夜中の子どもの熱、何度なら受診する?

夜11時、寝ている子の額が熱く、体温計は思ったより高い数字を示しました。かかりつけの小児科はもう閉まっています。
子どもの熱で受診するかの目安は、何度あるかより全身の様子です。ぐったりしていないか、呼吸や顔色、水分とおしっこを見て、急いで受診する様子がないかを確かめます。生後3か月未満の赤ちゃんは別扱い。判断に迷ったら子ども医療電話相談で、小児科医師・看護師に相談できます。
受診を決めるのは体温ではなく全身の様子
見るのは元気があるか、呼吸、顔色、意識、水分と尿、そして月齢です。体温の高さだけでは、どれだけ重いかは判断できません。
医師監修の医療情報サイト、メディカルノートは「保護者は重症度を体温の高さで判断しがちですが、実はそうではありません」と書いています。熱が高いと不安になりますが、数字は判断の材料の一つにとどまります。
日本小児科学会のサイト「こどもの救急」は、厚生労働省研究班と日本小児科学会が監修し、生後1か月から6歳までの子が夜間・休日に受診するかを判断する手がかりを載せています。発熱のページで確かめる項目は「元気がなく、ぐったりしている」「呼吸があらく、苦しそう」「顔色・皮膚色が悪い」「ずっとうとうとしている」など。ページ名は「発熱(38℃以上)」ですが、その先で確かめるのは月齢や水分、尿も含めた子どもの様子でした。
平熱の違いもあります。保育所向けの国のガイドラインを引いた横浜市のページは「発熱時の体温は、あくまでもめやすであり、個々の平熱に応じて、個別に判断します」としています。園での扱いについての記述です。
今すぐ・朝まで待つ・様子を見る、の分かれ目
ぐったりしている、顔色が悪い、水分がとれないといった様子があれば、夜間・休日を問わず受診する目安になります。朝まで待つか様子を見るかで迷う夜は、こどもの救急で症状を選んで目安を確かめるか、子ども医療電話相談で相談します。
メディカルノートはこの3つを、夜間・休日を問わず受診する区分に挙げています。長野市の「熱が出たら」も、水分が取れない、おしっこの回数が少ないことを急いで受診する目安にしました。資料ごとの文言を並べると次のとおりです。
| 見るところ | 確かめる様子(資料の文言) | 出ている資料 |
|---|---|---|
| 元気 | 元気がなく、ぐったりしている | こどもの救急、メディカルノート |
| 呼吸 | 呼吸があらく、苦しそう | こどもの救急 |
| 顔色 | 顔色・皮膚色が悪い | こどもの救急、メディカルノート |
| 意識 | ずっとうとうとしている | こどもの救急 |
| 水分・尿 | 水分が取れない、おしっこの回数が少ない | 長野市、メディカルノート |
| 月齢 | 生後3か月未満の乳児が熱(38℃以上)を出した | 長野市、こどもの救急 |
この表に当てはまらない場合に朝まで待てるかは、資料からは判断できません。家だけで線を引かず、電話の向こうの小児科医師や看護師に今の様子を伝えて決めます。
生後3か月未満は別のルール
生後3か月未満の赤ちゃんでは、38℃以上の発熱が急いで受診する目安になります。長野市は2026年7月14日付のページで、「生後3か月未満の乳児が熱(38℃以上)を出した」場合を急いで受診する目安に挙げています。
こどもの救急の発熱ページも、生後3か月未満かどうかを確認項目に入れています。上の子のときに元気だったので朝まで様子を見た、という経験があっても、月齢の低い子に同じ判断は当てはめません。
もう一つ気をつけたいのが生後1か月未満です。こどもの救急の対象は生後1か月から6歳なので、それより小さい子はサイトの対象から外れます。この場合は子ども医療電話相談で、直接相談します。
生まれて間もない時期の感染症への備えとして、2026年度からは妊婦へのRSウイルスワクチンが予防接種法に基づく定期接種になりました。接種の時期と回数は、同じ回の記事で扱っています。
子ども医療電話相談・救急安心センター事業・救急車の使い分け
子どもの症状で受診を迷うなら子ども医療電話相談、急な病気やけがの相談なら住んでいる地域の救急安心センター事業、緊急性が高いときは救急車です。子ども医療電話相談は受付時間が都道府県で違い、救急安心センター事業は使える地域・対象年齢・受付時間が地域で違います。
子ども医療電話相談は、住んでいる都道府県の相談窓口につながる仕組みです。厚生労働省が2026年5月22日に更新した一覧では、茨城県・埼玉県・静岡県が平日も休日も24時間365日の対応でした。北海道と岩手県は平日・休日とも19時から翌朝8時まで。
救急安心センター事業は消防庁が案内する事業で、医師、看護師、救急救命士に相談できます。緊急性が高いときは救急車の要請につなぐ役割も持っています。ただし全国一律ではありません。2026年7月時点の消防庁の一覧では、群馬県・埼玉県・東京都などが全年齢を対象とする一方、青森県や岩手県などはおおむね15歳以上が対象で、15歳未満は子ども医療電話相談に案内しています。
| 窓口 | 相談できる相手・役割 | 受付時間の例 | 使える地域・対象 |
|---|---|---|---|
| 子ども医療電話相談 | 小児科医師・看護師。休日・夜間の子どもの症状や受診の相談 | 茨城・埼玉・静岡は24時間365日、北海道・岩手は19時〜翌朝8時(2026年5月時点) | 全国。都道府県の窓口につながる |
| 救急安心センター事業 | 医師・看護師・救急救命士。急な病気やけがの相談、緊急時は救急車の要請へ | 群馬は全日24時間(2026年7月時点)。地域で異なる | 実施地域のみ。群馬・埼玉・東京などは全年齢、青森・岩手などはおおむね15歳以上 |
住んでいる県の子ども医療電話相談の受付時間は、厚生労働省の一覧で確かめられます。時間は変わることがあるので、使う前に見直してください。
子どものインフルエンザ予防接種をいつ受けるかは、こちらで整理しています。
電話や受診で聞かれること
手元に用意するのは、子どもの様子を書いたメモです。こどもの救急が確かめている項目をメモしておくと、電話でも受診先でも答えやすくなります。
- 月齢または年齢と、熱に気づいた時刻
- 元気や機嫌、うとうとしていないか
- 呼吸の様子と顔色
- 最後に水分をとった時刻と量、最後のおしっこの時刻
- 測った体温と、測った時刻
体温も書きますが、ほかの項目と並ぶ材料の一つという扱いです。夜中に聞かれてから思い出すより、書いたものを読み上げるほうが落ち着いて伝えられます。電話で受診を勧められたら、そのメモを持って出かけます。
翌朝、熱が下がっていても
朝になって熱が下がっていても、見る項目は夜と同じです。ぐったりしている、水分がとれない、おしっこが少ないといった様子が続くなら、受診の目安にあたります。
夜に子ども医療電話相談で相談した、あるいは夜間に受診した場合は、その内容もメモに足しておきます。迷うなら、診療時間内にかかりつけの小児科へ電話し、受診するかを相談します。
子どもの看病で仕事を休むときのことは、こちらの記事で扱っています。
溶連菌や胃腸炎と診断されたあと、いつから登園できるかの目安は病気ごとに違います。同じ回の記事で並べて見られます。
今夜のうちに、上の受診の目安と、住んでいる都道府県の相談窓口の受付時間をスマートフォンのメモに残しておく。そうしておけば次に熱が出た夜、体温計の数字より先に子どもの顔色を見られます。
出典
すべて2026-10-15に確認。
- こどもの救急(ONLINE-QQ)(日本小児科学会・2026) https://kodomo-qq.jp/
- こどもの救急「発熱(38℃以上)」(日本小児科学会・2026) https://kodomo-qq.jp/index.php?pname=hatsunetsu
- 熱が出たら(長野市・2026-07-14) https://www.city.nagano.nagano.jp/n105500/kosodate/p001400.html
- 子どもの熱:医師が考える原因と対処法(メディカルノート・2020-06-04) https://medicalnote.jp/symptoms/%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AE%E7%86%B1
- 子ども医療電話相談の案内(厚生労働省・日付記載なし) https://kakarikata.mhlw.go.jp/kakaritsuke/8000.html
- 子ども医療電話相談事業実施状況(厚生労働省・2026-05-22) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/newpage_55223.html
- 救急安心センター事業ってナニ?(消防庁・2026年7月) https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/appropriate/appropriate007.html
- 保育・教育施設における感染症対策について(横浜市・2026) https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kosodate-kyoiku/hoiku-yoji/shisetsu/shisetsutaisaku/shitukoujou/kansen/20190329095234280.html
- RSウイルスワクチン(厚生労働省・2026) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/rs/index.html
よくある質問
- 子どもの熱、夜間でも病院に行く目安は?
- ぐったりしている、顔色が悪い、水分がとれないといった様子があれば、夜間・休日を問わず受診する目安です。生後3か月未満の赤ちゃんの38℃以上の発熱も、長野市は急いで受診する目安に挙げています。迷うときは子ども医療電話相談で相談できます。
- 熱が何度あったら夜間救急に行っていいですか?
- 夜間救急に行くかは、熱が何度あるかだけでは決められません。医師監修のメディカルノートは、体温の高さだけでは重症度を判断できないとしています。呼吸や顔色、水分、意識を見て、迷えば子ども医療電話相談で相談します。
- 救急車を呼ぶタイミングがわかりません
- 住んでいる地域に救急安心センター事業があれば相談でき、緊急性が高いときは救急車の要請につながります。地域によっては15歳未満が救急安心センター事業の対象外で、その場合は子ども医療電話相談が案内先です。緊急性が高いときは、迷わず救急車を呼びます。
- 小児科の受付が終わったあと、夜間に受診するか迷ったら?
- 夜間に受診するか迷ったら、子ども医療電話相談を使うと、住んでいる都道府県の窓口で小児科医師・看護師に相談できます。受付時間は都道府県で違い、2026年5月時点で24時間365日の県もあれば、19時から翌朝8時までの道県もあります。生後1か月から6歳なら、こどもの救急で症状から目安を確かめる方法もあります。
memStock編集部は、家族の豊かな暮らしと家計管理を応援する記事制作チームです。ライフハック・節約・投資・保険など、日常生活とお金に関する実用的な情報を、確かな専門知識と多様な視点から分析・提供しています。読者の皆様が抱える日々の悩みや将来への不安を解消し、ワンランク上の生活を実現するためのヒントが詰まった記事をお届けします。 「家族の暮らしをより豊かに」をモットーに、わかりやすく実践的なコンテンツで皆様の人生設計をサポートします。

