子どものインフルエンザ予防接種、1回目はいつまでに?

9月の半ば、学校から学級閉鎖のお知らせが届きました。インフルエンザの予防接種は毎年11月ごろに小児科で予約していたけれど、今年もそれで間に合うのか。上の子は中学生になり、下の子はまだ1歳です。
子どものインフルエンザ予防接種は、年齢によって回数も選べるワクチンも変わります。きょうだいがいれば、同じ日に全員を済ませられないこともあります。今年の流行状況と、厚生労働省や学会が示している目安をもとに、家族の分をどう組むかを整理しました。
今年のインフルエンザは、8月に流行が始まりました
厚生労働省は2026年8月28日、第34週(8月17日〜23日)の報告数が1医療機関あたり1.11となり、流行開始の目安の1.00を上回ったと発表しました。感染症法が施行された1999年以来、2009年に次いで二番目に早い流行入りです(前年から流行が続いていた2023年を除く)。昨年の流行入りは第39週(9月22日〜28日)でした。
9月18日発表時点の最新の数字では、第37週(9月7日〜13日)の報告数が1医療機関あたり5.54で、昨年同期は0.72でした。同じ週に休校・学年閉鎖・学級閉鎖があった施設は669で、昨年同期の120施設と比べて約5.6倍です。669施設のうち491は小学校でした。
数字は毎週更新され、第38週の分は9月29日に公表される予定です。流行が早くても、予防接種の回数や間隔のルールは例年と同じです。
13歳未満は2回、13歳からは1回です
注射のインフルエンザワクチンは、年齢で量と回数が決まっています。生後6か月から3歳未満は0.25mLを2回、3歳から13歳未満は0.5mLを2回です。13歳以上は0.5mLを1回が原則です。添付文書には、およそ1〜4週間の間隔で2回とする用法も書かれています。
13歳未満の2回の間隔は、添付文書で「およそ2〜4週間」とされています。あわせて、免疫効果を考えると4週間おくことが望ましい、とも書かれています。
数え方は学年ではなく年齢です。中学1年生でも誕生日の前なら12歳なので、2回になります。1回目を12歳で打ち、2回目までに13歳の誕生日を迎えた場合について、厚生労働省のQ&Aは「12歳として考えて2回目の接種を行っていただいて差し支えありません」としています。
ワクチンの効果を、厚生労働省は「発病の予防に加え、重症化を予防すること」と説明しています。打てばかからないというものではなく、6歳未満の子どもを対象にした2015/16シーズンの研究では、発病を防ぐ有効率は60%でした。
12月中旬に打ち終えるなら、1回目はいつになる?
厚生労働省は、インフルエンザが例年12月〜3月ごろに流行することから、12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいとしています。この目安と「2回目まで4週間あけるのが望ましい」を重ねて逆算すると、13歳未満の子の1回目は11月中旬ごろまでに受ける計算になります。間隔を2週間にするなら、12月の初めごろまでです。
これは2つの記述を組み合わせた編集部の計算で、厚生労働省が「1回目は11月中旬まで」と示しているわけではありません。医療機関の接種開始日や予約の埋まり方でも、段取りは変わります。今年はすでに流行が始まっているので、何月に打つかは子どもの予定と合わせて、かかりつけ医と相談して決めてください。
ワクチンの量は、2026/27シーズンで約5,190万回分が見込まれ、近年の平均使用量を上回ります。9月16日付の厚生労働省の通知では、9月第5週に約3,147万回分、10月第4週に約5,190万回分が出荷可能と見込まれています。ただし、それぞれの医療機関にいつ届くかは別の話で、予約の受付開始も医療機関ごとに違います。
日本ワクチン学会は2026年9月16日の見解で、2回の接種機会が得られない場合でも少なくとも1回は接種し、未接種のままシーズンを迎えないことを推奨しています。2026年に接種しなかった人には、2027年1月以降の接種も推奨しています。
鼻から入れるワクチンを選べる子、選べない子
注射のほかに、鼻にスプレーする経鼻ワクチン(フルミスト)があります。対象は2歳以上19歳未満で、0.2mLを左右の鼻に0.1mLずつ噴霧し、1シーズン1回で済みます。13歳未満の子でも回数は1回です。2歳未満の子には使いません。
日本小児科学会は、2歳から19歳未満には注射型と経鼻型を「同等に推奨」しています。予防効果についても、両者の間に明確な優位性は確認されていないとしています。
そのうえで、喘息のある子、授乳中の人、周囲に免疫不全の人がいる場合には、注射型を勧めています。経鼻ワクチンは弱めたウイルスを使うため、飛沫や接触で周りにうつる可能性があるからです。添付文書では、接種後1〜2週間は重度の免疫不全の人との密接な関係をできるだけ避けるよう、本人や保護者に説明することになっています。治療で免疫が大きく下がっている祖父母と同居している家庭では、この点が選び方に関わってきます。
生後6か月から2歳未満の子、19歳以上の人、妊婦などには、注射型のみが推奨されています。19歳以上の親は経鼻の対象になりません。経鼻ワクチンを今季いつから打てるかは、医療機関によって違います。
小児科学会の2026/27シーズン版の指針は9月21日時点で公表されておらず、ここで紹介した推奨は2025/26シーズン版によります。どちらにするかは、子どもの体調や家族の事情を伝えたうえで、かかりつけ医と決めることになります。
費用と助成は、住んでいる市区町村で変わります
子どものインフルエンザ予防接種は定期接種ではなく、希望する人が受ける任意接種です。健康保険は使えず、原則として全額自己負担で、費用は医療機関によって異なります。そのかわり、市区町村が独自に助成していることがあります。
令和8年度の東京都内の例では、品川区が9月24日から翌年1月31日まで、注射1回2,000円(12歳以下は2回まで)、経鼻1回4,000円(2歳以上18歳以下)を助成します。江東区は9月16日から、八王子市は9月18日から助成を始め、どちらも予定していた10月1日から前倒ししました。八王子市は、市内の指定医療機関で受ければ助成額を差し引いた額を窓口で払い、市外の医療機関は原則として対象外です。
同じ都内でも、対象の上限年齢、経鼻が対象かどうか、窓口で差し引かれるか後から申請するか、ほかの市区町村の医療機関で受けてよいかが違います。江東区のように、予診票が必要な自治体もあります。住んでいる自治体名と「子ども インフルエンザ 助成」で検索すると案内ページが見つかるので、予約の前に一度開いておくと二度手間を減らせます。
家族の分を、まとめて決めておく
たとえば中学1年生(誕生日前で12歳)、小学3年生、1歳の3人きょうだいがいる家庭なら、組み合わせはこうなります。
- 中学1年生:注射なら2回、経鼻なら1回
- 小学3年生:注射なら2回、経鼻なら1回
- 1歳:注射のみで、0.25mLを2回
- 親:注射で1回ずつ
子ども3人が全員注射なら接種は延べ6回、上の2人を経鼻にすると延べ4回です。ただ、家族に喘息の子や免疫不全の人がいれば、選べる組み合わせは変わります。どの組み合わせでも、2回打つ子の2回目を12月中旬までに収めようとすると、そこから1回目の週が決まります。
予約は電話やWebで取れても、平日の夕方に誰が連れて行くかは、家の中でしか決まりません。家族間のコミュニケーションをテーマにしたサービスを開発していると、日付が決まっても、誰が連れて行くかが決まらないと予定は動かない、と感じる場面が多くあります。子どもの年齢と自治体の助成ページを並べて、1回目の週だけでも家族で決めておくと、11月に予約の電話をかけるときの迷いがひとつ減ります。
この記事は2026年9月21日時点の公表資料によります。流行状況は毎週更新されます。接種の時期やワクチンの種類は、かかりつけ医に相談して決めてください。
出典
- 厚生労働省 報道発表「インフルエンザの発生状況について」(2026年8月28日・第34週)(2026年9月21日確認)
- 厚生労働省 報道発表「インフルエンザの発生状況について」(2026年9月18日・第37週)(2026年9月21日確認)
- 厚生労働省 インフルエンザ報道発表一覧(2026/2027シーズン)(2026年9月21日確認)
- 厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)」(Q&A 2025年12月19日版/2026年9月21日確認)
- 厚生労働省 第40回 研究開発及び生産・流通部会 資料1(2026年8月26日)(2026年9月21日確認)
- 厚生労働省 通知「季節性インフルエンザワクチン及び新型コロナワクチンの供給等について」(2026年9月16日)(2026年9月21日確認)
- 添付文書 インフルエンザHAワクチン「生研」(2026年7月改訂 第10版)(2026年9月21日確認)
- 添付文書 フルミスト点鼻液(2026年8月改訂 第6版)(2026年9月21日確認)
- 日本小児科学会「2025/26シーズンのインフルエンザ治療・予防指針」(2025年10月22日)(2026年9月21日確認)
- 日本小児科学会「経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方」(2024年9月2日)(2026年9月21日確認)
- 日本ワクチン学会「2026-27期の季節性インフルエンザワクチンの接種に関する日本ワクチン学会の見解」(2026年9月16日)(2026年9月21日確認)
- 品川区 こどものインフルエンザ予防接種任意接種費用の一部助成(令和8年度)(令和8年9月7日更新/2026年9月21日確認)
- 江東区 令和8年度こどもインフルエンザ予防接種助成(2026年9月17日更新/2026年9月21日確認)
- 八王子市 インフルエンザ予防接種費用助成制度(生後6か月〜12歳・令和8年度)(令和8年9月15日更新/2026年9月21日確認)
よくある質問
- 中学生になったら、予防接種は1回でいいですか?
- 回数は学年ではなく年齢で決まり、13歳以上は1回が原則です。中学1年生でも誕生日の前なら12歳なので、2回になります。1回目を12歳で打ち、2回目の時点で13歳になっていても、12歳として2回目を打って差し支えないと厚生労働省のQ&Aにあります。自治体の助成は「中学3年生まで」のように学年で区切っている場合もあるので、あわせて確認してください。
- 鼻から入れるワクチンのほうが効きますか?
- 日本小児科学会は、注射型と経鼻型の予防効果に明確な優位性は確認されていないとしています。そのうえで、2歳から19歳未満には両方を同等に推奨し、喘息のある子や、周囲に免疫不全の人がいる場合などには注射型を勧めています。どちらにするかは、かかりつけ医と相談して決めてください。
- 年内に2回打てなかったら、どうすればいいですか?
- 日本ワクチン学会は、2回の接種機会が得られない場合でも少なくとも1回は接種し、未接種のままシーズンを迎えないことを推奨しています。2026年に接種しなかった人には、2027年1月以降の接種も推奨しています。具体的な日程は、かかりつけ医に相談してください。
- ワクチンは足りていますか?
- 厚生労働省によると、2026/27シーズンの供給量は約5,190万回分の見込みで、近年の平均使用量を上回ります。10月第4週の時点で約5,190万回分が出荷可能と見込まれています。ただし医療機関ごとの入荷時期や予約の受付開始は、それぞれ違います。
- 予防接種について、どこに相談できますか?
- どちらのワクチンにするか、いつ打つかは、かかりつけの小児科に相談できます。一般的な質問は、厚生労働省の「感染症・予防接種相談窓口」(0120-995-956、午前9時〜午後5時、土日祝日・年末年始を除く)でも受け付けています。
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