書こうと思ってから早5年、遺言書についてそろそろ本気で考える

より良い家族の暮らしを考えるmemstock編集部(更新: 2026年3月25日
書こうと思ってから早5年、遺言書についてそろそろ本気で考える
*このポッドキャストは、生成AIを活用して制作しています。内容は十分配慮のうえお届けしていますが、正確性についてはご自身でもご確認のうえ、参考情報としてお役立てください。

「遺言書」と聞くと、まだ自分には先のこと、と感じるかもしれません。しかし、もしもの時に大切な家族が困らないように備えておくことは、実は誰にとっても身近なテーマです。財産のことだけでなく、普段使っているデジタルサービスのパスワードや、加入している保険のことはどうすればスムーズに伝わるのでしょうか。

今回は、遺言書の種類や作成時の注意点といった基本的な情報から、資産を整理する具体的な方法、さらには音声データで記録を残すといった新しいアイデアまで、多角的に掘り下げていきます。遺言書作りを、単なる手続きではなく、家族への思いやりを形にするプロセスと捉え、日々の暮らしの中で「もしも」に備えることの意味について考えていきます。

40代、遺言書を考え始めたきっかけは「もしも」への備え

山田:より良い家族の暮らしを考える、memStock podcast。こんにちは。4人家族の山田です。

小林:こんにちは。1人家族の小林です。今回は「遺言書を作る」というテーマで、より良い家族の暮らしについて考えていきます。

山田:遺言書を作るということですが、まだ私は今42、そろそろ43歳になるところなので、年齢的にはまだ遺言は早いのではないかと思っていたのですが、急に亡くなる人もいるので、そうなった時に自分の子供や妻に、今持っているお金などが問題なく渡るのかと考えた時に、もし揉めたら嫌だなと。揉めるといっても、子供が小さいので家族内で揉めることはないだろうとは思うのですが、「あれ(遺産)はどこにあるの?」とか、「パスワードがわからない」といったことがいろいろありそうだなと思いました。そのあたりは、遺言書を早い段階から作ることによってカバーできるのではないかと考えたんです。生きていく中で心配事が1つ減るのであれば、早い段階から作るのもありなのではないかというところで、今回はそのテーマで話してみようと思ったわけです。

遺言などは見たことがありますか?

小林:見たこともないですし、考えたこともないです。

公正証書はまだ重い?まずは自筆で、という選択肢

山田:私も、うろ覚えなのですが、手書きの遺言を見たことがある気がするんです。祖父のものだったのか、いや、あれはドラマだったのか? 実際に自分の目で見たのかわからないのですが、とにかく見た気がするんですよね。それは手書きだったのですが、調べてみると、手書きの遺言と、実際に公証役場に行って証人の承認を受けて保管される「公正証書遺言」というものがあるようです。

主に使われるのはその2つで、実際に私が今作ろうとした場合、公正証書遺言は少し重いなと感じます。というのは、公証役場に行って、立ち会い人である証人を2人用意し、自分が口頭で話したものを証書に残さないといけないからです。

小林:役場に行くのは(作成の)後でもいいんですよね?

山田:後でもいいです。後でもいいのですが、必ず行かないといけません。そこが少し面倒だなという点と、今の段階で決めた内容は定期的に変わりそうなので、そのアップデートが大変そうだという理由から、(公正証書遺言は)少し重く感じます。やはり、自筆で、つまり自分の手で書く方がいいかなと。そして、確か2022年か2023年くらいに、法務局に(自筆証書遺言を)保管してもらえる制度ができました。年間3,000円か4,000円を払えば保管してもらえるので、それを使えばある程度しっかりとした遺言を残せるのかなと思いました。

日付がないだけで無効に?遺言書作成の落とし穴

山田:ただ、調べてみると、結構フォーマットが大事で、少しでもミスをすると無効になってしまいます。例えば、日付が入っていないといったケースも多いようです。それから、遺言がたくさん出てくる人もいるようで、都度作り替えてはいるものの日付が入っていないためにどれが最新かわからなくなり、結果として全部無効になる、といったケースです。全部無効になった場合にどうなるかというと、基本的には「法定相続分」というものがあり、法律で決められた割合で、「誰に何パーセント割り振られるか」というのが決まっています。その法定相続に従って割り振られることになるので、それはそれでフェアではあるなと思いつつも、結構そのあたりは相続税なども絡んできます。

相続税って結構面倒なんですよね。短期的に、実際に相続を受けるか受けないかを決めないといけません。例えば、借金が多い人の場合、父親が亡くなって、知らないところで5億円の借金があったとします。その5億円が乗っかってきたら借金地獄になってしまいますよね。そういった場合、「相続放棄」もできるのですが、相続放棄ができる期間がすごく短いので、それを判断するのは大変です。亡くなった直後で、しかも悲しんでいる時に、そんな相続のことをあまり考えられないと思うので、それが面倒だなと思いました。そこはやはり、死ぬ前にしっかりまとめておければなと思ったんです。

小林:でも話にあったように、フォーマットが結構、自筆で作成すると無効になりやすいというのはよく見ますよね。

山田:そうなんです。意外とすぐに無効になってしまうんですよね。字が汚くて読み取れないといった理由もあるようです。字が汚い人の場合、読み取れないと誰も判別できないので、それも無効になってしまいます。そこは自分はペン字講座をちょっと受けたので大丈夫だと思うんですけど。

小林:そういう問題ではないと思いますけどね。上手い下手というよりは、丁寧に書いているか書いていないかで(読めるか読めないかが)だいぶ変わってきますから。

山田:そうなんです。だから、そのあたりも含めて、ちゃんと決めないとな、というところではあるんですよね。

「争族」を避けるために。死ぬ前に資産を洗い出しておく大切さ

山田:結構、遺言を残した方が良いなと思うのは、私だけでなく世の中全体としてもあると考えています。というのも、今、超高齢化社会になっていっていますよね。その中で、よく聞くのが「争族」です。引き継ぐ方じゃなくて、当て字なんですけど、「争う」に「族」と書く「争族」ですね。相続が「争族」と揶揄されることがあるのですが、その争族リスクがすごく増えてきているとよく聞くので、そこを解決するためには、やはり死ぬ前に、法定相続分であるにせよ、死ぬ前にどれくらい資産を持っているかをちゃんと洗い出しておいて、死んだ時に「こんなの知らないけど?」という状態がないようにするのは大事なのかなと思うんです。

小林:そういう意味で言うと、山田さんはその自筆の遺言書は家族に共有しておくということですか? あらかじめ知っておきたいというのは、そういうことですよね。

山田:そうですね。知っておいてもらうか、あるいはどこかにまとめておいて。ただ、相続するものを細かく一個一個書く必要はないので、そのあたりは、「ここにこういうものがあるよ」というのをどこかに残しておく。それは遺言とは少しずれますが。

小林:それ(情報共有)は別に遺言である必要はないと思いますよね。

山田:そうですね。(遺言からは)ずれますが、それは残しておかないといけないかなと。その情報に沿った形で、どこに何があるのかということを把握して羅列した上で、別途遺言を作成する、というのをやりたいかなと思います。

遺言書は「思い」と「財産」のバランス。年齢で形を変えるという考え方

小林:今の山田さんの話だと、遺言書というフォーマットである必要があるのかなと少し思ってしまいました。相続先とかの振り分けよりも、何があるかとか、パスワードがどうのとかいう話であれば、わざわざ遺言書にしなくてもいいのではないかと。それに、アップデートが大変ですよね。自筆といっても、毎回最新のフォーマットを探してきて手書きしないといけないわけですから。それなら、普通にデータでまとめるだけで済むのではないかと聞いていて思いました。

山田:そうですね。それもそうだなと思っていて、今すぐフォーマットに沿った遺言を作るというよりは、年齢に応じてその形を変えていくのがいいのかなと思っています。例えば、今はまだ働いていて収入もある状態だとすると、資産も(今後)変わっていきます。都度アップデートするのは大変なので、そこはデータフォーマットに合わせていきつつ。

遺言には内容がいくつかあるのですが、(私も調べるまで知りませんでしたが)その中に「付言」といって、思いを伝える部分もあるのですが、そこは大きく変わらないと思います。今の気持ち的には変わらないですね。まあ、子供が大きくなったりすると、家庭内の争いが生まれる可能性もあるのでわかりませんが。今の段階ではこう思っている、というところはしっかりフォーマットに沿って残しておいた方がいいのではないか、と思いつつ。その前提となる「誰にいくらを渡す」という部分に関しては、今はフォーマットに沿わない形で残しつつ、「誰に残す」という部分も法定相続に沿った形で良いかなと思っています。

それはそうなのですが、付言というところを書きつつ、将来的にそこ(資産)と、今後の割り振りが変わっていったタイミングで、しっかりと公正証書に残す、みたいなのは60代とかになったらやりたいかなと思います。

小林:なるほどね。じゃあ、それまでは自筆でやっていくと。

山田:そうです。だから、そこまでに死んだらそれ(自筆の遺言)を使いつつ、それ以降であれば、もう少しちゃんとしたものを残して、死んだ時にスムーズになるような形にしたいです。まあ、まだ死ぬつもりはないからね。

小林:それはそうなんですけど。付言事項というのは、基本的には争いが起きないように「こういう理由で(財産分与を決めました)」というのを書くわけですよね。感謝の気持ち(思い)を伝えるだけであれば、遺言書である必要はないのかなと思ってしまいます。

山田:今、私が言っている遺言書というのは、「言葉にして何か思いを残す」という意味合いで使っていて、もう少し年齢を重ねた時に作るものとしては、本当に自分が死んだ時に周りの人が困らないようにするための、フォーマットに沿った遺言を、という感じですかね。

小林:だとすると、山田さん的には法的にもし認められなかったとしてもまあいいかっていうぐらいですかね。

山田:そう、今はいいかなと考えています。

小林:今の段階だと、例えば山田さんに不幸があったとして、奥さんとかが(内容を)見られればいいやみたいな。実際に法的な効力があるかはわからないけど、山田さんがこう考えてたんだなっていうのが伝われば十分だなっていうそういうレベルっていうことですね。

山田:そうですね。逆に言うと、ちゃんとした遺言というのは、本当に細かく、「この人にはあげない」「この人にはこれだけあげたい」という、本当の意味での割り振りを考えている人でなければ、そこまで必要はないのかなとも思ったりします。

小林:確かにそうですよね。例えば、認知していない子がいるとか。そういう場合は、ちゃんとした証書で残しておかないと、ということですよね。

ビットコイン、絵画、NFT…忘れてしまっている資産があるかも!?

山田:あと、これは遺言のことについて考えていて思ったのですが、やはり、自分が持っているもの、どれくらい何を持っているかというのを把握することが大事ですね。

小林:そうですよね。

山田:それこそ、例えばビットコインとか。よく聞きますよね、ビットコインを相続したら破産した、みたいな話。あれは何が原因かというと、相続する場合、その金額に応じた形の相続税が受け取る人にかかります。その時点で、相続税を払うためのキャッシュがあればいいのですが、なかったらビットコインを換金しないといけません。その換金したタイミングで、譲渡税がかかるんです。それが累進課税なので、例えば1億円とか持っていたら55%持っていかれるんですよね。だから、累計で合わせるとマイナスになってしまう、といったケースも結構あるようなので、そこは気をつけないといけない部分なんです。

小林:なるほどね。

山田:そういうのも含めて、何を持っているかを把握しないといけない。気づいたら「あ、こんなのもあったな」みたいな。例えば、友達にお金を貸していたとか。あとは、知らない間にリボ払いをしていたとか。知らない間にリボ払いしてるのはちょっと。

小林:それはもう遺言関係なくしっかりしてください、という話ですけどね。

山田:でも、そういうのもあったりとか。借金が多いとか。あと絵画とかもね。知らない人からもらった絵画が、実は価値があった、みたいな。そんなことはないか。でも、一時、NFTが流行っていましたよね。

小林:ありましたね。Non-Fungible Tokenでしたっけ。暗号資産って言われているものですね。

山田:暗号資産に近いものなんだけど、流行ってた時に自分もそれを興味本位でいくつか買ったけど。

小林:NBAのカードとか買ってませんでしたか?

山田:買ってました。忘れてました、今思い出しました。あれはどうなったんだろう? そういうこともほぼ忘れてしまっているんです。今は、買った当時よりかなり価値は落ちていると思うんですけど、例えばまたそれがブームで再燃した時に、すごく価値が生まれるということも100%ないわけではないので、そういうところの洗い出しみたいなところをするのも、遺言というよりは、死ぬ前のプロセスの1つなのかなと思ってます。

小林:そうですね。資産管理というのは、完全にそうですよね。

山田:結構、調べてみると、それで揉めているケースがすごく多いんですよね。争続で揉めているケースで多いのが、資産把握ができない、「何がどこにあるか」というところなんです。

小林:それはそうでしょうね。本人じゃないと。

山田:そうそうそう。で、法定相続分というのは、例えばうちの場合だと、私がいて、妻がいて、子供が2人いて、両親も今健在だから両親もいて、というところで、私が死んだ場合、妻に1/2、子供にその1/2がいって、2人いるから1/2の1/2で、1/4なんです。それを割り振られるわけですが、例えば不動産とかだったら、一応鑑定はできるけど、価値は売るまでわからないのでいくらになるかというので揉めたりとか、売るか売らないかという話にもなりますよね。

小林:売らなかったら、じゃあどういうふうに(分配するか)ってことになりますもんね。

山田:そうそうそう。じゃあお金としてもらえるのか、とか。そのお金はどこから捻出するんだ、みたいな話とかもいろいろあったりとか、そこは結構、やはり問題化しやすいので、そこをなんとか早い段階で解決しておくというか、アップデートし続ける必要がある部分なのかなと思っています。

小林:先ほどの付言事項ではありませんが、例えば「不動産は今の状況だと売らない方がいい」といった、山田さんの知識を共有しておく、という形で残しておくのもありかもしれませんね。

山田:確かにね。

小林:暗号資産とかも、今の状況で売っちゃうとまずいから、そのままにしておいた方がいいとかじゃないですけど。

山田:それこそ遺言に「相続は放棄しろ」と書いておくとかね。そうしておけばある程度問題も解決、事前に解決できそうですよね。そのあたりも含めて、やはり事前に、それも自分で把握していないと駄目な話なので、把握することは結構重要だなと思っています。

小林:そうですね。遺言関係なく、財産に関しては把握はしておきたいですよね。

アプリの限界と、今できるベストな管理方法

山田:そうなんですよ。結構そういうことは、改めてやらないと多分やらないと思うんです。例えば、私の場合だと「マネーフォワード」などで資産管理的なことはやっていますが、マネーフォワードだと連動できないものも結構あるんですよね。例えば不動産とか。

小林:そうですね。

山田:あとは動産ですよね。動産って流動性の高いもので、車とか、貴金属とか、時計とか、骨董品といったものです。あと、多いのだと会員権。最近はなくなってきていますが、昔はゴルフの会員権などで結構揉めたらしいです。バブルの時には、ゴルフ会員権が飛ぶように売れて、バブルの時に会員権を持っていた人たちが、そろそろ亡くなってきているので、それで「会員権はどうなったの?」という話になるんです。でも実は今ではもう価値がないというケースもあったりするので、そのあたりの部分も把握できていないことが結構あるようなんですよね。だから、そういうものをどう把握するかというところは、マネーフォワードではできないので。やはり一元管理できないと難しいんですよね。

小林:そうですね、分散していると。「これはここにあるよ」とまとめておくだけでも価値はありますよね、遺族にとっては。

山田:そうですね。あと、やはり難しいのが、先ほど話に出たビットコインなどのデジタル資産ですよね。デジタルなものというのは、やはりある程度リテラシーがないと難しいです。それこそ例えばビットコインなどは、コインチェックやビットフライヤーといった取引所に預けているのが一般的ですが、盗まれるじゃないですか。よくハッキングなどで盗まれる、みたいな。

小林:よく、と言っていいのかわかりませんが、ありますね。

山田:あれって自分のデジタルウォレットみたいな、例えばUSBメモリなどに入れることができるんですよね。そして、そういうものに入れていたりすると、多分(遺族は)開けないだろうなと思います。キーなどがいろいろあって結構難しいんですよ。ミスをすると全部消えてしまうので、そういうのも含めて、やり方を残すことなども、やはり重要なのではないかなと。

小林:それは面倒くさいですね。

山田:面倒くさい。ものすごく面倒くさいので、もう、死ぬとわかったら、それこそ急な事故とかでない限りは、ある程度、流動性の高い現金などに変えておく方が、ひょっとしたら正しいのかもしれないですね。

小林:今の(山田さんの)年齢的には突然死っていうのが死の原因ですけど、年齢を重ねてきたら(面倒なものは)変えておかないとっていうのはあるかもしれないですね。

山田:そうなんですよ。年齢に応じてその辺は。確率論だとは思うのですが、今の年齢で死ぬよりも、多分80歳で死ぬ方が確率は高まるので、そうなった時には、やはりその辺の(リテラシーが低くても問題の起きにくい)確実性の高いものにしておく、遺言とかもしっかりしたものにしておく、みたいなのがやはり重要になってくる気はしますけどね。

山田:あと、住宅ローンとかも払っていますが、減っていくわけじゃないですか。で、減っていった時に、どのタイミングであれば、売って住宅ローンを返せるかとか、そういうのも含めて。やっぱりマンションとかは今高騰していますけど、一軒家とかは建てた瞬間に価値がどんどん落ちていくので、そういうのもやはり、タイミングによって変わっていく話なんですよね。だから、アップデートしていかないといけないんだけど、やはりアップデートするのは面倒くさいから。

小林:そうなんですよね。面倒くさいんですよね。

山田:その辺はやはり仕組み化する必要があるな、というのは思いますけどね。

小林:いいサービスとか、探していて見つからないんですか?

山田:マネーフォワードがやっている資産管理的なものがあって、それはある程度いろいろできるのですが、やはり先ほど言ったようなものとかは連動できないんです。

あとは、私が今使っている「1Password」というパスワード管理アプリがあって、それは結構いろいろなものを入れられるんです。パスワードだけではなく、例えば銀行口座情報とか、証券口座情報とか。あとは、細かいものでいくと、不動産とかも手動で入れないといけないのですが「こういうものを持っていますよ」とか。そういうものをちゃんと入れられるので、それが今のところベストな保管庫なのかなとは思っているんですけど。ただ、(資産と)連動はしていないので、いくら今あるかというのはわからないんですよね。だから、一元的にどこかで管理できるサービスというと、今はないかな、という感じです。作るしかないな。

意外な盲点、加入保険の情報がないと受け取り忘れて損をする?

山田:あと、私が一番必要だなと思ったのが、保険。死んだ時に保険の受け取りみたいなのを、受け取り忘れというか、申請されない。保険会社が一番困っているのが、申請されないということなんです。亡くなった時に申請されなくて。

小林:それは本当に困っているんですかね。

山田:困っては、うーん、困ってはいないけど、それを改善していかないといけない、というふうに言っているんですよね。困ってはいないね、確かに。

小林:申請されない方がいいですからね。

山田:どうなんだろうな。ただ、保険って結構難しくて。いろいろ入ってたりするんですよね。私とかも生命保険系で言うと、多分5つか6つ入ってるかな。がん保険とかもあるし、あとは、積立保険とかもあるし、学資保険的なのもあったりするし、いろいろあるんですよね。1個ずつとかじゃなくて、2個ずつくらい入っていたりとか。受取人はすぐわかるけど、いろいろあるので、いくら出るかとか、タイミングによって変わってくるものとかもあったりするんですよね。それをちゃんと把握できていないと、そしてどのタイミングで申請しないといけないかという情報とかも、1個1個サイトとかに見に行かないといけないんですよね。で、それって多分、死ぬまでやらないだろうなと思うので、ある程度どこかにまとめておいて、死んだ時にここに電話した方がいいよ、みたいなのを情報として入れておく方がいいかなと思うんですよね。

小林:そうですけど、それは難しそうですね。

山田:面倒ですがやった方がいいですよね。自筆の場合はどこか別でまとめておくみたいなのは、公式ではないんですけど、公正証書遺言の場合、自筆で書いたものプラス、Excelとかでまとめたものとかを一緒に保管してくれるんですよね。それをどこかのタイミングで作って、保管しておく、ちゃんとした場所に保管しておくみたいなところは結構重要な気がしますけどね。

話したからやる!言葉に出して「やらざるを得ない」状況作り

山田:やはりこのあたりが面倒なんですよね。私も実際は、今こうして話していますが、30代半ばくらいに一度「まとめておかないと今死んだら困るな」と思ったことがありましたが、それから5年以上経ってしまっているので、やはりやらないですよね。だらだらしてしまうんですよ。「今は死なないだろう」と思ってしまって。

小林:そうですね。もしやるとしても、コロナ禍の時にやっていなかったら、もうやらないですよね。あの時は、意図せず死ぬ可能性がありましたから。

山田:そうそう。私も思いました。でも、結局やらなかったので、やらないといけないなと。実はそのタイミングで、マネーフォワードを使い始めたんです。ちゃんとまとめるために。でも、まとめきれていないので、やはりどこかのタイミングで力を入れてやらないといけないなと思いつつ。多分みんな同じ状況だと思っているのですが、やらないですよね。

小林:そうでしょうね。切羽詰まらないと。

山田:お金をたくさん持っている人でも、多分やらないですよね。

小林:というのも、本当にいつ死ぬのかわからないということに加えて、先ほど言ったようにアップデートしなくてはいけないということがありますからね。

山田:面倒くささもありますよね。

小林:そして、アップデートした結果、前のものが意味がなかったというか、結局使われなかったとなると、「いつまでこれをアップデートし続けるんだ?」という感じでモチベーションも下がりますよね。

山田:そうですよね。そこは難しいですよね。だから仕組みとしてやはり、作らないといけない。誰かが作らないといけないというのはありつつ、自発的にやるタイミング、例えば10年おきにやるとか、その辺は決めておかないといけない気はしますね。今(私は)42歳なので、43歳の年中には作りたいなと思います。

小林:決まったものじゃなくても、そういう、10年おきかわからないですけど、定期的に法定相続人になる奥さんとかと共有する、頭出ししておくだけでもちょっと違うのかなって。

山田:そうですね。確かに。

小林:「NFT買ったな、昔」みたいなのだけ伝えておけば、もしかしたら思い出す可能性も。

山田:それに、頑張って探す可能性はあるよね、知ってれば。可能性はあるので。

小林:細かくなくてもいいので、共有しておく、把握しておくというぐらいは必要かもしれないですね。

山田:そうですね、奥さんだけじゃなくて、子供も小さいですけど、急に(私と妻が)2人とも事故で死ぬとかっていうケースも100%ないとは言えないから、やっぱり子供との共有する手段とかも含めて、持っておかないといけないな、という流れの中で、今回「遺言」というテーマで話したかったわけなんですよね。こういうふうに話すことによって、やるきっかけを作る、という。

小林:本当にやりますか?

山田:以前、(ポッドキャストの)何かの回で話した時に、「やらないといけない」といって話したからやったんですよ。だから、やはり言葉に出すと、言霊ではありませんが、やらざるを得ない空気感になるので、それをうまく活用させてもらって。

小林:そうですね。公に言っておいて、やらないのか、って。

山田:やらないのか、って話だから。これで5年後やってなかったら、言うだけか、みたいな話になっちゃうからね。ちゃんとやりたいなと、思いますけどね。


小林:最後にまとめてもらえると。

山田:まとめると、やはり遺言はみんな作成した方がいいなと思っていて、それはお金の大小に限らずやった方がいいです。そして、急に死ぬこともあるので、今の思いみたいなものを、亡くなった時に伝えたい人にしっかり残しておく、というのをやりつつ。もう一つ、やはり資産というか、負債も含めて、どれくらいお金があるかみたいなのを定期的にしっかりと把握しておくこと。死んだ後に「いや知らなかったよ」みたいな状況を生んで争いを生まない、という意味でも、やはり周りの人たちに対する優しさの一つなのかなと思うので、そこは遺言を考えるきっかけに、この話をベースにきっかけになってもらえるといいなと思います。

AIが資産アドバイザーに?音声データで残す未来の遺言?

小林:エンディングです。今回は「遺言書を作る」というテーマで、より良い家族の暮らしについて考えてきました。

山田:遺言書を作るというテーマだったのですが、大きくは、やはり自分の思いを伝えるということと、資産を把握するというところに行きついたなと思っていて。それをする手段が今、世の中にほぼない状態なので、それを「memStock」というサービスに入れられるといいですね。

小林:そうですね。話していて自分がちょっと思ったのは、今ってAIがだんだん成長してきて、YouTubeとか音声、ポッドキャストとかの内容を理解できるようになったじゃないですか。で、それをまとめてくれるようになったじゃないですか。なので、1年に1回とか今年の振り返りみたいなものを、資産に関して自分でバーっと喋ったものを音声データとして録っておけば、その音声データたちを、将来亡くなった時などに、成長したAIに読み込ませれば、「この時期にこれを買っていたよ」とか「これくらい買っていたんじゃないか」とか「あ、でも売ったな」とかっていう履歴は、全部簡単に把握できるようになるんじゃないかと思うんですよね。

山田:確かに、それはそう。そうですよね。

小林:わざわざまとめるってなると、すごく面倒じゃないですか。

山田:面倒くさい。

小林:WordなのかExcelなのかわからないですけど、まとめるのって面倒だけど。

山田:話すぐらいならね。

小林:ボイスログみたいなもので、1年あたり1時間。1時間あったら資産のこと話せると思うんですよね。「今年、何月頃にあれ買ったな」とか、例えば「ビットフライヤーでビットコインこれだけ買ったな」とかじゃないですけど、それをバーっと口で喋りながら、まとまっていなくても、ちゃんとした言葉じゃなくても、「えー」とか「あれはああだったかな」みたいなものでも、内容を把握してくれると思うんですよね。

山田:そうですね。

小林:だから、そういうのを貯めておけばいいんじゃないかなって思うんですよね。

山田:音声データとしてね。確かに。

小林:今の音声データの解析力ではちょっと間違っている時もあったりはしますけど、将来的なことを考えると、正しく判断してくれる可能性も上がっていると思うので。だから、データだけ録っておくというのはいいのかな、というのは思いますけどね。

山田:話を聞いていて、音声データを録っておけば、AIがもっといろいろな状況を把握しながら、アドバイスをくれるようにもできそうだなと思いました。例えば、「今これくらい持っています。今こういう状況です。どう思いますか?」って聞いたら、AIが「ここの部分の資産は、もう少しこっちに振り分けた方がいいですよ」とか、「長期的に考えて、これだと死ぬまでお金が足りません」みたいなことを言ってくる可能性もあるから、そういうのも含めて、音声として残すみたいなのは一つありかもしれないな。

小林:そうですね。毎年貯めておけば、前年度までの資産の動きというのもAIが把握してくれるから、「え、今年これ買ったの? こっちの方が良かったんじゃない?」とかっていうのを、もしかしたら言ってくれる可能性はあります。

山田:確かに。パーソナライズされた、資産把握AIみたいなね。できるかもしれないですね。それはそんなに難しくなさそうだな。

小林:喋るのはハードルが低いので、音声データを貯めていくというのは結構いいんじゃないかなと。それに、音質はそこまで重要ではないので、普通に録音するとwavファイルのようにファイルサイズが重くなる可能性はありますが、軽いmp3とかに変換して残しておけば、そんなに容量も食わないし、いいんじゃないかな、というのは思いますね。

山田:そうですね。音声データで残すこと自体が、やはりセキュリティ的にも重要になってきます。セキュリティ的には、やはりオンラインに全てのデータをアップロードするのではなく、例えばMacやWindowsといった自分のパソコン内で処理するような形にできれば良いですよね。

小林:そうですよね。それで遺言書にそのステップ、AIに読み込ませてみたいなステップを書いておけばいいんじゃないかなって。

山田:それでOKなのかな。わからないけど、その辺はどんどん良くなりそうだから。

法改正で今年から公正証書遺言もオンラインでできるようになるので、より身近になるというか、手軽になるというところで、これをきっかけとして、みんな作る流れができるといいなって。どんどん死んでいくからね。争続が減るといいなって思います。

小林:では今回はこの辺で。また次回お会いしましょう。ありがとうございました。

山田:ありがとうございました。


遺言書作りと聞くと難しく感じますが、その本質は、自分の資産や状況をきちんと見つめ、大切な人たちが将来困らないように道を整えておく、一つの思いやりの形なのかもしれません。完璧な書類でなくても、まずは持っているものを書き出してみる、あるいは音声で記録を残しておくなど、今日から始められる一歩があります。そうした小さな準備の積み重ねが、いざという時の家族の負担を減らし、安心へとつながっていくのではないでしょうか。

m
この記事を書いた人

memstock編集部

memStock編集部は、家族の豊かな暮らしと家計管理を応援する記事制作チームです。ライフハック・節約・投資・保険など、日常生活とお金に関する実用的な情報を、確かな専門知識と多様な視点から分析・提供しています。読者の皆様が抱える日々の悩みや将来への不安を解消し、ワンランク上の生活を実現するためのヒントが詰まった記事をお届けします。 「家族の暮らしをより豊かに」をモットーに、わかりやすく実践的なコンテンツで皆様の人生設計をサポートします。

この記事を監修した人

山田 尚貴

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業後、NTTPCコミュニケーションズでシステムエンジニアとして金融機関等のシステム運用などに携わる。2009年、株式会社エニドアを創業し代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスの開発・提供を行う。M&Aにより会社を売却後、上場企業のグループ会社の経営を6年行った後、株式会社modoを創業し代表取締役に就任。家族向けのサービスmemStockの開発を行う。 二級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種を保有。2児の父。

関連記事