出生後休業支援給付金は夫婦で各14日休む

妊娠・出産・育休memStock編集部
出生後休業支援給付金は夫婦で各14日休む

出生後休業支援給付金は雇用保険の被保険者が子の出生後の決められた期間に通算14日以上の育児休業を取り、配偶者側の要件も満たしたとき、育児休業給付金の67%に13%を上乗せする給付です。上乗せは1人あたり最大28日分で、67%と合わせた80%が社会保険料の免除などを加味して手取り10割相当とされています。2026年10月時点の制度では夫婦がそれぞれ14日以上休むのが原則で、配偶者が産後休業中や専業主婦(夫)のときは配偶者の育休は求められません。

出生後休業支援給付金とは

13%は育児休業給付金の率を引き上げるものではなく、別の給付金として上乗せされます。67%と13%で休業開始時賃金日額の80%になり、厚生労働省のQ&Aはこの80%を「手取り10割相当の額」と説明しています。

手取りに近づく理由は、休業中に引かれなくなるお金にあります。育休中は社会保険料が免除され、雇用保険料の負担もなく、給付金は非課税です。給与から差し引かれていた分がないため、額面の80%で手取りとほぼ同じ水準になる、という整理でした。

それでも給与と同じ額が振り込まれるわけではありません。給付には上限があり、休業中に会社から賃金が出ればその分も計算に響きます。2026年8月時点の厚生労働省の手引きでは、2025年4月1日に創設された給付として案内されています。

項目(2026年10月時点) 育児休業給付金 出生後休業支援給付金
給付率(休業開始時賃金日額に対して) 67%(休業開始から181日目以降は50%) 13%
日数 育休の支給日数に応じて計算 支給日数は1人28日が上限
支給額の上限 あり あり
位置づけ もとになる給付 育児休業給付金とは別に上乗せ

67%の育児休業給付金がどう計算され、いつまで出るのかは、こちらの記事で確かめられます。

条件は夫婦それぞれ14日以上

父親は出生日と出産予定日の早いほうから、遅いほうの日から8週間を経過する日の翌日まで、出産した母親は同じ起算日から16週間を経過する日の翌日までの窓の中で、それぞれ通算14日以上の育休を取ります。今回確認した厚生労働省のQ&Aの要件には、夫婦が同じ日に休むことを求める記載は見当たりませんでした。

窓の始まりは「子の出生日または出産予定日のうち早い日」です。終わりは、2つの日のうち遅いほうから8週間(母親は16週間)を経過する日の翌日まで。予定日と実際の出生日がずれても、両方を含む期間で数えます。母親の窓が長いのは、産後休業の8週間が明けてから取る育休を含めるためです。

誰 起算日 期間の窓 14日以上の取り方の例
父親(子が養子でない) 出生日と出産予定日の早いほう 遅いほうの日から8週間を経過する日の翌日まで 退院の日から14日続けて休む
母親(自分で出産) 出生日と出産予定日の早いほう 遅いほうの日から16週間を経過する日の翌日まで 産後休業の8週間が明けてから14日以上休む
子が養子の場合(父母とも) 出生日と出産予定日の早いほう 遅いほうの日から8週間を経過する日の翌日まで 窓の中で通算14日以上休む

要件の文言は「通算して14日以上」なので、1回で14日続けなくても窓の中で取った日を合計して数えます。上の例のように父親が出生直後に、母親が産後休業明けに休めば、夫婦の休みは重なりません。重ならない取り方でよいと明記した資料は今回確認できていないため、予定を決める前に勤務先にも確かめておくと確実です。

配偶者の育休がいらない7つの場合

配偶者が専業主婦(夫)などの無業者、自営業者やフリーランス、産後休業中のいずれかなら、配偶者が育休を取らなくても本人の14日以上で支給対象になります。厚生労働省のQ&A(Q37)は、配偶者の育休を要件としない場合として次の7つを挙げています。

  • 配偶者がいない
  • 子と配偶者に法律上の親子関係がない
  • 配偶者から暴力を受けて別居している
  • 配偶者が無業者
  • 配偶者が自営業者やフリーランスなど、雇用される労働者でない
  • 配偶者が産後休業中
  • そのほか、配偶者が育休を取れない事情がある

判定は子の出生日の翌日の状況で行います。妻が出産した子の父親(養子でない場合)は、出生日の翌日に妻が産後休業中にあたるため、自分の14日だけで条件を満たせると厚生労働省の手引きが例を示しています。妻が専業主婦なら無業者の類型にあたります。

反対に、配偶者が会社員で、仕事の都合で育休を取らないだけなら7つのどれにもあたりません。夫が会社員なら、出産した母親が13%を受け取るには、夫も自分の窓の中で14日以上休む必要があるということです。

28日は夫婦の合計ではなく1人ずつ

上乗せの額は1人ごとに「休業開始時賃金日額×支給日数×13%」で計算し、支給日数の上限は28日です。夫婦がそれぞれ28日休めば、2人とも28日分を受け取れます。支給額そのものにも上限があります。

仮に休業開始時賃金日額が1万円の人が28日休むと、13%の上乗せは3万6,400円です。同じ28日分の育児休業給付金(67%)18万7,600円と合わせて22万4,000円、賃金日額の80%になります。14日の育休なら上乗せも14日分の1万8,200円。

手取り10割相当の前提にある社会保険料の免除にも、14日という日数が出てきます。日本年金機構によると、2022年10月1日以降に始めた育休では、月末を含む休業に加え、月末をまたがない短い休業でも開始した月の中で14日以上休めば厚生年金保険料が免除されます。賞与にかかる保険料は別の条件で判定されます。

配偶者が自営業やフリーランスで国民年金の第1号被保険者なら、1歳未満の子を養育する第1号被保険者を対象に2026年10月に始まった国民年金保険料の育児免除も関係してきます。

対象外になる人

本人が雇用保険の被保険者でなければ、出生後休業支援給付金の対象になりません。雇用保険の被保険者でない自営業者やフリーランスの本人は、この給付を受け取る側に入りません。

公務員は身分や雇用保険への加入状況によって扱いが変わるため、一律に対象外とは言えません。勤務先の担当部署に、自分が雇用保険の被保険者かどうかを確かめるのが近道です。

育休中に少し働いた日がある場合も、その日を14日から機械的に除くわけではありません。Q&A(Q36)では、もとになる育児休業給付金が14日分以上支給されていれば、出生後休業支援給付金も支給されるとしています。休業中の賃金が休業前の80%以上になって育児休業給付金が出ないときは、上乗せも出ません。

申請は会社経由、配偶者の状況を示す書類

申請は勤務先の事業主を通して行うのが基本で、配偶者の育休が要件にならない場合はその状況を確かめる書類が要ります。提出先は事業所の所在地を管轄するハローワークです。

本人が希望する場合や事業主を通すのが難しい場合は、本人がハローワークに出すこともできます。添える書類は類型によって違い、妻が出産した子の父親(養子でない)なら通常は母子健康手帳などで確認します。専業主婦(夫)やフリーランスなど、ほかの類型で何を添えるかは今回の資料で確認できなかったため、勤務先かハローワークに尋ねてください。

育休の予定を勤務先に伝えるとき、配偶者が7つのどれにあたるか、あるいは配偶者がいつ14日以上休むかも一緒に伝えておくと、会社側の書類の準備が進めやすくなります。

妊娠届から子が1歳になるまでに受け取るお金を順番に並べた記事では、この上乗せとほかの給付の順番を見渡せます。

出産予定日が決まったら、予定日を目安に夫の窓をカレンダーに書き込み、14日をどこに置くかを夫婦で先に決めておきます。生まれたあとは、実際の出生日と予定日の早いほう・遅いほうで窓を確かめ直します。

出典

すべて2026-10-19に確認。

よくある質問

出生後休業支援給付金は夫婦でもらえますか?
もらえます。夫婦それぞれが自分の対象期間の中で14日以上の育休を取れば、1人ずつ最大28日分の13%が支給されます。28日は夫婦の合計ではなく、受け取る人ごとの上限です。
配偶者が専業主婦(夫)でも支給対象になりますか?
なります。配偶者が無業者のときは配偶者の育休を要件としない場合にあたり、本人だけが14日以上の育休を取れば支給対象になります。申請には配偶者の状況を確認する書類が必要です。
配偶者がパートやアルバイトでも出生後休業支援給付金は支給されますか?
パートやアルバイトで雇われている配偶者は無業者や自営業者の類型にはあたらないと考えられます。その場合は配偶者も14日以上の育休を取るか、ほかの類型にあたるかで判断されます。出産した妻がパートで働いていて出生日の翌日に産後休業中なら、夫は自分の14日だけで条件を満たせます。
出生後休業支援給付金の支給額はいくらですか?
休業開始時賃金日額×支給日数×13%で、支給日数は28日が上限です。育児休業給付金の67%と合わせて80%になり、手取り10割相当とされています。支給額には上限があり、休業中に賃金が出た場合も額が変わります。

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