免許証の画像、どのサービスに預けたまま?

くらし・安全memStock編集部
免許証の画像、どのサービスに預けたまま?

個人情報の流出を家庭で防ぐ手立ては、免許証などの画像を預ける先を減らす、カード・銀行・携帯電話の通知を確認する、流出元をかたる連絡を公式サイトで確かめる、の3つです。事業者側の侵入対策とは別に、利用者側では通知と公式発表を確かめます。2026年10月時点の規則では、2027年4月1日から犯罪収益移転防止法(犯収法)の本人確認で書類画像を送る方式が廃止されます。改正は本人確認の方式を変えるもので、すでに預けた画像の扱いは各サービスで確かめる必要があります。

防げることと防げないことを分ける

家庭でできるのは、画像の預け先の確認と通知の設定、偽の連絡への対応です。事業者のシステムへの侵入を利用者側で止める方法は、今回確認した公的資料には示されていません。

タイムズカーの不正アクセスでは、パーク24が2026年9月25日に第1報を出し、10月23日に調査結果を公表しました。氏名や住所、運転免許情報などにアクセスされ外部送信された痕跡がある対象は6,628,007件。暗号化された本人確認書類画像では、アクセスと外部送信の両方の痕跡があるものが1,464,800件、アクセスの痕跡はあるが外部送信の痕跡が確認されなかったものが891,602件でした。

事業者の側では、IPAが2026年10月9日に事業者向けの注意喚起を出し、「不要な情報は持たない」という基本原則で保有情報を把握するよう求めています。家庭の側でできることを並べると次のとおりです。

項目 家庭で防げるか やること 根拠
事業者のシステムへの侵入 防げない パーク24は影響を受けた顧客に個別通知を実施 パーク24 第5報
預けた画像の数 減らせる 各サービスの保有期間を確認する パーク24 調査結果
なりすまし契約 完全には防げない 信用情報機関への本人申告(与信判断を拘束せず、悪用防止は保証されない) 全国銀行個人信用情報センター
流出元をかたる偽メール 被害を避けられる メール内のリンクを安易にクリックしない 警察庁 サイバー警察局便り
パスワードの使い回し 防げる 使い回さず、多要素認証を使う 警察庁 サイバー警察局便り

免許証画像を預けた先を数える

画像を預けた先は、家族それぞれが書き出してみないとわかりません。退会しても画像がすぐ消えるとは限らないので、書き出したサービスごとに保有期間を確かめます。

パーク24は本人確認書類画像を暗号化した状態で、会員期間中と退会後7年間保有していました。2026年10月23日の発表では、会員登録が完了したら画像を保有しない社内ルールに改め、保有中の画像は本人の申し出の有無にかかわらず2026年10月末までに削除するとしています。退会しても7年間は画像が残る運用だったことになります。

書き出す対象は、免許証やマイナンバーカードを撮って送った覚えのあるサービスです。使っていないものはヘルプやプライバシーポリシーで本人確認書類画像の保有期間を確かめてから退会し、記載がなければ問い合わせフォームで尋ねます。

画像の流出通知を受けた人が、免許証の再交付を考える前にすることは別の記事にまとめています。

なりすまし契約に早く気づく通知

クレジットカードの利用通知、銀行口座の入出金通知、携帯電話会社からの契約・手続きの通知を入れておきます。画像を使った申込みそのものは止められなくても、身に覚えのない動きに早く気づけば、止める手続きにすぐ移れます。

金融庁は2026年10月9日、金融機関等に対し、非対面の本人確認で書類の画像や顧客の容貌の画像に不自然な点がないかを確かめるよう求めました。

信用情報機関への本人申告も備えのひとつです。全国銀行個人信用情報センターは、本人申告は加盟会員の与信判断を拘束せず、悪用の防止効果を保証するものではないとし、預金口座の開設時には照会が行われないとも書いています。3つの機関の違いと申し込み方は、こちらで比べています。

パスワードを使い回さないことと多要素認証は、警察庁のサイバー警察局便りVol.19(2026年10月23日更新)も挙げています。どのパスワードから変えるかは、こちらの記事に順番があります。

流出元をかたる連絡の確かめ方

「本人確認のお願い」「見舞金のご案内」といった連絡はメールやSMSのリンクを開かず、自分で開いた公式サイトやアプリで確かめます。警察庁はサイバー警察局便りVol.19で、流出元の企業をかたる偽メールの可能性があるとして「メール内のリンクを安易にクリックしない!」と呼びかけています。

タイムズカーの件では、パーク24が影響を受けた顧客に個別通知を出しています。見舞いとして3,000円相当の現金または金券を渡す方針で、対象は本人確認書類画像へのアクセスと外部送信の両方の痕跡が確認された顧客です。2026年10月23日時点で、見舞いの内容と渡し方は検討中とされていました。

渡し方の発表より先に「受け取り手続きはこちら」と届くメールには、公式の発表と照らし合わせるまで手を付けません。不審な連絡が続くときは、警察庁の「サイバー事案に関する相談窓口」のページ(https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/soudan.html)で相談先を確かめられます。

2027年4月、犯収法対象取引の本人確認方式が変更

2027年4月1日から、犯収法の対象になる取引の本人確認では、非対面で書類の画像を送る方式と、書類の写しを送る方式が廃止されます。対面では、ICチップ付きの写真付き書類を提示し、ICチップの情報を読み取る形に変わります。改正規則は2025年6月24日に公布されました。

方式 2027年3月まで 2027年4月から 出典
非対面:書類画像と容貌画像を送る(旧ホ方式) 使える 廃止 警察庁 年次報告書
非対面:書類の写しを送り、転送不要郵便を組み合わせる(旧リ方式) 使える 廃止 警察庁 年次報告書
対面:写真付き書類の提示 提示で確認 ICチップ付き書類に限り、ICチップ情報の読み取りも必要 警察庁 年次報告書

申込みが施行日をまたぐときは境目に気をつけます。警察庁のQ&Aでは、施行前に旧方式で本人確認が完了していれば、施行後にやり直す必要はありません。一方、旧リ方式で施行前に書類を発送しても、事業者の受け取りが施行後なら、別の方式で改めて確認が必要です。

警察庁の資料には例外となる書類や方法もあり、すべての本人確認がICチップの読み取りだけになるわけではありません。改正は確認の方式を変えるもので、すでに預けた画像の削除まで定めたものとは確認できていません。預け先の確認は改正後も続けます。手元のカードの期限切れで手続きが止まらないよう、マイナンバーカードの期限の見方も確かめておけます。

家族で決めておくこと

実家の親や子どもとは、画像を預けたサービスの一覧と、「本人確認」「見舞金」の連絡が来たらリンクを開かずに家族へ一声かける約束を共有しておきます。一覧は紙1枚で足ります。

離れて住む親のネット口座は、通知を誰が受け取るかを親と相談して決めておきます。親の口座を家族で見守る方法は、こちらの記事にあります。

子どもが自分名義の口座や携帯電話を持つ年齢なら、その分も一覧に入れます。全国銀行個人信用情報センターの本人申告は未成年の本人も申し込め、親権者が法定代理人として申告することもできます。

次に家族がそろう夕食のあと、それぞれのスマホの写真フォルダに免許証を撮った画像が残っていないか確かめてみます。

出典

すべて2026-10-27に確認。

よくある質問

家族がタイムズカーの会員でした。不正利用を防ぐためにできることは?
パーク24は影響を受けた顧客に個別通知を出しているので、まず公式サイトから通知の内容を確かめます。そのうえでカード・銀行・携帯の通知を確認します。パーク24はクレジットカード番号全桁とセキュリティコードを保持していなかったと発表しています。
一度流出した個人情報は、もう対策できませんか?
流出後も、悪用に早く気づく手は打てます。通知の設定に加え、信用情報機関への本人申告もあります。全国銀行個人信用情報センターは、本人申告が悪用の防止効果を保証するものではないと説明しています。
個人情報が漏れると何が困るのですか?
氏名や住所、生年月日、免許証の情報がそろうと、流出元をかたる連絡がもっともらしくなります。金融庁は2026年10月9日、非対面の本人確認で書類画像に不自然な点がないか確かめるよう金融機関等に求めました。
個人情報が流出したら、不審なメールや電話にはどうすればいい?
メールやSMSのリンクは開かず、電話で聞かれたことにもその場では答えずに、自分で開いた公式サイトで発表を確かめます。不審な連絡が続くときは、警察庁の「サイバー事案に関する相談窓口」のページで相談先を確かめられます。
m
この記事を書いた人

memStock編集部

memStock編集部は、家族の豊かな暮らしと家計管理を応援する記事制作チームです。ライフハック・節約・投資・保険など、日常生活とお金に関する実用的な情報を、確かな専門知識と多様な視点から分析・提供しています。読者の皆様が抱える日々の悩みや将来への不安を解消し、ワンランク上の生活を実現するためのヒントが詰まった記事をお届けします。 「家族の暮らしをより豊かに」をモットーに、わかりやすく実践的なコンテンツで皆様の人生設計をサポートします。

関連記事