住宅ローン金利の仕組みと選び方

住まい・ローンmemStock編集部(更新: 2026年10月13日)
住宅ローン金利の仕組みと選び方

住宅の購入を考えはじめて金融機関のサイトを見比べると、「変動」「10年固定」「全期間固定」と金利が並び、つい数字の低さだけで選びたくなります。けれども、金利のタイプと返済方法の組み合わせによって、35年間に払う利息の総額も、途中で返済額が変わるかどうかも違ってきます。

日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、その後の利上げで、2026年9月には政策金利を1.25%程度に引き上げました。金利が動く前提に立って、住宅ローン金利の仕組みを順に見ていきます。

金利タイプは3つに分かれる

住宅ローンの金利タイプは、全期間固定金利型、固定金利期間選択型、変動金利型の3つです。

全期間固定金利型は、借りたときの金利が返済終了まで変わりません。借りた後に市場金利が上がっても返済額は増えず、借入時に返済計画全体が確定します。その代わり、市場金利が下がっても返済額は減りません。住宅金融支援機構と民間金融機関が提携するフラット35は、このタイプです。

固定金利期間選択型は、「当初10年間○%」のように、一定期間だけ固定金利が適用されるタイプです。固定期間が終わると、その時点の金利で固定か変動かを選び直します。固定期間中の返済額は確定しますが、終了後の返済額は借入時点ではわかりません。

変動金利型は、返済の途中でも定期的に金利が見直されるタイプです。見直しは半年に1回が一般的です。全期間固定金利型より金利が低く設定されるのは、金利が変動するリスクを借りる側が負うためです。

住宅金融支援機構の調査(2026年1月調査、2025年4月〜9月に借りた人が対象)では、利用した金利タイプは変動型が75.0%、固定期間選択型が14.9%、全期間固定型が10.1%でした。変動型は前回の2025年4月調査より4.0ポイント減っています。金融機関を対象にした国土交通省の調査でも、2024年度の民間住宅ローンの新規貸出額のうち83.5%を変動金利型が占めました。

金利はどうやって決まるのか

変動金利型と全期間固定金利型では、金利を動かすもとになる金利が違います。

変動金利型の金利は、日本銀行の政策金利の影響を受けます。国土交通省の資料では、民間の変動金利型住宅ローンは短期プライムレートを基準に、年2回適用金利が変わる仕組みが業界の標準として紹介されています。短期プライムレートは、銀行が優良企業向けの1年未満の貸出に使う最も低い金利で、日銀の利上げに合わせて引き上げられてきました。くわしい推移は短期プライムレートの記事で取り上げています。

全期間固定金利型の金利は、10年物国債の利回り(長期金利)の影響を受けます。住宅金融支援機構は、固定金利型の住宅ローン金利は将来の物価上昇率や経済成長が反映されやすく、変動金利型に先行して上がる傾向があると説明しています。

金利が決まる時点にも違いがあります。フラット35とほとんどの民間ローンでは、申し込んだ時点ではなく、実際にお金が貸し出された時点の金利(実行時金利)が適用されます。申し込みから引き渡しまで期間が空く新築マンションなどでは、その間に金利が上がれば資金計画が変わります。

変動金利型の「5年ルール」「125%ルール」

変動金利型でよく見かけるのが「5年ルール」と「125%ルール」です。金利が5年間固定されるという意味ではありません。

変動金利型では、金利は半年ごとに見直されます。一方で、毎月の返済額の見直しは5年ごとで、見直し後の返済額は変更前の1.25倍までとする契約が一般的です。金利が上がっても、5年間は返済額が変わらず、返済額のうち利息に回る分が増えて元金の減りが遅くなります。

金利が大きく上がり、毎月の利息が返済額を上回ると、払いきれなかった利息は「未払利息」として繰り延べられます。1.25倍の上限を超えた分も、払わなくてよくなるわけではありません。

この2つのルールは法令で決まったものではなく、金融機関が商品ごとに定めています。住宅金融支援機構の職員レポートも、変動型の住宅ローンに「5年・125%ルール」はあるものの、すべての商品に適用されているわけではないと指摘しています。ルールがない商品では、返済額の変わり方も契約ごとに異なります。契約書や商品説明書で、返済額がいつ、どこまで変わるのかを確かめてください。

元利均等返済と元金均等返済

返済方法は、元利均等返済と元金均等返済の2つです。

元利均等返済は、毎月の返済額(元金+利息)が一定になる方法です。返済計画が立てやすく、返済を始めたころの負担は元金均等返済より軽くなります。その代わり、元金の減り方が遅く、同じ借入期間なら総返済額は多くなります。

元金均等返済は、毎月返す元金の額を一定にする方法です。利息は残高にかかるので、返済が進むほど返済額は減っていきます。元金が早く減るため総返済額は少なくなりますが、返済開始当初の負担がいちばん重く、借入時に必要な収入も高くなります。

3,000万円を年1.5%の固定金利・35年(420回)で借りた場合を計算すると、次のようになります(ボーナス払いなし)。

毎月の返済額 利息の総額
元利均等返済 9万1,855円(毎月一定) 約858万円
元金均等返済 初回10万8,929円 → 最終回7万1,518円 約789万円

元金均等返済のほうが利息は約69万円少なくなりますが、最初の返済額は元利均等返済より1万7,000円ほど高くなります。子どもの教育費が増える時期と返済の重い時期が重ならないかも、あわせて見ておくと安心です。なお、5年ルールと125%ルールは、変動金利型を元利均等返済で借りた場合の仕組みです。

金利タイプを選ぶときの考え方

住宅金融支援機構は、変動金利型が向くのは、金利が上がって返済額が増えても家計が対応できる人や、返済期間が短く影響が小さい人だとしています。全期間固定金利型が向くのは、返済額が増えると返済が難しくなる人や、教育費などの増加に備えて返済額を固定しておきたい人です。

同じ機構の調査では、今後1年間の住宅ローン金利について「現状よりも上昇する」と答えた人が73.7%いました。一方で、金利が上がったときに返済額がどれくらい増えるかを「理解しているか少し不安」「よく理解していない」「全く理解していない」と答えた人は合わせて52.0%でした。

変動金利型を選ぶなら、金利が1%、2%上がったときの返済額を借りる前に計算しておくと、家計で受け止められるかを判断しやすくなります。変動金利型で借りた後の備え方は、別の記事で具体的に取り上げています。

変動金利型の基準になる短期プライムレートの動きと、返済額への影響はこちらで解説しています。

全期間固定金利型のフラット35については、こちらの記事が参考になります。

出典

よくある質問

変動金利型は5年間、金利が変わらないのですか?
変わります。変動金利型の金利は半年に1回見直されるのが一般的です。5年ごとに見直されるのは毎月の返済額で、その間に金利が上がると、返済額のうち利息に回る分が増えます。
5年ルールと125%ルールは、どの住宅ローンにもありますか?
ありません。金融機関が商品ごとに定める仕組みで、すべての商品に適用されているわけではありません。固定金利期間選択型の固定期間や、元金均等返済では仕組みが異なります。契約前に商品説明書で確認してください。
住宅ローンの金利は、申し込んだときの金利で決まりますか?
フラット35とほとんどの民間ローンは、融資が実行された時点の金利が適用されます。申し込みから実行まで時間がかかる場合は、その間の金利の変化も見込んで資金計画を立ててください。
元利均等返済と元金均等返済は、どちらが得ですか?
同じ金利・期間なら、利息の総額は元金均等返済のほうが少なくなります。ただし返済開始当初の返済額が高く、借入時に必要な収入も高くなります。毎月の返済額を一定にしたいなら元利均等返済が向いています。
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この記事を書いた人

memStock編集部

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この記事を監修した人

山田 尚貴

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業後、NTTPCコミュニケーションズでシステムエンジニアとして金融機関等のシステム運用などに携わる。2009年、株式会社エニドアを創業し代表取締役に就任。クラウドソーシングサービスの開発・提供を行う。M&Aにより会社を売却後、上場企業のグループ会社の経営を6年行った後、株式会社modoを創業し代表取締役に就任。家族向けのサービスmemStockの開発を行う。 二級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種を保有。2児の父。

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