中学受験の学校選び、情報の集め方

教育・学校memStock編集部(更新: 2026年10月13日)
中学受験の学校選び、情報の集め方

塾に通い始めて中学受験が現実味を帯びると、候補の学校をどう探し、何を比べればよいかで迷います。ランキングや口コミより先に、学費の総額、授業料の支援、入試の決まり、学校が自ら公表している情報を、公的な資料で確かめておくと、家族で比べる土台がそろいます。

私立と国立の中学校に通う生徒は、2026年度で全体の約9%です。私立中学の学習費は公立の約2.9倍で、授業料への国の支援は高校からしかなく、中学校は東京都のように自治体が独自に支援している例があります。2026年10月時点の調査と制度を順に整理します。

私立・国立の中学校に通う生徒は約9%

文部科学省の「令和8年度学校基本調査」の速報(2026年5月1日現在)では、中学校の生徒数は3,060,031人で、前年度より約4万5千人減って過去最少になりました。設置者別では、国立が25,863人、公立が2,784,119人、私立が250,049人です。私立の割合は約8.2%、国立は約0.8%で、合わせて約9%が国立・私立の中学校に通っています。

区分 学校数 生徒数
国立 67校 25,863人
公立 8,913校 2,784,119人
私立 781校 250,049人
計 9,761校 3,060,031人

これとは別に、中学と高校の6年間を一つの学校で学ぶ中等教育学校が60校(国立4校、公立36校、私立20校)あり、35,185人が在学しています。中学受験をして国立・私立や公立の中高一貫校に進む生徒は、全体から見ると一部です。

私立中学の学習費は公立の約2.9倍

文部科学省の令和5年度「子供の学習費調査」(2026年1月の訂正版)では、保護者が1年間に支出した子ども1人当たりの学習費総額は、公立中学校が542,450円、私立中学校が1,560,359円でした。私立は公立の約2.9倍です。私立中学校の学習費総額は、前回の令和3年度調査の約143万6千円から約156万円に増えました。

区分(1年間) 公立中学校 私立中学校
学習費総額 542,450円 1,560,359円
うち学校教育費(授業料・入学金・施設費など) 150,761円 1,128,061円
うち学校外活動費(塾・習い事など) 356,018円 422,981円
3年間の合計 約163万円 約467万円

違いの大半は、学校に払う学校教育費です。学校教育費は私立が公立の約7.5倍で、私立中学校では学習費総額の72.3%を占めました。塾や習い事などの学校外活動費は、私立が公立の約1.2倍です。一方、公立中学校では学習費総額の65.6%が塾や習い事などの学校外活動費で、私立に進んでも塾や習い事の費用がなくなるわけではありません。幼稚園から大学までの教育費の全体像は、別の記事で整理しています。

私立中学の授業料支援は国になく、自治体ごと

公立の中学校は、教育基本法で「国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料を徴収しない」と定められています。私立中学校の授業料には、高校の「高等学校等就学支援金」のような国の支援制度はありません。文部科学省の就学支援金は、高等学校等の授業料を支援する制度です。

中学校の授業料は、自治体が独自に支援している例があります。東京都の「私立中学校等授業料軽減助成金」は、都内に住み私立中学校等に在学する生徒の保護者が対象で、所得制限はありません。助成額は年額10万円が上限で、2026年度(令和8年度)は臨時支援の2万円が加わり、合計12万円の範囲で保護者が負担した授業料が上限です。都外の私立中学校に通う場合も対象になります。2026年度の申請はオンラインで、受付期間は2026年9月1日から10月15日までとされていました。翌年度以降の受付時期は、東京都の案内で確かめます。

中高一貫の私立校に進む場合、高校段階からは国の「高等学校等就学支援金」の対象になります。2026年度からは所得制限がなくなり、私立高校(全日制)と私立の中等教育学校の後期課程の支給上限は年457,200円です。中学3年間は自治体の助成と家計で、高校3年間は国の支援金を差し引いて、と6年間を分けて見積もると、家計の見通しが立てやすくなります。

住んでいる自治体に同じような制度があるかは、都道府県や市区町村の私学助成の担当窓口で確かめます。家計の状況によって授業料などを減免する制度を設けている私立学校もあるので、候補の学校の募集要項や説明会で確認しておくと、入学後の負担を見積もりやすくなります。

公立中高一貫校は学力検査を行わない

公立にも、中学から高校まで6年間を見通して学ぶ中高一貫校があります。2026年度の学校基本調査の速報では、公立の中等教育学校は全国に36校あります。一つの学校で6年間学ぶ「中等教育学校」と、同じ設置者の中学校と高校をつなぐ「併設型」があり、学校教育法施行規則は、公立の中等教育学校と公立の併設型中学校の入学者の選抜で学力検査を行わないと定めています。

併設型の高校は、つながっている中学校の生徒について入学者の選抜を行いません。高校受験をせずに進学できる一方、入学時の選抜は学力検査ではない方法で行われ、具体的な選抜方法や日程は設置する都道府県・市の教育委員会が募集要項で公表します。中学校段階(中等教育学校では前期課程)は義務教育なので、公立校の授業料はかかりません。

私立と公立の中高一貫校を併願する家庭もあります。選抜方法が違うので、受検に向けた準備も異なります。志望校が決まる前に、候補の学校それぞれの募集要項を取り寄せて比べておきます。

学校評価の結果や説明会で確かめること

学校が自ら公表している情報も、学校選びの材料になります。学校教育法は、学校が教育活動その他の学校運営の状況に関する情報を保護者や地域住民に積極的に提供するよう定めています。学校教育法施行規則は、学校が自ら学校運営を評価して結果を公表すること(自己評価)を義務とし、保護者などの関係者による評価の結果を公表するよう努めることも定めています。これらは私立を含む中学校に適用され、評価の結果は学校の設置者(公立なら教育委員会、私立なら学校法人)に報告されます。

学校のウェブサイトに学校評価の結果が載っていれば、学校がどんな目標を立て、どこまで達成できたと自ら評価しているかが分かります。教育課程(授業時数や英語・ICTの取り組み)、卒業生の進路、生徒数の推移も、学校が公表する一次情報として確かめられます。

インターネットの口コミや掲示板の投稿は、書いた人の立場や書かれた時期が分からないことがあるため、学校の公表情報や説明会で聞いた内容と照らし合わせて読みます。説明会、授業公開、文化祭など、子どもと一緒に学校へ足を運べる機会を使い、通学時間や校舎の様子、授業の進め方を親子それぞれの目で見て、気づいたことを家族で話し合うと、候補を絞りやすくなります。

出典

よくある質問

私立中学に通う子どもはどれくらいいますか?
文部科学省の令和8年度学校基本調査(速報)では、中学校の生徒3,060,031人のうち私立は250,049人で約8.2%、国立は25,863人で約0.8%でした。これとは別に、中等教育学校に35,185人が在学しています。
私立中学の学費は3年間でいくらかかりますか?
文部科学省の令和5年度子供の学習費調査では、私立中学校の学習費総額は年1,560,359円、3年間で約467万円です。公立中学校は年542,450円、3年間で約163万円でした。塾や習い事の費用も含んだ金額です。
私立中学の授業料に国の支援はありますか?
国の授業料支援(高等学校等就学支援金)は高校が対象で、私立中学校にはありません。東京都は所得制限なしで年額10万円(2026年度は臨時支援を含め最大12万円)を助成しています。他の自治体は、住んでいる地域の窓口で確かめてください。
公立中高一貫校の入試に学力検査はありますか?
学校教育法施行規則で、公立の中等教育学校と公立の併設型中学校は、入学者の選抜で学力検査を行わないと定められています。選抜の方法や日程は、学校を設置する都道府県・市の教育委員会が公表する募集要項で確かめます。
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この記事を書いた人

memStock編集部

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この記事を監修した人

山田 尚貴

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業後、NTTPCコミュニケーションズでシステムエンジニアとして金融機関等のシステム運用などに携わる。2009年、株式会社エニドアを創業し代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスの開発・提供を行う。M&Aにより会社を売却後、上場企業のグループ会社の経営を6年行った後、株式会社modoを創業し代表取締役に就任。家族向けのサービスmemStockの開発を行う。 二級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種を保有。2児の父。

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