子どものインフルエンザ予防接種はいつまで?1歳は2回、12月中旬までに

10月に入って、学校からまた学級閉鎖のお知らせが届きました。インフルエンザの予防接種は毎年11月ごろに小児科で予約していたけれど、今年もそれで間に合うのか。上の子は中学生になり、下の子はまだ1歳です。
先に答えを書くと、厚生労働省は12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいとしています。13歳未満の子は2回打つので、2回目まで4週間あけるなら1回目は11月中旬ごろ、2週間なら12月の初めごろまでに受ける計算です。1歳の子も同じで、量は0.25mLを2回です。
ただ、今年は流行が早く、1歳はMRなど定期接種の時期とも重なります。年齢ごとの回数、1歳の子の段取り、家族の分のまとめ方を、厚生労働省や学会の資料をもとに整理しました。
今年のインフルエンザは、8月に流行が始まりました
厚生労働省は2026年8月28日、第34週(8月17日〜23日)の報告数が1医療機関あたり1.11となり、流行開始の目安の1.00を上回ったと発表しました。感染症法が施行された1999年以来、2009年に次いで二番目に早い流行入りです(前年から流行が続いていた2023年を除く)。昨年の流行入りは第39週(9月22日〜28日)でした。
その後の報告数は、第38週(9月14日〜20日)が8.48、第39週(9月21日〜27日)が7.17でした。10月9日発表時点の最新の数字では、第40週(9月28日〜10月4日)が1医療機関あたり11.35で、昨年同期は1.56です。
第40週に休校・学年閉鎖・学級閉鎖があった施設は937で、昨年同期の209施設の約4.5倍でした。937施設のうち616は小学校、36は幼稚園、15は保育所です。第41週の分は10月16日に公表される予定です。流行が早くても、予防接種の回数や間隔のルールは例年と同じです。
1回目はいつまでに?回数と間隔から逆算します
注射のインフルエンザワクチンは、年齢で量と回数が決まっています。生後6か月から3歳未満は0.25mLを2回、3歳から13歳未満は0.5mLを2回です。13歳以上は0.5mLを1回が原則で、添付文書には、およそ1〜4週間の間隔で2回とする用法も書かれています。
13歳未満の2回の間隔は、添付文書で「およそ2〜4週間」とされています。あわせて、免疫効果を考えると4週間おくことが望ましい、とも書かれています。
数え方は学年ではなく年齢です。中学1年生でも誕生日の前なら12歳なので、2回になります。1回目を12歳で打ち、2回目までに13歳の誕生日を迎えた場合について、厚生労働省のQ&Aは「12歳として考えて2回目の接種を行っていただいて差し支えありません」としています。
厚生労働省は、例年12月〜3月ごろに流行し、1月末〜3月上旬にピークを迎えることから、12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいとしています。この目安と「4週間あけるのが望ましい」を重ねると、13歳未満の子の1回目は11月中旬ごろまでに受ける計算になります。間隔を2週間にするなら、12月の初めごろまでです。
これは2つの記述を組み合わせた編集部の計算で、厚生労働省が「1回目は11月中旬まで」と示しているわけではありません。医療機関の接種開始日や予約の埋まり方でも、段取りは変わります。今年はすでに流行が始まっているので、何月に打つかは子どもの予定と合わせて、かかりつけ医と相談して決めてください。
ワクチンの量は、2026/27シーズンで約5,190万回分が見込まれ、近年の平均使用量を上回ります。9月16日付の厚生労働省の通知では、9月第5週に約3,147万回分、10月第4週に約5,190万回分が出荷可能と見込まれています。それぞれの医療機関にいつ届くか、予約をいつから受け付けるかは、医療機関ごとに違います。
日本ワクチン学会は2026年9月16日の見解で、2回の接種機会が得られない場合でも少なくとも1回は接種し、未接種のままシーズンを迎えないことを推奨しています。2026年に接種しなかった人には、2027年1月以降の接種も推奨しています。
1歳の子のインフルエンザ予防接種
いつから受けられる?
注射のワクチンは生後6か月から受けられます。1歳の子はすでに対象です。鼻にスプレーする経鼻ワクチンは2歳以上が対象なので、1歳の子は注射になります。
何回、どれくらいの量?
生後6か月から3歳未満は、0.25mLを2回です。3歳以上の子の半分の量で、間隔は「およそ2〜4週間」、4週間が望ましいとされている点はきょうだいと同じです。
いつまでに打つ?
12月中旬までに2回目を終えるなら、4週間あけて1回目は11月中旬ごろ、2週間なら12月の初めごろまでです(編集部の計算)。1歳の子は次の項目のとおり定期接種の予定も入りやすいので、1回目の日付は小児科で定期接種の残りと一緒に相談すると決めやすくなります。
厚生労働省のQ&Aによると、乳幼児の発病を防ぐ効果は報告によって幅があり、おおむね20〜60%です。打てばかからないというものではなく、乳幼児の重症化を防ぐ効果を示唆する報告もある、と書かれています。
費用はどれくらい?
子どものインフルエンザ予防接種は、希望する人が受ける任意接種です。健康保険は使えず、原則として全額自己負担で、費用は医療機関によって異なります。1歳の子は2回分かかります。市区町村が独自に助成していることがあり、たとえば東京都の品川区・江東区・八王子市は、令和8年度に生後6か月からの子を対象に注射1回2,000円を2回まで助成しています。
MRなどの定期接種と重なったら?
1歳は、定期接種が集中する時期です。厚生労働省の案内では、MR(麻しん・風しん)と水痘は1歳から、5種混合(ヒブを含む)と小児用肺炎球菌は1歳ごろに追加の接種を行います。日本小児科学会のスケジュール(2026年4月1日版)では、MRの1回目は1歳以上2歳未満、肺炎球菌の4回目は1歳から1歳3か月です。
異なるワクチンの間隔は、2020年10月から厚生労働省のルールが変わりました。日数をあける必要があるのは、MRや水痘のような注射の生ワクチンどうし(27日以上)だけです。インフルエンザの注射ワクチンは不活化ワクチンなので、MRの翌日でも、前のワクチンからの日数にかかわらず受けられます。インフルエンザワクチンの添付文書にも、医師が必要と認めた場合には他のワクチンと同時に接種できると書かれています。
日本小児科学会は、同時接種を子どもを病気から守るために必要な医療行為として推奨しています。そのうえで厚生労働省は、ルール上は接種できる時期でも、発熱や接種した場所の腫れがないこと、体調が良いことを確かめ、かかりつけ医に相談して受けるよう求めています。定期接種にはワクチンごとに受けられる年齢が決まっているので、インフルエンザの予約を入れる前に、母子健康手帳で定期接種の残りを確かめておくと組み立てやすくなります。
鼻から入れるワクチンを選べる子、選べない子
注射のほかに、鼻にスプレーする経鼻ワクチン(フルミスト)があります。対象は2歳以上19歳未満で、0.2mLを左右の鼻に0.1mLずつ噴霧し、1シーズン1回で済みます。13歳未満の子でも回数は1回です。2歳未満の子には使いません。
日本小児科学会は、2歳から19歳未満には注射型と経鼻型を「同等に推奨」しています。予防効果についても、両者の間に明確な優位性は確認されていないとしています。
そのうえで、喘息のある子、授乳中の人、周囲に免疫不全の人がいる場合には、注射型を勧めています。経鼻ワクチンは弱めたウイルスを使うため、飛沫や接触で周りにうつる可能性があるからです。添付文書では、接種後1〜2週間は重度の免疫不全の人との密接な関係をできるだけ避けるよう、本人や保護者に説明することになっています。治療で免疫が大きく下がっている祖父母と同居している家庭では、この点が選び方に関わってきます。
生後6か月から2歳未満の子、19歳以上の人、妊婦などには、注射型のみが推奨されています。19歳以上の親は経鼻の対象になりません。小児科学会の2026/27シーズン版の指針は10月11日時点で公表されておらず、ここで紹介した推奨は2025/26シーズン版によります。どちらにするかは、子どもの体調や家族の事情を伝えたうえで、かかりつけ医と決めることになります。
費用と助成は、住んでいる市区町村で変わります
令和8年度の東京都内の例では、品川区が9月24日から翌年1月31日まで、注射1回2,000円(12歳以下は2回まで)、経鼻1回4,000円(2歳以上18歳以下)を助成します。江東区は9月16日から、八王子市は9月18日から助成を始め、どちらも予定していた10月1日から前倒ししました。八王子市は、市内の指定医療機関で受ければ助成額を差し引いた額を窓口で払い、市外の医療機関は原則として対象外です。
同じ都内でも、対象の上限年齢、経鼻が対象かどうか、窓口で差し引かれるか後から申請するか、ほかの市区町村の医療機関で受けてよいかが違います。江東区のように、予診票を使わずに受けると助成の対象外になる自治体もあります。住んでいる自治体名と「子ども インフルエンザ 助成」で検索すると案内ページが見つかるので、予約の前に一度開いておくと二度手間を減らせます。
家族の分を、まとめて決めておく
たとえば中学1年生(誕生日前で12歳)、小学3年生、1歳の3人きょうだいがいる家庭なら、組み合わせはこうなります。
- 中学1年生:注射なら2回、経鼻なら1回
- 小学3年生:注射なら2回、経鼻なら1回
- 1歳:注射のみで、0.25mLを2回。定期接種の残りと日程を合わせる
- 親:注射で1回ずつ
子ども3人が全員注射なら接種は延べ6回、上の2人を経鼻にすると延べ4回です。家族に喘息の子や免疫不全の人がいれば、選べる組み合わせは変わります。どの組み合わせでも、2回打つ子の2回目を12月中旬までに収めようとすると、そこから1回目の週が決まります。
予約は電話やWebで取れても、平日の夕方に誰が連れて行くかは、家の中でしか決まりません。家族間のコミュニケーションをテーマにしたサービスを開発していると、日付が決まっても、誰が連れて行くかが決まらないと予定は動かない、と感じる場面が多くあります。子どもの年齢と母子健康手帳、自治体の助成ページを並べて、1回目の週だけでも家族で決めておくと、予約の電話をかけるときの迷いがひとつ減ります。
この記事は2026年10月11日時点の公表資料によります。流行状況は毎週更新されます。接種の時期やワクチンの種類、ほかのワクチンとの組み合わせは、かかりつけ医に相談して決めてください。
出典
- 厚生労働省 報道発表「インフルエンザの発生状況について」(2026年8月28日・第34週)(2026年10月11日確認)
- 厚生労働省 報道発表「インフルエンザの発生状況について」(2026年9月29日・第38週)(2026年10月11日確認)
- 厚生労働省 報道発表「インフルエンザの発生状況について」(2026年10月2日・第39週)(2026年10月11日確認)
- 厚生労働省 報道発表「インフルエンザの発生状況について」(2026年10月9日・第40週)(2026年10月11日確認)
- 厚生労働省 インフルエンザ報道発表一覧(2026/2027シーズン)(2026年10月11日確認)
- 厚生労働省「令和8年度冬季 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」(令和8年9月30日版/2026年10月11日確認)
- 厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)」(Q&A 2025年12月19日版/2026年10月11日確認)
- 厚生労働省「1歳頃から推奨される予防接種」(2026年10月11日確認)
- 厚生労働省「ワクチンの接種間隔の規定変更に関するお知らせ」(2020年10月1日施行/2026年10月11日確認)
- 厚生労働省 リーフレット「異なる種類のワクチンを接種する際の接種間隔のルールが一部変更されます」(2026年10月11日確認)
- 厚生労働省 第40回 研究開発及び生産・流通部会 資料1(2026年8月26日)(2026年9月21日確認)
- 厚生労働省 通知「季節性インフルエンザワクチン及び新型コロナワクチンの供給等について」(2026年9月16日)(2026年10月11日確認)
- 添付文書 インフルエンザHAワクチン「生研」(2026年7月改訂 第10版)(2026年10月11日確認)
- 添付文書 フルミスト点鼻液(2026年8月改訂 第6版)(2026年10月11日確認)
- 日本小児科学会「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール」(2026年4月1日版)(2026年10月11日確認)
- 日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会「ワクチン接種後の接種間隔の規定変更に関する考え方」(2020年12月10日)(2026年10月11日確認)
- 日本小児科学会「2025/26シーズンのインフルエンザ治療・予防指針」(2025年10月22日)(2026年9月21日確認。2026/27版が未公表であることを2026年10月11日に再確認)
- 日本小児科学会「経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方」(2024年9月2日)(2026年9月21日確認)
- 日本ワクチン学会「2026-27期の季節性インフルエンザワクチンの接種に関する日本ワクチン学会の見解」(2026年9月16日)(2026年10月11日確認)
- 品川区 こどものインフルエンザ予防接種任意接種費用の一部助成(令和8年度)(令和8年9月7日更新/2026年10月11日確認)
- 江東区 令和8年度こどもインフルエンザ予防接種助成(2026年9月28日更新/2026年10月11日確認)
- 八王子市 インフルエンザ予防接種費用助成制度(生後6か月〜12歳・令和8年度)(令和8年9月15日更新/2026年10月11日確認)
よくある質問
- 1歳の子のインフルエンザ予防接種は、いつまでに打てばいいですか?
- 厚生労働省は、12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいとしています。1歳の子は0.25mLを2回で、間隔は4週間が望ましいとされているため、1回目は11月中旬ごろまでに受ける計算です(編集部の計算)。2回の機会がとれない場合でも少なくとも1回は接種するよう、日本ワクチン学会が推奨しています。具体的な日程はかかりつけ医と相談してください。
- MRワクチンとインフルエンザワクチンは、同じ日や近い日に打てますか?
- 厚生労働省のルールでは、27日以上あける必要があるのは注射の生ワクチンどうし(MRと水痘など)だけです。インフルエンザの注射ワクチンは不活化ワクチンなので、MRとの間隔に日数の制限はなく、添付文書にも、医師が必要と認めた場合は同時に接種できると書かれています。当日の体調を確かめたうえで、同じ日にするか別の日にするかは、かかりつけ医と決めてください。
- 中学生になったら、予防接種は1回でいいですか?
- 回数は学年ではなく年齢で決まり、13歳以上は1回が原則です。中学1年生でも誕生日の前なら12歳なので、2回になります。1回目を12歳で打ち、2回目の時点で13歳になっていても、12歳として2回目を打って差し支えないと厚生労働省のQ&Aにあります。自治体の助成は「高校3年生相当まで」のように学年で区切っている場合もあるので、あわせて確認してください。
- 鼻から入れるワクチンと注射で、効果に差はありますか?
- 日本小児科学会は、注射型と経鼻型の予防効果に明確な優位性は確認されていないとしています。そのうえで、2歳から19歳未満には両方を同等に推奨し、喘息のある子や、周囲に免疫不全の人がいる場合などには注射型を勧めています。1歳の子は経鼻の対象外です。どちらにするかは、かかりつけ医と相談して決めてください。
- 年内に2回打てなかったら、どうすればいいですか?
- 日本ワクチン学会は、2回の接種機会が得られない場合でも少なくとも1回は接種し、未接種のままシーズンを迎えないことを推奨しています。2026年に接種しなかった人には、2027年1月以降の接種も推奨しています。具体的な日程は、かかりつけ医に相談してください。
- 予防接種について、どこに相談できますか?
- どちらのワクチンにするか、いつ打つか、定期接種とどう組み合わせるかは、かかりつけの小児科に相談できます。一般的な質問は、厚生労働省の「感染症・予防接種相談窓口」(0120-995-956、午前9時〜午後5時、土日祝日・年末年始を除く)でも受け付けています。
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