家族で推し活、お金とトラブルの決め方

介護・親memStock編集部(更新: 2026年10月22日)
家族で推し活、お金とトラブルの決め方

子どもが好きなグループのライブに親も一緒に行くことになった。チケット代は誰が出すのか、グッズはいくつまで買うのか、家族で話がまとまらないことがあります。

家族で推し活をするなら、先に年間の予算枠と「誰のお金から払うか」を決め、チケットは公式の販売サイトで買う、という2つのルールでトラブルの多くを避けられます。国民生活センターには、転売チケットや子どものオンラインゲーム課金をめぐる相談が寄せられ続けています。以下は2026年10月時点で、消費者庁・国民生活センター・法令などの公的資料で確かめた内容です。

推し活にお金を使う人は若い世代ほど多い

推し活という言葉は、消費者庁の「令和4年版消費者白書」でも取り上げられています。白書は推し活を、有名人やアニメ、ゲーム等のキャラクターや鉄道等、応援する対象にお金を使う消費形態と説明しています。

白書が引く消費者意識基本調査では、「有名人やキャラクター等を応援する活動にお金を使う」に当てはまると答えた人は、10歳代後半で42.1%、20歳代で31.8%で、ほかの年齢層より高くなっていました。コンサートやファンイベントなど参加型のイベントにお金をかけている人の割合も、若者は全体より高いと報告されています。

中高生の子どもがいる家庭では、子どもが推し活にお金を使い始める時期と、親が子どもの支出を管理する時期が重なります。家族で一緒に楽しむ場合も、お金の出どころを分けて考えておくと、後でもめにくくなります。

家族の推し活は「年間の枠」と「誰が払うか」で決める

推し活の支出は、ライブのチケット、遠征の交通費や宿泊費、グッズ、配信サービスやゲーム内の課金など、時期も金額もばらつきます。月ごとではなく、年間でいくらまでと枠を決めておくと、ツアーが重なる年でも判断しやすくなります。

目安を考えるときは、家計全体の娯楽の支出と比べてみます。総務省の家計調査によると、2025年の二人以上の世帯の「教養娯楽」の支出は月平均32,125円でした。推し活の予算をこの中に収めるのか、別の費目を削って上乗せするのかを、家族で決めておきます。

子どものおこづかいとの線引きも決めておきます。金融広報中央委員会が2023年に高校1年生3,000人を対象に行い、現在は金融経済教育推進機構(J-FLEC)が掲載している「15歳のお金とくらしに関する知識・行動調査」では、おこづかいをもらっている人は89.5%で、平均は月4,787円でした。おこづかいの使い方に特に計画を持たない人が8割近くいる一方、「ものを買う前に、必要なものか、欲しいものか考える」人は74.8%でした。

予算を決める場に子どもを入れることにも意味があります。同じ調査で、保護者と仕事や家計について話す頻度別に金融リテラシーの設問の正答率(スコア)をみると、「週に1回以上話をする」が62.8%で、「ほとんどしない」の56.7%、「一度もしたことがない」の44.9%より高くなっていました。推し活の予算を話し合うことは、家計を話題にするきっかけにもなります。

支出の例 払う人の決め方の例
家族で行くライブのチケット・交通費 家族のレジャー費として家計から
子どもが自分で欲しいグッズ おこづかいやお年玉から
配信・ゲーム内の課金 金額の上限と承認の方法を先に決める
遠征や高額なグッズ 年間の枠から、家族で相談して決める

表は決め方の一例です。家庭の収入や子どもの年齢に合わせて、家族で話し合って決めてください。

チケットは公式の販売サイトで買う

ライブのチケットは、公式の販売サイトか、主催者が認めたリセール(再販売)の仕組みで手に入れます。2019年6月14日に施行されたチケット不正転売禁止法(特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律)は、対象のチケットの不正転売と、不正転売を目的とした譲り受けを禁止しています。

対象になる「特定興行入場券」は、主催者が同意のない有償譲渡を禁止すると明示して券面などに表示し、公演の日時・場所と座席や入場資格者が指定され、購入者の氏名や連絡先を確認する措置がとられたチケットです。そのチケットを、主催者の事前の同意なく、業として、販売価格を超える価格で売ることが不正転売にあたります。違反すると、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、あるいはその両方が科されます。

国民生活センターは2022年8月、転売チケットの購入トラブルが急増しているとして注意を呼びかけました。インターネットでのチケット転売に関する相談は、2021年4月の35件から2022年5月には204件に増えていました。検索結果の上部に出た転売仲介サイトの広告を公式サイトと思い込んだ例や、転売で買ったチケットでは入場できないと後から気づいた例、SNSで知り合った相手に代金を振り込んだ後に連絡が取れなくなった例が紹介されています。残り枚数や制限時間のカウントダウンで購入を急がされる表示も、問題点として挙げられました。

子どものゲーム課金と投げ銭に上限を決める

推し活の対象には、ゲームのキャラクターも含まれます。国民生活センターは、オンラインライブへの投げ銭(応援のための送金)による高額課金のトラブルもみられるとしています。同センターによると、契約者が小学生・中学生・高校生のオンラインゲームの相談は2022年度に4,024件あり、契約購入金額の平均は約33万円でした。オンラインゲーム全体の相談は2023年度8,473件、2024年度7,191件、2025年度6,234件です。

国民生活センターは保護者に、次のような対策を勧めています。

  • 保護者のスマートフォンで遊ばせるときは、保護者のアカウントからログオフする
  • 子ども専用のアカウントを作り、ペアレンタルコントロールで課金を承認制にする
  • キャリア決済の上限額を必要に応じて低くし、決済完了メールや明細を確認する
  • 子どもと一緒に課金の仕組みを確認し、課金のルールを決める

民法では、未成年者が保護者の同意なく結んだ契約は取り消せます。ただし、子どもが保護者のアカウントでログインしたスマートフォンで課金した場合は、保護者が決済したとみなされることもあります。先の15歳の調査では、オンラインゲームの課金トラブルなどに巻き込まれないよう日頃から気を付けている人が77.4%でした。

ゲームの課金の仕組みは、次の記事で詳しく扱っています。

グッズや写真にも気をつけたい

国民生活センターの情報誌「国民生活」2023年7月号は、推し活の特集の中で、転売チケットのほか、肖像権を侵害した自作グッズの販売、SNSへの誹謗中傷の書き込みや画像の無断掲載、オンラインライブへの投げ銭による高額課金などのトラブルがみられると紹介しています。

子どもが手作りのグッズをフリマアプリで売ったり、ライブ会場で撮った写真をSNSに載せたりする前に、家族でルールを確かめておくと安心です。困ったときは、消費者ホットラインで最寄りの消費生活センターに相談できます。

急かす表示や、つい買い足してしまう仕組みへの向き合い方は、次の記事も参考にしてください。

出典

よくある質問

行けなくなったチケットを知人に譲ってもよいですか
チケット不正転売禁止法が禁じているのは、主催者の同意なく、業として、販売価格を超える価格で売ることです。ただし、法律の対象になるチケットは、主催者が同意のない有償譲渡を禁止すると明示しています。譲る前に、主催者が用意しているリセールなどの方法を確かめてください。
子どもが無断でゲームに課金してしまいました。取り消せますか
民法では、未成年者が保護者の同意なく結んだ契約は取り消せます。ただし、保護者のアカウントで課金した場合は保護者の決済とみなされることがあります。消費者ホットラインで最寄りの消費生活センターに相談してください。
高校生のおこづかいはいくらくらいですか
2023年の調査では、高校1年生の89.5%がおこづかいをもらっていて、平均は月4,787円でした。推し活の費用をおこづかいでまかなうかどうかは、家族で決めておくとよいでしょう。
家族の推し活の予算はどう決めればよいですか
年間でいくらまでと枠を決め、家族のレジャー費として払うものと、子どものおこづかいから払うものを分けておく方法があります。2025年の家計調査では、二人以上の世帯の教養娯楽の支出は月平均32,125円でした。
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