妊娠届から1歳まで、もらえるお金は何?

妊娠・出産・育休memStock編集部
妊娠届から1歳まで、もらえるお金は何?

妊娠・出産でもらえるお金は2026年10月時点の国の制度で、妊娠届から子が1歳になるまでに5つあります。働き方に関係なく対象になる「妊婦のための支援給付」「出産育児一時金」「児童手当」と、健康保険の被保険者が給与を受けずに休んだ場合の「出産手当金」、雇用保険に入っている人の「育児休業給付(出生後休業支援給付金を含む)」です。出すところは市区町村、健康保険、勤め先の3か所に分かれ、時期は妊娠届、出産予定日、出生後の申請時期などを基準に数えます。

医療機関で妊娠を確認した後から始まる

医療機関で妊娠を確かめ、住んでいる市区町村で妊婦給付認定を受けると、妊婦のための支援給付の1回目5万円が受け取れます。妊婦健診の費用には自治体の公費助成があります。

妊婦のための支援給付は2025年4月1日に法律に基づく制度として始まりました。1回目の5万円と、2回目の「胎児の数×5万円」に分かれていて、10万円を一度に受け取る形ではありません。流産・死産の場合も支給の対象です。

振込の時期は自治体で違います。さいたま市は申請を受理した月の翌月末、静岡市は受け付けた月の2か月後の月末以降と案内しています。町田市のように口座振込と同額の電子クーポンを選べるところもあり、大阪市は申請できる人を妊婦(産婦)本人に限っています。

妊婦健診は出産までに14回程度が国の示す望ましい回数です。現金ではなく健診費用の助成なので、何がどこまで助成されるかは住んでいる自治体に確かめます。

1回目と2回目が実際にいつ振り込まれるかは、自治体ごとの例を別の記事で比べています。

出産予定日の8週間前から出産まで

妊婦のための支援給付の2回目の届出ができるようになり、勤め先の健康保険に入っている人は出産手当金の対象になる産前の休みに入ります。どちらも出産予定日から日付を数えます。

2回目の届出は、制度上は出産予定日の8週間前の日から出せます。ただ町田市は2回目の申請方法を出産後の「こんにちは赤ちゃん訪問」で案内しており、国の届出可能日より実際の案内が遅い自治体もあります。

出産手当金は給与を受けずに会社を休んだ健康保険の被保険者が対象です。期間は出産の日(予定日より遅れたときは予定日)以前42日、双子以上なら98日から、出産の翌日以後56日まで。協会けんぽでは標準報酬月額の平均を30で割った額の3分の2が日額の基本で、30で割った額が5,670円なら日額3,780円になります。

出産から産後8週まで

子が生まれたら、市区町村に児童手当の認定請求を出します。出産費用には出産育児一時金があり、直接支払制度を使えば健康保険から出産施設へ直接支払われます。

出産育児一時金は公的医療保険の加入者が出産したとき、子1人につき原則50万円です。2023年4月1日以降の出産では、産科医療補償制度に加入する施設で在胎22週以降に出産すると50万円、それ以外は48.8万円。全員が同じ額とは限りません。直接支払制度を使えるかどうかも施設で違います。

出産費用の無償化は、見直しの法律が公布された段階です。厚生労働省の2026年10月16日の資料では、具体的な制度設計を妊産婦や産科医療関係者を交えて議論しているところでした。

児童手当は2026年10月時点で、3歳未満が月1万5,000円、3歳から高校生年代までが月1万円、第3子以降はどちらも月3万円です。原則として申請した月の翌月分から支給され、支給は偶数月にその前月までの2か月分ずつ。公務員は市区町村でなく勤務先に申請します。

どの支給月にいつの分が入るかは、月ごとに並べた記事があります。

産後8週から1歳まで

雇用保険に入っている人が育休を取ると、育児休業給付金が受け取れます。休業開始時の賃金日額の67%が開始から180日まで、181日目以降は50%で、金額には上限と下限があります。

出産した母親の育休は、産後休業の8週間が終わってからです。上乗せの出生後休業支援給付金は2025年4月1日に創設されました。休業開始時賃金日額×支給日数(上限28日)×13%で、67%と合わせて80%。社会保険料の免除などを含めると手取り10割相当とされますが、給与と同じ額が振り込まれる意味ではなく、28日も夫婦合計でなく1人ごとの上限です。

条件は本人が対象期間に通算14日以上の育休を取ること。対象期間は父親なら出生からおよそ8週間、出産した母親ならおよそ16週間です。配偶者も14日以上取るか、無業・自営業・産後休業中などの免除事由にあたる必要があり、仕事の都合で取らないだけでは免除されません。母親が出生日の翌日に産後休業中なら、養子でない子の父親は自分の14日で条件を満たし得ます。

夫婦の休み方で給付がどう変わるかは、同じ回の記事で扱っています。

申請先は3か所に分かれる

市区町村には妊婦のための支援給付と児童手当、健康保険には出産育児一時金と出産手当金、勤め先を通してハローワークには育児休業給付を出します。2026年10月時点の制度を時期の順に並べました。

時期 制度名 金額の目安 申請先 申請する人
妊娠の確認後 妊婦のための支援給付(1回目) 5万円 市区町村 市区町村に確認
予定日の8週間前から 妊婦のための支援給付(2回目) 胎児の数×5万円 市区町村 市区町村に確認
出産日(予定日後の出産は予定日)以前42日〜出産翌日以後56日 出産手当金 日額は標準報酬月額の平均÷30×2/3 勤め先の健康保険 産休中に給与のない被保険者
出産時 出産育児一時金 1児原則50万円(条件により48.8万円) 加入する健康保険 加入者
出生後 児童手当 3歳未満は月1万5,000円(第3子以降3万円) 市区町村(公務員は勤務先) 市区町村に確認
育休中 育児休業給付金 賃金日額の67%(181日目以降50%) 勤め先経由でハローワーク 雇用保険の被保険者
出生日・予定日のずれで変動(父親はおよそ8週、母親はおよそ16週) 出生後休業支援給付金 賃金日額の13%(28日分まで) 勤め先経由でハローワーク 雇用保険の被保険者

出生後休業支援給付金は事業主経由で出すのが基本で、本人が希望すれば事業所の所在地を管轄するハローワークに自分で出せます。表に入れていない子ども・子育て支援金は、全世代と企業が拠出して子育て施策の財源に充てる仕組みで、家庭が受け取るお金ではありません。

自営業・国民健康保険の人は何が違う

国民健康保険の加入者は出産手当金の対象にならないとされ、雇用保険に入っていない自営業の本人は育児休業給付の対象外です。妊婦のための支援給付・出産育児一時金・児童手当の3つが残ります。ほかに国民年金保険料の免除が2つありますが、お金を受け取る制度ではありません。

育児休業給付と出生後休業支援給付金は雇用保険の被保険者向けで、雇用保険に入っていない自営業の本人は対象外です。夫婦の一方が会社員なら、配偶者が自営業であることが免除事由にあたるため、会社員の側は自分の14日以上の育休で出生後休業支援給付金の条件を満たし得ます。

制度名 会社員など 自営業・国保
妊婦のための支援給付 対象 対象
出産育児一時金 対象 対象
児童手当 対象 対象
出産手当金 健康保険の被保険者で、産休中に給与を受けない人が対象 対象外とされる(加入先の国保で確認)
育児休業給付 雇用保険の加入者が対象 対象外
国民年金の産前産後免除・育児免除 ― 第1号被保険者が対象

国民年金の第1号被保険者は、出産予定月の前月から4か月間(双子以上は3か月前から6か月間)の保険料が免除され、届出は出産予定日の6か月前からできます。2026年10月には、1歳未満の子を育てる第1号被保険者の保険料を所得に関係なく免除する育児免除も始まりました。第3号被保険者と任意加入の人は対象外です。

育児免除の対象と届け出方は、こちらの記事にまとめています。

出産予定日がわかったら、その8週間前と42日前の日付を先に数えておきます。2回目の届出を出せる日と、会社員なら出産手当金の期間が始まる日が、その2つです。

出典

すべて2026-10-19に確認。

よくある質問

妊娠・出産でもらえるお金にはどんなものがありますか?
2026年10月時点の国の制度では、妊婦のための支援給付、出産育児一時金、児童手当、出産手当金、育児休業給付(出生後休業支援給付金を含む)の5つです。出産手当金と育児休業給付は、勤め先の健康保険や雇用保険に入っている人が対象になります。
出産育児一時金が50万円になったのはいつから?条件はありますか?
2023年4月1日以降の出産からです。産科医療補償制度に加入する施設で在胎22週以降に出産した場合が1児50万円で、それ以外は48.8万円になります。公的医療保険の加入者が対象で、加入している保険者から支給されます。
国民健康保険に加入しているフリーランスが使える出産・育児の支援は?
妊婦のための支援給付、出産育児一時金、児童手当の3つが受け取れます。お金の給付ではありませんが、国民年金第1号被保険者なら、産前産後免除と2026年10月に始まった育児免除も対象です。
出産・育児の給付金申請を漏らさないスケジュール管理のコツは?
出産予定日から逆算します。妊婦のための支援給付の2回目は予定日の8週間前の日から、出産手当金は予定日以前42日からが目安です。児童手当は原則として申請した月の翌月分から支給されるので、出生後は早めに市区町村へ出します。

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