不登校の自宅学習、出席扱いになる?

入園・入学・学校生活memStock編集部
不登校の自宅学習、出席扱いになる?

不登校の「出席扱い」とは、自宅でICTなどを使って学んだ日を、要件を満たせば在籍校の校長の判断で指導要録上の出席として数える扱いです。条件の枠は文部科学省が2019年10月の通知で示していますが、全国一律の判断基準はありません。2026年10月時点でも、認めるかどうかは学校ごとに決まります。

出席扱いとは何か、何が変わるのか

変わるのは指導要録の出欠の記録です。出席扱いにした日数は出席日数に入り、欠席日数からは除かれます。ただし出席扱いになったからといって、その学習に成績がつくとは限りません。

文部科学省が2026年4月に公開した学校・教育委員会向けの説明資料には、指導要録の記載例として「出席扱いとした日数は出席日数に計上し、欠席日数からは除く」とあります。この資料は3ページで、新しい通知ではありません。2019年の出席扱いの通知と、2024年の成績評価の通知を並べて整理したものです。

2019年10月25日の通知は、不登校の支援について「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、社会的自立を目指すとしています。

数の面では、令和6年度の国公私立小中学校の不登校児童生徒は353,970人で、過去最多でした(文部科学省、2025年10月公表)。この調査は年度間に30日以上欠席した子を数えています。30日は統計の線で、30日に届くまで相談を待つ必要はありません。高校入試の内申点にどう響くかは、今回確認した国の資料からは分かりませんでした。

出席扱いになる3つの場所

学校の外の学びの場には、自宅でのICT学習、フリースクールなどの民間施設、教育支援センターなどがあります(この3つの分け方は、今回確認した国の資料が示したものではありません)。このうち自宅のICT学習は国の要件を原文で確認でき、民間施設は自治体のガイドラインが手順を足している例がありました。

場所 主な要件・手続き(確認できた範囲) 判断者 成績への反映 根拠
自宅のICT学習 保護者と学校の連携、訪問等による対面指導、理解度を踏まえた計画的な学習プログラム、校長による状況把握など 校長 反映できるが、必ずではない 文科省 2019年10月の通知(別記2)の解説ページ
フリースクールなどの民間施設 太田市の例では、校長が施設見学をし、活動状況の情報提供を受ける 校長(太田市・静岡市の例) 2024年8月の成績評価の通知で別に扱う 自治体のガイドライン
教育支援センター 国の通知での要件は【未確認】 【未確認】 【未確認】 在籍校・教育委員会に確認

民間施設の扱いは自治体ごとに決め方が違います。群馬県太田市のガイドライン(2023年4月)は、校長が出席扱いを判断するときに施設見学を行い、活動状況の情報提供を受けるとしています。長崎県のガイドライン(2024年8月)には、保護者が学校長に出す「出席扱い」申請書の様式例が載っています。いずれも地域の運用で、全国共通の手順や様式ではありません。

教育支援センターに通った日をどの要件で判断するかは、在籍校に直接尋ねるのが確実です。

自宅のオンライン学習が出席扱いになる条件

教材を契約しただけでは足りず、学校との連携、対面指導、学習計画、校長の状況把握がそろったうえで校長が判断します。文部科学省の解説ページは、こうした要件を満たし、校長が有効と認めた場合に「指導要録上出席扱いとすること及びその成果を評価に反映することができる」としています。

要件は番号付きで並んでいます。そのうち保護者の側から見えやすいものを、原文に近い形で挙げます。

  • 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること
  • 訪問等による対面指導が適切に行われることを前提とすること
  • その子の学習の理解の程度を踏まえた計画的な学習プログラムであること
  • 校長が、対面指導や学習活動の状況を十分に把握していること

対面指導が前提に入っているので、画面越しの学習だけで完結させる形は想定されていないと読めます。校長の把握には、定期的な報告や連絡会などの方法が例に挙がっています。ほかの要件も同じページで確認できます。

教材の名前で出席扱いが決まるわけでもありません。同じ教材でも、その子の理解の程度に合った計画になっているか、学校がその様子をつかめているかで判断が分かれます。

自宅学習で最後に決めるのは校長

国は要件の枠を示していますが、全国一律の判断基準は示していません。自宅のICT学習の場合、個々の子について出席扱いにするかを決めるのは在籍校の校長です。

文部科学省は解説ページのQ&Aで「文部科学省から一律の基準を示すことはしていません」と書いています。子どもの状況も、学校や地域の実態も違うためです。静岡市の案内も、要件を満たせば「校長の判断により『出席扱い』とすることができます」という書き方でした。申請すれば必ず通る仕組みではなく、認められないこともあり得ます。

国の通知と学校のあいだに、自治体のガイドラインが入っている地域もあります。山梨県教育委員会は2024年9月、市町村教育委員会・学校と民間施設の連携を進めるために出席扱いのガイドラインを策定しました。住んでいる自治体に同じような文書があれば、相談の前に読んでおくと話が早くなります。

高校は義務教育段階のこの扱いとは別とみられますが、高校での要件の詳細は今回確認できていません。

学校と話し合うときの関係の作り方は、こちらの記事でまとめています。

学校に相談するときの進め方

最初の相談相手は、在籍校の担任か不登校支援の担当が考えられます。子どもの今の様子と、どこで何を学んでいるかを伝えるところから始めます。

持っていくものは、要件に沿って考えると決めやすくなります。学習の中身が分かる計画表、ここ数週間で学んだ記録、通っている施設があればその名前と活動内容。対面指導については、家庭訪問や面談をどのくらいの頻度でできそうかを家の都合と合わせて伝えます。

段階 誰が 何を
最初の相談 保護者→担任・不登校支援担当 子どもの様子、学んでいる場所と内容を伝える
計画づくり 保護者・学校 理解の程度に合った学習計画、対面指導の方法を相談する
判断 校長 学習と対面指導の状況を把握したうえで出席扱いを判断
続ける 保護者・学校 定期的な報告や連絡会で様子を共有する

自治体によっては申請書の様式があります。長崎県のように様式例を公開している地域もあるので、教育委員会のサイトで探してから学校に行くと、書く内容の見当がつきます。

「学校に行きたくない」と言われた最初の時期の対応は、こちらの記事にまとめています。

出席扱いと成績評価は別の仕組み

出席扱いは出欠の記録の話で、学習の成果を成績に入れるかどうかは別に判断されます。2024年8月29日、文部科学省は不登校の子が欠席中に行った学習の成果を成績に反映できることを省令と告示で明確にし、同じ日に施行しました。

仕組み 決めること 根拠 時点
出席扱い 出席日数に入れ、欠席日数から除くか 2019年10月25日の通知 2026年10月時点の枠組み
成績評価 欠席中の学習の成果を評価に反映するか 2024年8月29日の通知・省令改正 同日施行

自宅のICT学習についての解説ページも、出席扱いとした場合に「必ずその成果を評価に反映しなければならないわけではありません」としています。出席扱いになったから成績がつく、という順番ではありません。面談では、出欠の扱いと成績の扱いを分けて聞いておくと、あとで食い違いが起きにくくなります。

次の面談の前に、子どもがこの1週間に何を学んだかを紙1枚に書き出してみてください。担任とその紙を挟んで座れば、計画と対面指導の話から始められます。

下の子が来春小学校に入る家庭では、入学までの手続きの時期も重なります。

出典

すべて2026-10-16に確認。

よくある質問

校長の判断で欠席日数を少なくすることはできますか?
要件を満たし、校長が出席扱いと判断すれば、その日数は出席日数に入り欠席日数から除かれます。自宅のICT学習の場合は、学校との連携や対面指導、学習計画などが前提です。休んだ日をそのまま出席に変える仕組みではありません。
家でリモート授業やオンライン学習をすれば出席扱いになりますか?
家でオンライン学習をしても、自動的に出席扱いにはなりません。文部科学省の解説ページは、保護者と学校の連携、訪問等による対面指導、理解の程度を踏まえた計画的な学習などを要件に挙げ、そのうえで校長が判断するとしています。まず担任に、どんな学習をしているかを伝えてください。
小学校で続けているICT教材の自宅学習は、中学でも出席扱いになりますか?
自宅のICT学習の出席扱いは義務教育段階の扱いなので、中学校も対象です。ただし判断するのは進学先の中学校の校長なので、小学校での扱いがそのまま引き継がれるとは限りません。入学前後に中学校へ改めて相談しておきます。
市販の通信教材を使えば出席扱いになりますか?
市販の通信教材かどうか、教材の名前で決まるものではありません。その子の理解の程度に合った計画的な学習になっているか、学校が対面指導と学習の状況を把握できているかを見て、校長が判断します。
高校でも出席扱いの制度はありますか?
今回確認した国の出席扱いの資料は小中学校など義務教育段階のもので、高校の出席扱いの要件は確認できていません。在籍する高校に直接尋ねてください。

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