お小遣いは定額制を土台に報酬制を足す

子育てとお金memStock編集部
お小遣いは定額制を土台に報酬制を足す

お小遣いの報酬制は、この記事ではお手伝いをしたときにその分のお金を渡す方式を指し、毎月や毎週に決まった額を渡す定額制、必要なときに渡す都度制と区別します。2023年に小学生の親500人へ聞いたビズヒッツの調査では定額制39.2%が最多、報酬制が2番目でした。仕組みから見ると、定額制は限られたお金の使い方を、報酬制は働いて得ることを考える形です。どちらか一方に決めるほかに、定額を土台にして臨時の手伝いだけを報酬にし、家族の当番と分ける方法もあります。

報酬制・定額制・都度制はどれが多い?

親に聞いた調査では定額制が最も多く、報酬制が2番目です。ただし調査ごとに聞いた相手と答え方が違い、割合を横に並べて比べることはできません。

ビズヒッツの調査は2023年5月24日〜6月1日に、小学生の親500人へインターネットで行われました。おこづかいを渡している親は66.8%。その334人に渡し方を聞くと定額制39.2%が最多で、報酬制、都度制、定額制と報酬制の併用の順に続きました。報酬制より下の割合は公表ページの図の中にあり、文字で確かめられた範囲は順位まででした。

下の表には、子ども本人に聞き、複数を選べる答え方をとった調査も含まれます。

調査(時期) 誰に聞いたか 定額でもらう お手伝いでもらう 答え方
ビズヒッツ(2023年5〜6月) 小学生の親(渡している334人) 定額制39.2%(最多) 報酬制は2番目 渡し方の分類
学研 小学生白書(2023年10月) 小学1〜6年生1,200人(保護者付き添い) 42.2% ―(申告制は45.9%) 現金と電子マネーの重複あり得る
博報堂教育財団(2023年) おこづかいをもらう小4〜中3の531人 51.2% 29.9% 複数回答
博報堂教育財団(2026年2月) 小4〜中3 小44.8%・中61.5% 小34.3%・中17.8% 区分に重なりあり
HugKum読者調査(2022年1月公開) 3〜12歳の子の親(時期・人数の記載なし) 月1回45.6% 報酬制7.3% 記載なし

同じ博報堂教育財団の2026年調査の中だけで見ると、学年の差が出ています。お手伝いをしたときにもらう子は小学4〜6年生で34.3%、中学生で17.8%。定額でもらう子は小学生44.8%、中学生61.5%でした。

全国の学校を通じて子ども本人に聞いた調査には、金融広報中央委員会の2015年度「子どものくらしとお金に関する調査」があり、290校の5万149人が答えています。この委員会の調査を引き継いだJ-FLEC(金融経済教育推進機構)の調査一覧にも、2026年10月時点で次の回は載っていません。後継がないとまでは言い切れませんが、全国規模の子ども本人調査としてはこれが最新とみられます。

学年ごとのおこづかいの金額は、同じ回の記事で調査ごとに分けて見ています。

定額制は「使い方」、報酬制は「稼ぎ方」

仕組み上、定額制では決まった額の中で何を買い、何をあきらめるかを選ぶ形になります。報酬制は、手伝った分だけ手元のお金が増える仕組みです。表も含めて仕組みから見た区分で、教育効果を比べた研究に基づくものではありません。

方式 子どもが繰り返すこと 経験しにくいこと 親が先に決めること
定額制 決まった額の中で買う物を選ぶ 働いて収入が増えること 額と、おこづかいで買う物の範囲
報酬制 手伝った回数で収入が変わる 収入が一定の中でのやりくり 払う手伝いと払わない手伝いの線、1回の額
都度制 必要なときに親へ相談する 自分で予算を組むこと 何なら出すかの基準
定額制+報酬制 (運用例)定額でやりくりし、足りない分を臨時の手伝いで補う ― 固定分の額と、報酬を付ける仕事の一覧

額を先に決める定額制だけの家では、もらう額は子どもの行動と関係なく決まります。手伝いをしてもしなくても同じ額なので、働くこととお金の結びつきは別の場面で話すことになります。

報酬制だけの家で1回ごとに払うなら、月の収入は手伝いの回数しだいで上下します。行事が続く月や体調を崩した月には、収入が減ることもあります。欲しい物に向けて何か月か貯める計画を組むときは、収入の見通しも親子で確かめます。

子ども本人が答えた学研の2023年調査では、「申告制でもらっている」が45.9%、「定額制でもらっている」が42.2%でした。親に聞く調査とは違う言葉で尋ねているため、ビズヒッツの都度制と同じものとして数字を並べることはしません。

報酬制がうまくいかない典型

報酬制を始める前に決めておくのは、払う手伝いの範囲、成績を報酬に含めるかどうか、1回の額が月の合計でいくらになるかです。決めずに始めると、途中で条件を変えることになりかねません。

払う範囲が曖昧なままだと、「お金をくれないならやらない」という返事が出ることもあります。自分の食器を下げる、翌日の準備をするといった本人の分の家事まで報酬にすると、払わない家事との区別が曖昧になります。家族の用事として頼んだことまで取引になり、断る理由を子どもに渡してしまいます。

成績連動は手伝いと性質が違います。博報堂教育財団の2023年調査では、おこづかいをもらう小4〜中3の531人のうち23.0%が、テストや成績でもらうと答えていました。手伝いはやれば終わりますが、点数は手伝いを終えたかどうかとは別の基準で決まります。点数が下がった月の減額をどう説明するか、始める前に親が決めておく必要があります。

1回の額は、単独で見ると決めにくい数字です。計算例として、1回10円の手伝いを毎日2回すると30日で600円、同じ条件で1回50円なら3,000円になります。2015年度の全国調査では、月に1回もらう小学校中学年のおこづかいの中央値が500円、高学年が1,000円でした。家計から出せる月の上限と、子どもが欲しい物の値段の両方に合うかを月の合計で確かめてから、1回の額を決めます。

併用するなら、どこを定額にしてどこを報酬にするか

固定分は「おこづかいで買う物の範囲」から額を決め、報酬は家族の誰かの代わりに引き受ける臨時の仕事にだけ付けます。毎日の当番は定額の前提として、報酬の外に置きます。

区分 例 お金
自分のこと 自分の食器を下げる、翌日の準備、自分の部屋の片付け 払わない
家族の当番 風呂掃除、洗濯物をたたむなど家族で分けている家事 払わない(定額の前提)
臨時の仕事 網戸の掃除、年末の窓拭き、車の中の掃除など普段は親がやる仕事 1回ごとに払う

固定分の額は、おやつ、文房具、友達と出かけたときの飲み物など、どこまでを子どもの財布から出すかで変わります。範囲を決めずに額だけ決めると、足りなくなるたびに追加で渡すことになり、どの方式なのか親子ともに分からなくなります。

臨時の仕事は一覧にして、家族の目に入る場所に貼っておくと、子どもが選ぶときに確かめられます。当番は断れない、臨時の仕事は選べる、と分けておけば、どちらの仕事かを親子で見分けやすくなります。

当番を家族の誰がどれだけ持つかは、共働きの家事分担を扱った記事の決め方がそのまま使えます。

家事にかかる時間が統計でどう数えられているかを知ると、子どもに任せる仕事の重さも測りやすくなります。

中学生になったら続ける?やめる?

やめるか続けるかの二択にせず、定額を増やして報酬を臨時の仕事だけに絞る時期として考えると切り替えやすくなります。2026年の博報堂教育財団の調査では中学生の1か月のおこづかいは平均3,234円で、定額でもらう中学生が61.5%でした。

切り替えるときは、直近数か月に報酬として渡した額をならし、その分を定額に上乗せします。子どもから見て収入が減らない形なら、「報酬制をやめる」が罰に聞こえません。進級など家庭で区切りのよい月に話すと切り出しやすくなります。

子どもが報酬制を続けたいと言うなら、中学生向けの仕事に変える方法もあります。家族の夕食を1回作る、週末の買い出しを任せるといった時間と段取りが要る仕事なら、1回の額を上げても釣り合います。

貯めたお金をどこに置くかを考える段階になったら、こちらの記事につながります。

4月を待たなくても、次におこづかいを渡す日に家の手伝いを「払う」「払わない」の2列に分けて子どもと書き出せば、どこまでを報酬にするかの話は始められます。

出典

すべて2026-10-18に確認。

よくある質問

お手伝い1回10円は少ないですか?
1回10円が少ないかどうかは、1回の額だけでは決められません。今回確認した調査には、お手伝い1回あたりの額を集計したものはありませんでした。1回10円でも毎日2回で30日なら月600円になるため、月の合計をおこづかいで買う物の範囲と比べて決めます。
お手伝いの料金表はどう作ればいいですか?
料金表は、先に「払わない家事」を書き出し、残った臨時の仕事にだけ額を付けます。時間がかかる仕事ほど1回の額を上げ、月の合計が家計で出せる上限を超えないかを確かめます。表は子どもが見える場所に貼り、断れる仕事かどうかも書いておきます。
中学生でもお手伝い制は続けられますか?
中学生でも続けられますが、報酬の対象を中学生に合う仕事に変えると続けやすくなります。2026年の博報堂教育財団の調査では、お手伝いをしたときにもらう中学生は17.8%、定額でもらう中学生は61.5%でした。定額を土台に、夕食作りなど時間のかかる仕事にだけ報酬を残す形もあります。
「お金をくれないならやらない」と言われたら?
そう言われたら、報酬の対象と家族の当番を分け直すきっかけにします。自分のことと家族の当番は報酬の外に置き、断れない仕事として決め直します。そのうえで、臨時の仕事だけを報酬つきで選べるようにします。

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