家族旅行の予算はいくら?節約のコツ

家計・物価memStock編集部(更新: 2026年10月22日)
家族旅行の予算はいくら?節約のコツ

夏休みや連休に家族で泊まりがけの旅行を考えると、最初に気になるのは「全部でいくらかかるのか」です。観光庁の旅行・観光消費動向調査によると、2025年の国内宿泊旅行は1人1回あたり平均72,412円でした。大人4人分なら単純計算で約29万円ですが、子どもの交通費は年齢によって半額や無料になり、同じ行き先でも時期や予約の条件で総額が変わります。

この記事では、観光庁の統計で費用の目安をつかみ、JR・航空の子ども運賃、高速道路の休日割引、予約サイトのキャンセル条件を、それぞれの公式情報で確かめます。数値と規定は2026年10月時点で確認したものです。

国内の宿泊旅行は1人1回あたり平均7万円台

2025年の日本人の国内旅行で、1人1回あたりの旅行支出(旅行単価)は、宿泊旅行が72,412円、日帰り旅行が20,000円でした。前年と比べると、宿泊旅行は4.4%、日帰り旅行は2.4%の増加です。この単価には、参加費、交通費、宿泊費、飲食費、買物代、娯楽等サービス費などが含まれます。

宿泊旅行の単価は、2016年から2025年までに約2万3千円上がっています。

年 宿泊旅行の1人1回あたり旅行支出
2016年 49,234円
2019年 55,054円
2024年 69,362円
2025年 72,412円
2026年4〜6月期(1次速報) 76,947円

2026年4〜6月期の1次速報では、宿泊旅行の単価は76,947円で、前年の同じ時期より6.8%増えています。数年前の旅行の感覚で予算を組むと、足りなくなりやすい水準です。同じ速報で日帰り旅行の単価は21,875円(前年同期比5.0%増)でした。泊まりがけの旅行を年1回にして、近場は日帰りにするだけでも、1人あたりの支出の桁が変わります。

これは旅行者全体の平均で、家族旅行だけを取り出した値ではありません。それでも、大人2人・子ども2人の4人家族なら「1人7万円台×人数」から出発し、子どもの交通費が下がる分を差し引いていくと、現実に近い予算の上限をつかめます。

交通費は子どもの年齢区分で変わる

交通費は、子どもの年齢で負担が大きく変わる費目です。JRは小学生が「こども」で大人の半額、未就学児と1歳未満は原則無料です。航空会社は会社ごとに年齢区分と割引率が違います。

JR九州の案内では、JRの年齢区分は次のとおりです。

区分 年齢 運賃・料金
おとな 12歳以上(12歳でも小学生は「こども」) 正規の額
こども 6歳〜12歳未満(6歳でも小学校入学前は「幼児」) 乗車券・特急券・指定席券は原則半額
幼児 1歳〜6歳未満 無料(条件あり)
乳児 1歳未満 無料(条件あり)

こどもの半額は5円の端数を切り捨てて計算し、半額にならない場合もあります。グリーン券と寝台券は、こどもでも大人と同額です。

幼児が無料になる条件には限りがあります。大人またはこども1人に同伴される幼児が2人を超えると、3人目から「こども」の運賃・料金がかかります。幼児や乳児が1人で指定席やグリーン席を使う場合も、こどもの運賃・料金が必要です。新幹線で幼児にも指定席を確保するなら、その子の分は「こども」として買うことになります。

計算例です。大人の片道の乗車券と指定席特急券の合計が10,000円の区間を、大人2人と小学生1人、幼児1人(大人のひざの上)で往復する場合、大人2人で40,000円、小学生は半額で10,000円、幼児は無料で、合計50,000円です。幼児にも指定席を取ると、さらに10,000円かかります。

航空会社は年齢区分そのものが違います。ANAの国内線では、2026年10月時点で、2歳〜11歳が「小児」、生後8日〜1歳が「幼児」です。小児の運賃額は、「フレックス」「スタンダード」「シンプル」「セール」などでは大人運賃額の25%割引相当です。幼児は大人1名につき1名がひざの上に座れば無償で、大人1名につき幼児2名まで同伴でき、2人目は座席の確保が必要です。ほかの航空会社は区分が異なることがあるため、予約する会社の規定を確かめます。

時期をずらすと何が変わるか

同じ行き先でも、出発日によって交通費の条件が変わります。車で高速道路を使う家族旅行では、NEXCOの休日割引が使えない日があることを先に確かめておきます。

NEXCO西日本の案内では、休日割引は土・日・祝日に、入口料金所をETC無線通信で通過した軽自動車と普通車が対象です。ただし、ゴールデンウイーク、お盆、シルバーウイーク、年末年始、3連休は、観光需要の平準化や交通分散のために適用されません。家族旅行が集中しやすい日ほど、割引がない日に重なる形です。

宿泊旅行の単価も、時期によって差があります。2025年の四半期ごとの値では、1〜3月期が68,732円、4〜6月期が72,055円、7〜9月期が74,972円でした。夏休みを含む7〜9月期がいちばん高くなっています。

親の休みが平日に取れる場合、子どもの学校をどう扱うかが次の論点になります。平日に保護者と校外で学ぶ日を欠席扱いにしない「ラーケーション」を設けている自治体もあり、制度の内容は別の記事で整理しています。

予約サイトのキャンセル条件を先に読む

予算を守るうえで見落としやすいのが、取り消したときの費用です。旅行予約サイトでは、航空券や宿泊のプランごとにキャンセル条件が違い、「キャンセル料100%」のプランは予約が確定すると変更も取り消しもできず、全額が請求されます。

国民生活センターは2025年3月に、旅行予約サイトのトラブル事例を公表しています。5か月後の旅行のつもりで1泊約8万円の温泉宿を予約し、2時間後に取り消したところ、100%のキャンセル料金が発生したという相談です。航空券と宿泊がセットのプランでは、一方がキャンセル料無料でも、もう一方は条件が異なることがあると注意しています。

運営する事業者も確かめます。旅行業法の登録を受けた事業者は、登録番号や登録年月日をウェブサイトに掲示しています。海外事業者が運営するサイトには旅行業法が適用されず、日本語のサイトでも日本語で対応してもらえるとは限りません。予約確認画面のスクリーンショットと予約確認メールは、旅行が終わるまで残しておきます。困ったときは、消費者ホットラインで最寄りの消費生活センターを案内してもらえます。

旅行先の自治体が独自に宿泊割引やクーポンを出していることもあります。実施の有無、対象の期間や条件は自治体ごとに異なるため、予約の前に旅行先の都道府県・市町村の公式サイトで、その時点の内容を確かめてください。

予算の立て方

予算は、観光庁の統計の内訳に合わせて「交通費」「宿泊費」「飲食費」「買物代(お土産を含む)」「入場料や体験の費用」に分けて見積もると、どこを削れるかが見えやすくなります。交通費は子どもの年齢区分と座席の取り方、宿泊費は時期と取消条件で大きく動く費目です。

予約を早く入れるほど、取り消したときの費用が発生する期間も長くなります。子どもの発熱などで行けなくなったときに、どの時点から、どれだけの取消料がかかるのかを予約ごとに書き出しておくと、予算の「最悪の場合」も把握できます。

家族の人数が多いほど、1人あたりの差が総額で効きます。先に人数分の交通費を規定どおりに計算し、残りを宿泊と現地の費用に割り振ると、予算オーバーに早めに気づけます。

学校を休んで平日に旅行する場合の制度は、こちらの記事で整理しています。

旅行の費用を家計のどこから出すかは、家計の見直しの記事も参考になります。

出典

よくある質問

家族4人の国内旅行の予算はどのくらいを見込めばよいですか
観光庁の統計では、2025年の国内宿泊旅行は1人1回あたり平均72,412円で、4人分なら単純計算で289,648円です。これは旅行者全体の平均なので、子どもの交通費が半額や無料になる分を差し引き、行き先と時期に合わせて見積もり直します。
新幹線で未就学の子どもは無料ですか
JRでは1歳〜6歳未満の幼児は原則無料です。ただし、大人またはこども1人につき無料になる幼児は2人までで、幼児が1人で指定席を使う場合は「こども」の運賃・料金がかかります。
飛行機は何歳から子どもの運賃が必要ですか
航空会社で異なります。ANAの国内線では2026年10月時点で、2歳から「小児」として座席の購入が必要です。1歳までの幼児は、大人1名につき1名がひざの上に座れば無償です。
3連休に高速道路の休日割引は使えますか
NEXCOの休日割引は、3連休、ゴールデンウイーク、お盆、シルバーウイーク、年末年始には適用されません。対象となる日も、ETC無線通信で入口料金所を通過した軽自動車・普通車に限られます。
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この記事を書いた人

memStock編集部

memStock編集部は、家族の豊かな暮らしと家計管理を応援する記事制作チームです。ライフハック・節約・投資・保険など、日常生活とお金に関する実用的な情報を、確かな専門知識と多様な視点から分析・提供しています。読者の皆様が抱える日々の悩みや将来への不安を解消し、ワンランク上の生活を実現するためのヒントが詰まった記事をお届けします。 「家族の暮らしをより豊かに」をモットーに、わかりやすく実践的なコンテンツで皆様の人生設計をサポートします。

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この記事を監修した人

山田 尚貴

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業後、NTTPCコミュニケーションズでシステムエンジニアとして金融機関等のシステム運用などに携わる。2009年、株式会社エニドアを創業し代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスの開発・提供を行う。M&Aにより会社を売却後、上場企業のグループ会社の経営を6年行った後、株式会社modoを創業し代表取締役に就任。家族向けのサービスmemStockの開発を行う。 二級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種を保有。2児の父。

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