高校生の扶養控除は2027年も減らない

手当・税・制度memStock編集部
高校生の扶養控除は2027年も減らない

38万円と33万円。高校生の子の扶養控除は、2027年分の所得税でも38万円、2028年度分の住民税でも33万円のままです。高校生の扶養控除を25万円へ縮小する案について、2025年12月26日の令和8年度税制改正の大綱は「現行制度を維持する」と書き、結論を持ち越しました。次の令和9年度大綱は、2026年10月26日時点でまだ公表されていません。

高校生の扶養控除は2027年分も38万円のまま

2027年の年末調整でも、高校生の子の控除額は38万円のままの見込みです。令和8年度大綱が高校生年代について「令和9年分の所得税及び令和10年度分の個人住民税における取扱いについては現行制度を維持する」と書いているためです。

国税庁のタックスアンサーによると、2026年4月1日時点の所得税の扶養控除額は、一般の控除対象扶養親族で38万円です。控除対象扶養親族はその年の12月31日時点で16歳以上の扶養親族を指し、高校生年代はおおむねここに入ります。高校1年生でも12月31日にまだ15歳なら、その年分は控除の対象になりません。

住民税の33万円は、令和6年度大綱が「現行の一般部分(国税38万円、地方税33万円)」と書いた額です。大綱は所得税を「年分」、住民税を「年度分」で書き分けていて、2027年分の所得税と対になるのは2028年度分の住民税でした。

税 2026年10月時点の控除額 令和8年度大綱で維持とされた範囲 令和6年度大綱が示した縮小後の水準
所得税(国税) 38万円 2027年分(令和9年分)まで 25万円
住民税(地方税) 33万円 2028年度分(令和10年度分)まで 12万円

25万円への縮小案はどこから来たか

出どころは2023年12月22日の令和6年度大綱です。大綱は16〜18歳の扶養控除について、現行の一般部分に代えて「かつて高校実質無償化に伴い廃止された」「上乗せ部分(国税25万円、地方税12万円)を復元」する方向を示しました。

これは決まった控除額ではなく、見直しの方向性です。高校生年代の控除にはもともと上乗せがあり、それが高校実質無償化に合わせて外された経緯を、大綱自身が書いています。縮小案は、その上乗せ分の水準に戻すという組み立てでした。

児童手当との重なりも、よく話題になる点です。2026年10月時点のこども家庭庁の案内では、児童手当の対象は18歳になった後の最初の3月31日までの子で、3歳以上高校生年代までの月額は1万円(第3子以降は3万円)。高校生年代の子には、児童手当と38万円の扶養控除の両方がかかっています。ただし今回確認した令和6年度大綱の該当部分に、児童手当という語は出てきません。

大綱が触れている高校の無償化については、別の記事があります。

大綱の3年間で、何が書かれ何が先送りされたか

令和6年度大綱が縮小の方向を示し、令和8年度大綱は2027年分・2028年度分を現行のまま据え置いて「引き続き検討を進め、結論を得る」としました。間にある令和7年度大綱の記述は、今回の資料では確認できていません【未確認】。

大綱 公表日 高校生年代の扶養控除の記述 結論
令和6年度 2023年12月22日 上乗せ部分(国税25万円、地方税12万円)を復元する方向。給付や負担に不利益が出ないよう所管府省に措置を求める 方向性を示す。控除額は確定せず
令和7年度 【未確認】 【未確認】 【未確認】
令和8年度 2025年12月26日 令和9年分の所得税と令和10年度分の住民税は現行制度を維持。引き続き検討 維持し、結論は持ち越し
令和9年度 2026年10月26日時点で未公表 ― ―

令和8年度大綱の記述は2つの文に分かれています。1つ目で期間を区切って現行維持を書き、2つ目で検討の継続を書いています。維持の期限が「令和9年分」「令和10年度分」で切られているので、その先の扱いは次の大綱に回りました。

2026年10月時点で、高校生の扶養控除は「縮小が決まった」状態でも「廃止された」状態でもありません。

令和9年度大綱はどう書いたか

2026年10月26日時点で令和9年度税制改正大綱は公表されておらず、高校生年代を維持するか縮小するかはまだ書かれていません。財務省のサイトには「令和9年度税制改正要望」の索引が載っていますが、これは各府省庁が出した要望で、大綱の結論とは別のものです。

大綱が公表されたら、高校生年代の扶養控除の段落を探します。令和8年度大綱は「令和9年分の所得税及び令和10年度分の個人住民税」と、所得税の年分と住民税の年度分を組にして維持を書きました。縮小なら何年分から、維持ならいつまでかを、この組で読み取ります。

家計の関連記事です。

縮小された場合、家計のどこに効くか

所得税・住民税の課税所得や税額のほか、税の所得を目安に使う給付や負担にも影響が出る可能性があります。令和6年度大綱は見直しにあたり、「社会保障制度や教育等の給付や負担の水準に関して不利益が生じないよう」所管府省が措置を講じることを求めていました。

税の面では、案どおりなら控除が所得税で38万円から25万円、住民税で33万円から12万円に下がります。下げ幅は住民税のほうが大きい案でした。控除が小さくなるぶん税をかける所得が増えます。

給付や負担の側で、どの制度をどう扱うかは、令和6年度大綱の時点では各府省に委ねられていました。

子どもの側の要件も動いています。国税庁の案内では、扶養親族の合計所得金額の要件が58万円以下から62万円以下に引き上げられ、2026年12月1日施行、2026年分から適用されます。高校生の子がアルバイトをしている家では、控除額とは別に、扶養控除の所得要件としてこの金額も確認が必要です。

親自身の年末調整については、こちらの記事があります。

19〜22歳の受け皿と高校生年代の違い

高校生年代に大学生年代と同じような受け皿がない理由は、今回参照した資料からは確認できませんでした。確かめられたのは、高校生年代が児童手当の支給対象で、大学生年代は支給の対象から外れるという違いです。

大学生年代の扶養控除については、別の記事があります。

児童手当の側では、大学生年代の子は支給の対象から外れても、下の子の「第3子以降」を数える人数には入ります。こども家庭庁によると、このカウントの対象年齢は2024年10月から22歳の年度末までに延びました。数えるには、親などが監護に相当する世話をして生計費を負担していることが必要です。

下の子の児童手当については、こちらの記事があります。

令和9年度大綱が出たら、高校生年代の段落で令和10年分、つまり2028年分の所得税がどう書かれているかを確かめます。そこに維持とあれば、2028年の年末調整も38万円のままと読めます。

出典

すべて2026-10-26に確認。

よくある質問

高校生の扶養控除の縮小とは、どういうことですか?
高校生年代(16〜18歳)の扶養控除を、所得税38万円・住民税33万円から、所得税25万円・住民税12万円に下げる案です。2023年12月の令和6年度大綱が方向性を示しましたが、令和8年度大綱は2027年分の所得税と2028年度分の住民税を現行のまま維持しました。2026年10月時点で縮小は決まっていません。
高校生の子1人で、扶養控除はいくらですか?
2026年10月時点で、所得税は38万円、住民税は33万円です。その年の12月31日時点で16歳以上であることが条件で、子の合計所得金額は2026年分から62万円以下が要件です。
昔あった15歳以下の扶養控除は今もありますか?
2026年10月時点で、所得税の控除対象扶養親族はその年の12月31日時点で16歳以上の人です。15歳以下の子は扶養控除の対象になりません。15歳以下の子には児童手当があり、3歳以上なら月1万円(第3子以降は3万円)です。
高校生の子がアルバイトをしても扶養控除の対象になりますか?
所得税の扶養控除では、2026年分から子の合計所得金額が62万円以下なら対象になります。62万円は給与の額面ではなく所得の額で、給与収入に直した額はここでは載せていません。勤務先の年末調整の案内で確かめられます。

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