を続けるかを夫婦で決めるときの材料になります。

育児・介護休業法も2025年4月と10月に段階的に改正されました。主な内容は次のとおりです。

施行 主な改正内容
2025年4月 残業免除を請求できる対象が小学校就学前の子を育てる人に拡大/子の看護等休暇の対象が小学校3年生修了までに拡大/男性の育休取得率の公表義務が従業員1,000人超から300人超の企業に拡大
2025年10月 3歳から小学校就学前の子を育てる人向けに、始業時刻の変更・テレワーク等・短時間勤務などから2つ以上の措置を企業が用意する義務/妊娠・出産の申出時と子が3歳になる前に、勤務時間帯や勤務地などの意向を個別に聴く義務

夫婦で休み方を決めるときの材料

出生後休業支援給付金は、夫婦の両方が14日以上休んだときに上乗せされます。たとえば休業開始時の賃金日額が1万円の父親が産後パパ育休を28日取ると、出生時育児休業給付金が18万7,600円、出生後休業支援給付金が3万6,400円で、合わせて22万4,000円で、休業前の賃金28日分の80%にあたります。賃金日額の上限は16,540円(2027年7月31日までの額)のため、賃金が高い人は給付額が頭打ちになります。母親も14日以上休んでいれば、母親の育児休業給付金にも同じ上乗せがつきます。

休業期間の差が大きいほど、復職後の家事・育児の分担も片方に寄りやすくなります。父親が出生直後の数週間だけでなく、母親の復職の時期に合わせて休むなど、2回まで分けて取れる育児休業の仕組みを使って、誰がいつ家にいるかを夫婦で書き出しておくと、職場への申出も具体的にできます。2025年10月からは、妊娠・出産を申し出たときに勤務先が働き方の意向を聞くことになっているため、その面談で希望を伝えることもできます。

給付金の計算方法や申請の期限は、次の記事で詳しく説明しています。

復職後の家事・育児時間の男女差を統計で見たいときは、こちらの記事も参考になります。

出典

よくある質問

男性の育休取得率は最新でどのくらいですか
厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」で50.9%です(前年度40.5%)。2023年10月から2024年9月に配偶者が出産した男性のうち、2025年10月1日までに育児休業(産後パパ育休を含む)を始めた人の割合です。女性は88.3%でした。
男性の育休は平均でどのくらいの期間ですか
同じ調査で、2024年度に育休を終えて復職した男性の休業期間は「1か月~3か月未満」が30.3%で最も多く、次いで「2週間~1か月未満」が28.0%でした。1か月未満の人が合わせて48.9%を占めます。女性は「12か月~18か月未満」が31.4%で最も多くなっています。
出生後休業支援給付金は夫婦の両方が休まないともらえませんか
原則として、本人と配偶者がそれぞれ通算14日以上の育児休業を取ることが条件です。ただし、配偶者が無業者の場合や、自営業者・フリーランスなど雇用される労働者でない場合などは、配偶者の育休がなくても対象になります。
出産・育児で仕事を辞める人はどのくらいいますか
総務省「令和4年就業構造基本調査」では、2022年までの過去1年間に出産・育児のために前職を辞めた人は14.8万人で、うち女性が14.1万人、男性が0.7万人でした。5年前の21.5万人からは減っています。
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