情報漏えい通知、使い回し先も変える

生活/暮らしmemStock編集部
情報漏えい通知、使い回し先も変える

情報漏えいの通知が届いたら、メール内のリンクは安易にクリックせず、流出元の案内で何が漏れたかを確かめます。漏れた項目にパスワードがあれば、流出元だけでなく、同じパスワードを使い回しているメール・決済・通販のアカウントも変えます。流出元は会社側でパスワードを無効化していることがあります。順番を示した公的な資料は確認できませんでしたが、家庭で先に手を付けるなら使い回し先からと考えられます。漏れたのが氏名や住所だけなら、流出元の案内を確かめたうえで、このあと届く連絡に気をつけます。

お知らせは本物か、何が漏れたか

確かめるときはメールやSMSの中のリンクを安易にクリックせず、流出元の案内を見ます。警察庁は2026年10月23日更新の「サイバー警察局便り」Vol.19で、情報流出元の企業をかたる偽メールに触れ、「メール内のリンクを安易にクリックしない!」と呼びかけています。

一方で、本物のお知らせもあります。個人情報保護法第26条は、本人の権利利益を害するおそれが大きい漏えいについて、事業者に個人情報保護委員会への報告を義務付け、原則として本人への通知も求めています。2026年10月時点の委員会の案内では、送金や決済機能のあるウェブサービスの「ログインIDとパスワードの組み合わせ」の漏えいが、報告対象の例に挙がっています。

公式サイトのお知らせでは、漏れた可能性のある項目の一覧を探します。ソースネクストが2026年10月15日に公表したよくある質問では、流出した可能性のある項目にメールアドレス、パスワード、氏名、住所などが並び、対象件数は22,519,960件とされました。この一覧は対象者全体の項目で、全員の全項目が流出したという意味ではありません。自分のアカウントに何を登録していたかと照らし合わせます。

2026年10月には個人情報保護委員会やIPA(情報処理推進機構)も注意喚起を出しました。委員会の資料は「個人情報取扱事業者の皆様へ」で始まり、IPAの10月9日の注意喚起も外部サービスの洗い出しを組織に求める内容で、どちらも事業者向けです。家庭で手順として読むなら、警察庁の便りのほうが近い資料です。

パスワードが漏れていないときにやらないこと

パスワードが対象かどうかは、流出元の案内で確かめます。対象でなければ、このあと届く連絡に気をつけ、メールへの返信やメール内のリンクからのログインはしません。

フィッシング対策協議会は2026年10月19日に公開した9月分の報告状況で、受信者の氏名が書かれたフィッシングメールを確認しています。協議会は各漏えい事故との関連は不明としていますが、宛名が自分の名前でも本物とは言い切れません。

やらないのは、お知らせのメールに返信して情報を送ること、メール内のリンクから「確認のため」にログインすること、求められるままカード番号を入力することです。クレジットカードや本人確認書類の個別の対応は、各社の公式の案内を確認します。

使い回し先も変える

流出元と同じパスワードを使っているメール、決済、通販のアカウントから変えるのが現実的と考えられます。ただし公的な資料で確認できた順番ではなく、流出元は会社側ですでに手を打っていることがある、という点からの判断です。

ソースネクストは対象のパスワードを順次無効化し、利用者に再設定を求めました。2026年10月21日に不正アクセスを公表したお名前.comも、サーバー内の認証情報の変更に加えて「同一のパスワードを他のサービスでもご利用の場合は、あわせて変更をお願いいたします」と書いています。警察庁の便りは「安全なパスワードを設定して使いまわさない!」と求め、ワンタイムパスワードなどの多要素認証も有効だとしています。

メールについては、ほかのサービスの再設定先として使われていないかも確かめます。

対象 条件 変更する場所 追加で設定するもの
メール 流出元と同じなら 公式アプリ・ブックマーク 多要素認証
決済・スマホ決済・ネット銀行 同じなら 公式アプリ 多要素認証
証券 同じなら 公式アプリ 多要素認証、提供されていればパスキー
通販 同じなら 公式アプリ・ブックマーク 多要素認証
SNS・ゲーム 同じなら 公式アプリ 多要素認証
流出元 会社の案内に従う(無効化済みのこともある) 公式サイトのお知らせにある手順 ほかと違うパスワード

パスキーは日本証券業協会の説明では、公開鍵暗号方式を使ったフィッシングに耐性のあるオンライン認証方式です。金融庁は2026年4月、金融機関と警察庁が連携してフィッシング耐性のある多要素認証を周知する広報を始めたと公表しました。利用する証券会社がパスキーによる認証等を提供していれば、パスワードを変えたついでに切り替えます。

メールのパスワードが漏れたときに家族のアカウントをどう見直すかは、こちらの記事で扱っています。

証券口座でパスキーと取引の通知をどう組み合わせるかは、同じ日に公開した記事にまとめました。

家族の誰の分まで変えるか

流出元のサービスに登録していた家族を確かめ、その人が同じパスワードを使っている先まで洗います。家族共通のメールアドレスや、親が子どもの分をまとめて登録したアカウントも確かめます。

洗い出しは、家族それぞれのメールアドレスごとに受信箱で「登録完了」「ご利用明細」などを検索し、登録しているサービスを書き出すと手早く済みます。子どものゲームアカウントに親のカードが登録されているなら、そのパスワードも決済につながるものとして扱います。

祖父母の通販やネット銀行の設定を子や孫が手伝ったアカウントも確かめます。本人に代わって変えるより、本人と一緒に公式アプリを開いて変えるほうが、新しいパスワードを本人だけが知らないという事態を避けられます。新しいパスワードはサービスごとに別にし、家族で共有もしません。

子どものゲームの課金アカウントの扱いは、こちらの記事が参考になります。

お詫びをかたる偽メール・SMS・電話

「返金します」「カードを再発行します」という連絡にはその場で応じず、自分で開いた公式サイトのお知らせと同じことが書かれているかで見分けます。フィッシング対策協議会は、認証リンクについて「覚えがない内容の場合は不用意にアクセスしないようご注意ください」と書いています。

項目 見ること 確認方法
差出人 公式サイトに同じお知らせがあるか 公式サイトのお知らせ欄を自分で開く
リンク先 メール内のリンクからログインさせようとしていないか リンクを押さずブックマークから開く
求める操作 返金や再発行を理由に口座・カード番号の入力を求めていないか 公式サイトの手順と見比べる
期限 「本日中」など短い期限が書かれていないか 期限を理由にその場で操作しない

電話で返金や再発行の話をされたときも、口座番号やカード番号をその場で伝えず、いったん切ってから公式サイトのお知らせを確かめます。不安が残るときの相談先には、警察庁のサイバー事案に関する相談窓口や、IPAの情報セキュリティ安心相談窓口があります。

警察を名乗る連絡への家族の決めごとは、こちらの記事にまとめています。

お知らせのメールを閉じたら、流出元に登録していたメールアドレスで受信箱を検索してみます。同じパスワードを入れた覚えのあるサービスがいくつ出てくるかで、今夜変える数が決まります。

出典

すべて2026-10-26に確認。

よくある質問

漏えいのお知らせでパスワードを変えてくれと来ました。変えていいでしょうか?
変えてかまいませんが、メール内のリンクは安易にクリックせず、流出元の案内を確認してから手続きします。お知らせの内容が公式サイトにも載っているかを先に確かめておくと安心です。同じパスワードをほかのサービスで使っていれば、そちらも変えます。
「パスワード漏えいに伴う変更のお願い」というメールは詐欺ですか?
メールだけでは判断できません。本物の通知もありますし、受信者の氏名入りのフィッシングメールも確認されています。リンクを押さずに、その会社の公式サイトに同じお知らせがあるかを確かめます。
使った覚えのないサービスから情報漏えいについてのメールが届きました
リンクは押さず、まず公式サイトで同じお知らせが出ているかを確かめます。家族にも利用の心当たりがないか聞いてみます。
個人情報漏えいの通知が来ました。これって全体通知ですか?
個人情報保護法では、報告対象となる漏えいが起きた場合、事業者は原則として本人に通知することになっています。自分の情報が対象かどうかや、どの項目が漏れたかは、公式サイトのお知らせで確かめます。
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