子育て支援制度、子の年齢別に使えるもの

育児・子どもの安全memStock編集部(更新: 2026年10月13日)
子育て支援制度、子の年齢別に使えるもの

妊娠がわかって市区町村の窓口に行ったとき、育休に入る前に手取りを見積もるとき、子どもが高校受験を控えたとき。子育ての制度を調べる場面は何度もやってきます。ただ、2〜3年前に調べた内容は、もう今の制度と合っていないことがあります。児童手当は2024年10月分から所得制限がなくなり、高校生年代まで支給されるようになりました。高校の授業料を支援する就学支援金も、2026年度から所得制限が撤廃されています。

ここでは国の主な制度を、子どもの年齢ごとに並べ直しました。内容は2026年10月時点のものです。子どもの医療費助成や保育料の独自の上乗せなど、自治体ごとに内容が違う制度は、お住まいの市区町村で確認してください。

妊娠から出産まで

妊娠がわかったら、最初に関わるのが「妊婦のための支援給付」です。2025年度から始まった国の給付で、妊娠届出のときに5万円、妊娠後期以降に妊娠しているこどもの数×5万円が支給されます。双子なら2回目が10万円になります。

1回目の申請は、医療機関で妊娠が確認された後から、住民票のある市区町村で行います。2回目の届出は出産予定日の8週間前の日から受け付けられます。給付は保健師などとの面談とセットで行われ、妊娠・出産の不安もその場で相談できます。流産・死産などの場合も支給の対象です。自治体によっては、現金ではなくクーポンなどでの給付を選べます。

出産のときには、加入している健康保険から出産育児一時金が支給されます。お子さん1人につき原則50万円で、2023年4月にそれまでの原則42万円から引き上げられました。「直接支払制度」を使えば、保険者から病院に直接支払われるため、窓口では出産費用から一時金を差し引いた残りだけを払います。直接支払制度を使えるかどうかは施設によって違うので、出産する施設に確認してください。

0〜2歳:育休の給付と、児童手当の申請

子どもが生まれたら、出生の日の翌日から15日以内に、現住所の市区町村へ児童手当の認定請求書を出します。児童手当は原則として申請した月の翌月分からの支給で、申請が遅れると、遅れた月の分は受け取れません。里帰り出産で実家にいる間も、申請先は現住所の市区町村です。公務員の場合は勤務先に申請します。

雇用保険に入っている人が育児休業を取ると、ハローワークから育児休業給付金が支給されます。支給額は休業開始時の賃金の67%で、育休開始から181日目以降は50%です。たとえば休業前の賃金が月30万円なら、180日目までは月20万1,000円、181日目以降は月15万円が目安です(支給には上限額があります)。原則は子が1歳になるまでで、保育所に入れないなどの事情があれば1歳6か月、さらに2歳まで延長されます。

初回の申請期限は、育児休業開始日から4か月を経過する日の属する月の末日までです。申請は原則として勤め先(事業主)を通じて行います。育休の「申出」を会社にする時期と、給付金の「申請」の期限は別のものです。

2025年4月からは、給付が2つ加わりました。1つは「出生後休業支援給付金」です。子の出生直後の一定期間に、両親ともに14日以上の育児休業を取ると、最大28日間、賃金の13%が上乗せされます。67%と合わせて給付率は80%になり、手取りでは10割相当になります。配偶者が無業者や自営業者・フリーランスの場合、母親が産後休業中の場合などは、配偶者の育休がなくても対象になります。もう1つは「育児時短就業給付金」で、2歳未満の子を育てるために時短勤務をしたとき、時短中の賃金の原則10%が支給されます。

自営業やフリーランスなど国民年金の第1号被保険者には、2026年10月分から、育児期間中の国民年金保険料の免除措置が始まりました。

0〜2歳の保育料は、住民税非課税世帯であれば、保育所や認定こども園などの利用料が無料になります。保育所などに通っていない0歳6か月から満3歳未満の子は、2026年度から全国で始まった「こども誰でも通園制度」を使えます。親の就労要件を問わず、子ども1人あたり月10時間を上限に、時間単位で園を利用できる制度です。

このほか、一時預かり、病児保育、ファミリー・サポート・センター、産後ケアといった事業は、市区町村が実施しています。対象年齢や料金、利用できる日数は市区町村ごとに異なるため、母子手帳の交付や乳児健診のときに、使えるものを窓口で聞いておくと探す手間が省けます。

3〜5歳:幼児教育・保育の無償化

幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する3歳から5歳までの子は、所得にかかわらず利用料が無料です。これは2019年10月に始まった幼児教育・保育の無償化によるものです。

幼稚園の預かり保育は、市町村から、保育が必要な事情(就労など)があるという認定を受けると、月額1.13万円までの範囲で利用料が無償になります。認可外保育施設を使う場合も、同じ認定を受ければ、3〜5歳は月額3.7万円まで無料です。認可外の枠には一時預かりや病児保育、ファミリー・サポート・センターも含まれます。

小学生・中学生:児童手当と給食費

児童手当の月額は、3歳未満が1万5,000円、3歳以上高校生年代までが1万円です。第3子以降は年齢にかかわらず月3万円になります。支給は偶数月の年6回で、それぞれの前月分までの2か月分がまとめて振り込まれます。

「第3子以降」の数え方は、高校生年代までの子だけではありません。22歳の年度末までの上の子で、親が経済的に負担している子も数えます。たとえば大学生の長子、高校生の第2子、小学生の第3子がいれば、第3子には月3万円が支給されます。この場合、長子について「監護相当・生計費の負担についての確認書」の提出が必要です。

公立小学校の給食費は、2026年4月から国が自治体を支援する「学校給食費の抜本的な負担軽減」が始まりました。国の基準額は児童1人あたり月5,200円で、保護者の手続きは原則不要です。食材費が基準額を上回る自治体では、保護者の負担が残る場合があります。国立・私立の小学校は対象外です。

子どもの医療費助成は、対象年齢も自己負担の有無も自治体ごとに異なります。引っ越しを考えるときは、転居先の制度を確かめておくと見通しが立てやすくなります。

高校生・大学生:授業料の支援と児童手当

児童手当は、18歳に達した日以後の最初の3月31日まで、つまり高校卒業の年度末まで支給されます。高校に通っているかどうかは問いません。

高校の授業料には、高等学校等就学支援金があります。2026年4月の法改正で所得制限が撤廃され、世帯年収にかかわらず支援を受けられるようになりました。支給限度額は国公私立の別や学校種別で異なり、高校の場合は公立で年11万8,800円、私立の全日制で年45万7,200円です。申請手続きが必要なので、入学後に学校から届く案内に従って申請します。日本国籍以外の生徒には国籍・在留資格などの要件があります。

授業料以外の教科書費や教材費には、返還不要の「高校生等奨学給付金」があります。申し込み先は都道府県または学校で、手続きの時期は都道府県ごとに異なります。

大学や専門学校では、「高等教育の修学支援新制度」で授業料・入学金の減免と給付型奨学金を受けられます。2025年度からは、扶養する子どもが3人以上いる多子世帯の学生について、所得制限なく、国が定める一定額まで授業料・入学金が減免されています。

祖父母からの教育費の援助

祖父母から孫への教育資金の一括贈与について、1,500万円までの贈与税を非課税にする特例は、2026年3月31日で終わりました。適用期限が延長されなかったため、2026年4月1日以後は新しくこの特例を使えません。3月31日までに特例の適用を受けて金融機関に預けた資金については、引き続き特例が適用されます。

特例がなくなった後も、祖父母や親などの扶養義務者が、教育費として必要な都度、学費や教材費などに直接充てるために渡したお金には、贈与税がかかりません。一方で、教育費の名目で受け取っても、それを預金したり株式の購入に充てたりすると贈与税の対象になります。まとめて渡すか、必要なときに支払うかで扱いが変わります。

高校の就学支援金と、授業料以外にかかる費用の内訳は、次の記事で詳しく整理しています。

こども誰でも通園制度の対象や使い方は、こちらの記事で扱っています。

出典

よくある質問

年収が高く、以前は児童手当をもらえなかった家庭も対象になりますか?
対象になります。2024年10月分から所得制限が撤廃されました。以前に所得上限を超えて児童手当も特例給付も受けていなかった場合は、改めて市区町村への申請が必要です。
育児休業給付金は、休業に入る前に申請するのですか?
いいえ。初回の申請期限は、育児休業開始日から4か月を経過する日の属する月の末日までです。申請は原則として勤め先を通じてハローワークに行います。
高校の就学支援金は、何もしなくても受けられますか?
申請手続きが必要です。所得制限はなくなりましたが、学校からの案内に従って申請しないと支援を受けられません。
教育資金の一括贈与の非課税は、もう使えないのですか?
2026年4月1日以後は新たに適用を受けられません。2026年3月31日までに特例の適用を受けた資金は、引き続き特例の対象です。教育費を必要な都度、直接支払うために渡すお金は、もともと贈与税がかかりません。
子どもの医療費は何歳まで無料ですか?
国の一律の制度ではなく、市区町村ごとに対象年齢や自己負担が異なります。お住まいの市区町村のホームページか窓口で確認してください。
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この記事を書いた人

memStock編集部

memStock編集部は、家族の豊かな暮らしと家計管理を応援する記事制作チームです。ライフハック・節約・投資・保険など、日常生活とお金に関する実用的な情報を、確かな専門知識と多様な視点から分析・提供しています。読者の皆様が抱える日々の悩みや将来への不安を解消し、ワンランク上の生活を実現するためのヒントが詰まった記事をお届けします。 「家族の暮らしをより豊かに」をモットーに、わかりやすく実践的なコンテンツで皆様の人生設計をサポートします。

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この記事を監修した人

山田 尚貴

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業後、NTTPCコミュニケーションズでシステムエンジニアとして金融機関等のシステム運用などに携わる。2009年、株式会社エニドアを創業し代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスの開発・提供を行う。M&Aにより会社を売却後、上場企業のグループ会社の経営を6年行った後、株式会社modoを創業し代表取締役に就任。家族向けのサービスmemStockの開発を行う。 二級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種を保有。2児の父。

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