赤ちゃんの防災備蓄、離乳食は何日分?

防災・家庭の安全memStock編集部(更新: 2026年10月22日)
赤ちゃんの防災備蓄、離乳食は何日分?

赤ちゃんの防災備蓄にかかわる国の目安は3日、1週間、2週間の3通りです。家庭全体の食料や水は防災基本計画が「最低3日間、推奨1週間」とし、離乳食は農林水産省のガイドが「少なくとも2週間分」を推奨しています(2026年10月時点)。離乳食は月齢で中身が変わるので、成長に合わせて入れ替えます。

家庭全体の「3日分・1週間」とは別に離乳食を備える

3日と1週間は大人を含む家庭全体の食料や水の目安です。離乳食について農林水産省は乳幼児向けのガイドを別に作り、「少なくとも2週間分」としています。

防災基本計画は2026年7月14日に修正された最新版でも、家庭で「最低3日間、推奨1週間」分の食料、飲料水、携帯トイレ・簡易トイレなどを備えるよう普及啓発を進めるとしています。農林水産省の一般向けの食品ストックガイドも「最低3日分~1週間分×人数分」の家庭備蓄が望ましいとしています。

出典 対象 日数 出た年・文脈
防災基本計画(中央防災会議) 家庭の食料・飲料水・トイレ用品など 最低3日間、推奨1週間 2026年7月14日修正の最新版
農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」 家庭の食品(人数分) 最低3日分~1週間分 一般家庭向けのガイド
内閣府 広報誌「ぼうさい」第73号 家庭の備蓄 「1週間以上」が望ましいとの指摘を紹介 2013年度。南海トラフ巨大地震を想定した指摘
農林水産省「要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド」 瓶詰・レトルトの離乳食 少なくとも2週間分 2019年3月
農林水産省北陸農政局「乳幼児の備え」 瓶詰・レトルトの離乳食 少なくとも2週間分 2025年2月。2019年のガイドが出典

表の数字は対象ごとに違い、どれかが誤っているわけではありません。家庭全体の食料は3日から1週間、離乳食は2週間です。大人と同じ日数で離乳食を数えると、ガイドの2週間分に届きません。

ミルクを家庭で何日分備えるかという数字は、今回確認した資料には見当たりませんでした。日本栄養士会は2018年11月19日に「赤ちゃん防災プロジェクト」を立ち上げ、粉ミルクと液体ミルクの備蓄推進を掲げています。ただ、発足資料に家庭で何日分という数量は書かれていません。

家で過ごす在宅避難を前提にした備えの組み立て方は、こちらの記事で扱っています。

ミルクは日数で決める。液体か粉かで備える物が変わる

ミルクを何日分備えるかの国の数字は今回確認した資料に見当たらないため、ここでは家庭全体の日数(最低3日、推奨1週間)を仮の目安にし、1日に飲む量を掛けて量を決めます。液体ミルクは調乳がいらず、粉ミルクには哺乳瓶などの道具を備えます。

液体ミルク 粉ミルク
調乳 不要。温めずにそのまま授乳できる 必要。調乳用の飲料水を備える
道具 確認した資料に記載なし 哺乳瓶。なければ紙コップやスプーンなどでもよい
開封後 すぐに使い、飲み残しは与えない ―
保存期間の目安 紙パック約6か月、缶約1年。製品の賞味期限表示で確認 ―

液体ミルクは2018年8月8日に安全基準を定める改正省令などが施行され、基準に合う製品を国内で製造・販売できるようになりました。消費者庁の案内(2023年9月)によると、調乳の手間がなく、温めずにそのまま授乳できます。開封したらすぐに使い、飲み残しは与えません。

保存期間は容器で違います。同じ案内は紙パックで約6か月、缶で約1年としたうえで、表示の賞味期限を確認するよう書いています。期間は製品によって変わるので、買った物の箱に書かれた日付が基準です。

粉ミルクで備えるなら、農林水産省のガイドの「粉ミルクの作り方」のページは、哺乳瓶がなければ紙コップやスプーンなどでもよいとしています。国のガイドは粉ミルクでの備え方も示していて、液体ミルクだけが選択肢というわけではありません。

ミルクの量は、あとで触れる見直しの日にまとめて決め直します。

離乳食は月齢で決める。段階が進んだら入れ替える

離乳食はいまの月齢に合う瓶詰やレトルトを少なくとも2週間分置き、次の段階に進むときに入れ替えます。農林水産省の要配慮者向けガイド(2019年3月)は2週間分の備蓄を推奨したうえで、「次のステップへ進むときは、前の月齢のものを消費しつつ、次の月齢のものを買い足して備えるようにしましょう」と書いています。

北陸農政局が2025年2月に出したポスターも、同じガイドを出典に2週間分を示しました。2週間分の数は、いま1日に何回離乳食を食べているかに14を掛ければ出せます。

備えた日と開ける日は離れています。次の段階の物を前もって少し入れておくかどうかは、確認した資料に記述がなく、家庭ごとの判断になります。

段階ごとにどの品目を置くかは、ガイドの乳幼児の章で月齢ごとに確かめます。量の目安は2週間のままで、中身は段階が進むたびに入れ替えます。

母乳育児でも備える物がある

母乳で育てている家庭も、母乳で足りないときの分を備えます。農林水産省のガイドは足りない分を粉ミルクで補えるとして、粉ミルクと哺乳瓶、紙コップやスプーンを挙げています。

同じガイドは、災害時に困ったときの相談先にも触れています。困ったときは医療や栄養のスタッフに相談し、「お母さんは頑張り過ぎないようにしましょう」という呼びかけでした。

母乳の家庭で置く粉ミルクの賞味期限も、次の見直しの日に一緒に確かめます。

見直しの日を決める。ローリングストックで月齢に追いつく

離乳食は月齢の段階が進むたびに入れ替えます。ミルクと家庭全体の備蓄をいつ見直すかは今回確認した資料に定めが見当たらないため、家庭で日を決めておきます。

離乳食の入れ替えはローリングストックの形で、前の月齢の物を食べながら次の月齢の物を足していきます。賞味期限の管理と入れ替えの基本は、こちらの記事が詳しく扱っています。

液体ミルクは年1回の見直しでは間に合わないことがあります。消費者庁の案内の目安では紙パックが約6か月なので、紙パックを置くなら半年ごとに箱の日付を見ます。缶の約1年も目安で、買った製品の表示が基準です。

見直しの日を正月三が日にすると、災害用伝言ダイヤルの体験利用期間と重なります。NTT東日本は1月1日0時から1月3日24時までを体験利用の期間としています。災害用伝言ダイヤルを家族で試す手順は、同じ回の記事で取り上げています。

次に離乳食を買い足すときは、1日の回数に14を掛けた数が棚にそろっているかを数えます。

出典

すべて2026-10-18に確認。

よくある質問

赤ちゃんと小さい子どもがいる家族は、食べ物を何から備えればいい?
赤ちゃんと小さい子どもがいる家族は、家庭全体の食料と水を最低3日分、推奨1週間分(防災基本計画、2026年10月時点)そろえ、そのうえで赤ちゃんの分を足します。離乳食は瓶詰やレトルトを少なくとも2週間分が農林水産省のガイドの推奨です。粉ミルクなら哺乳瓶なども備えます。
とっさに避難するとき、赤ちゃんの食べ物は何を持ち出せばいい?
とっさに避難するとき、液体ミルクは調乳も温めもいらずにそのまま授乳できますが、開封後はすぐに使い、飲み残しは与えません。粉ミルクを持ち出すなら、哺乳瓶の代わりに紙コップやスプーンでもよいとガイドは書いています。
3日分の水や食料を買うほかに、やっておくことは?
赤ちゃんの離乳食は3日分では足りず、農林水産省のガイドは少なくとも2週間分を推奨しています。月齢が進んだら前の物を食べきって次の月齢の物を買い足す、入れ替えの段取りも決めておきます。正月三が日に災害用伝言ダイヤルの体験利用で家族の伝言を試す家庭もあります。
生後半年の子がいます。いまから何を備えればいい?
生後半年の子なら、食べ始めた月齢に合う瓶詰やレトルトの離乳食を2週間分置きます。ミルクを何日分備えるかの国の数字は確認した資料に見当たらないため、家庭全体の日数を仮の目安にします。次の段階に進むときは、前の月齢の物を食べながら次の月齢の物を買い足します。液体ミルクの紙パックは保存期間の目安が約6か月なので、箱の日付も見ておきます。

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