共働きの就学援助、年収いくらまで対象?

教育費・進学memStock編集部
共働きの就学援助、年収いくらまで対象?

4人世帯で就学援助の対象になる給与収入の目安は、熊本市で438万円(2026年度)、杉並区で約608万円(2025年度)でした。大田区では、共働きでも夫婦双方を含む世帯全員の前年所得を合算し、区の基準と比べて判定します。全国共通の年収の線はなく、同じ4人世帯でも子どもの年齢などで目安額は変わります。

就学援助の対象、大田区は「世帯の所得」で判定

大田区の所得基準の判定では、親の働き方ではなく、同じ家計で暮らす世帯全員の前年の所得の合計を見ます。共働きなら夫婦2人を含む世帯の所得を合算し、区の基準と比べます。

学校教育法では、経済的な理由で就学が難しい子どもの保護者に、市町村が必要な援助を与えるものとされています。国の補助があるのは要保護者の分。準要保護者への援助は各市町村が単独で行い、認定基準も市町村が決めています(2026年度時点)。

大田区の案内は判定に使う額を「同一生計を営む世帯全員の前年中の所得の合計(総所得金額等)」としています。夫か妻のどちらか一方の所得だけで判定するわけではありません。

2024年度に就学援助を受けた要保護・準要保護の児童生徒は、全国で1,168,756人でした。公立小中学生に占める割合は13.31%で、おおよそ7〜8人に1人にあたります。

名前の似た高校の「高等学校等就学支援金」は授業料を支援する別の制度です。高校で授業料以外に残る負担は、こちらの記事で整理しています。

年収と所得、目安表はどちらの数字で見る?

大田区の2026年度の表では、4人世帯の所得の目安407万円に対し、参考として載っている給与収入の目安は563万円です。同じ世帯でも、所得で見るか収入で見るかで156万円違います。葉山町(2025年度)も、4人モデルの目安400万円は総所得で、給与収入の額ではないと書いています。

自治体のページに「年収○万円」とあっても、どちらの数字かを先に確かめます。広島市(2025年度)は給与収入の目安を世帯合計で示しながら、認定そのものは年間の総所得と比べて審査するとしています。どの控除を引いた額で比べるのかは、自治体の案内の注記まで読んで確かめます。

4人世帯の目安、区と市でこれだけ違う

4人世帯の給与収入の目安は、下の表の自治体だけでも熊本市の438万円から杉並区の約608万円まで、170万円ほど開いていました。基準の決め方も、生活保護基準額の1.4倍以下とする宗像市、1.5倍以下とする葉山町のように自治体で違います。

自治体 4人世帯の目安 判定の基準 年度・世帯モデル
杉並区 給与収入 約608万円以下 ―(認定の例示) 2025年度・父母、中学生、小学生
大田区 所得407万円(給与収入563万円は参考) 世帯全員の前年所得の合計 2026年度・父35歳、母30歳、小4、4歳
広島市 給与収入 約527万円(世帯合計) 年間総所得で審査 2025年度・父母、中2、小3
宗像市 給与収入445万円 生活保護基準額の1.4倍以下 2026年度
熊本市 所得307万円(給与収入438万円) ― 2026年度
葉山町 総所得400万円(給与収入ではない) 生活保護基準額の1.5倍以下 2025年度

年度と世帯の組み合わせがそろっていないため、表の数字を横に並べて単純に比べることはできません。杉並区の約608万円は2025年度の父母・中学生・小学生の例で、2026年度の値は確認できていません。大田区のモデルは小4と4歳の子がいる世帯です。同じ4人でも、子どもの年齢が違えば目安額は動きます。

倍率は自治体が決める部分です。同じ基準額にかけるなら、1.5倍のほうが1.4倍より線は高くなります。宗像市はひとり親世帯や賃貸住宅に住む世帯について、基準を緩める扱いも設けています。

世帯の給与収入が600万円ちょうどの共働き4人世帯なら、杉並区の2025年度の例では目安の内側、大田区の2026年度の給与収入目安563万円では外側にあたります。どちらも目安です。大田区では、認定は世帯全員の所得の合計で判定します。

何がいくら出る?国の補助単価と自治体の支給額

国の補助単価では、2026年度の新入学児童生徒学用品費等が小学校64,300円、中学校81,000円です。国が補助対象として示す品目には、ほかに学用品費、体育実技用具費、通学用品費などがあります。準要保護世帯に何がいくら出るかは市区町村が決めるので、費目と金額は自治体の一覧で確かめます。

金額の手がかりは国の補助単価です。2026年度、入学準備にあてる新入学児童生徒学用品費等の単価が引き上げられました。

新入学児童生徒学用品費等(国の補助単価) 小学校 中学校
引き上げ前 57,060円 63,000円
2026年度 64,300円 81,000円

この単価は国が補助する要保護者の分の額です。準要保護世帯への支給額は市区町村が別に決めるため、表と同じ額が出るとは限りません。私立校の扱いも一律ではなく、熊本市は2026年度の案内で私立中学校を対象外としています。

入学前に前倒しで受け取れるかどうかは、別の記事で扱っています。

給食費の負担がどう決まるかは、こちらの記事にまとめています。

申請時期の例:広島市は随時、大田区・宗像市は家計急変も対象

広島市(2025年度)は申請を随時受け付け、5月以降に申請した場合は申請した月からの認定でした。

広島市の書き方からは、4月中に申請すれば年度の初めから認定される扱いと読めます。5月以降は、申請が遅れた月の分がさかのぼらない仕組み。さかのぼりの可否は自治体で違うため、締切と認定の開始月の2つを自分の自治体の案内で確かめます。

前年の所得が基準を超えていても、今年に入って失職や減収があった世帯には別の道があります。大田区は直近で家計が急変した世帯に、当年の所得見込みなどによる特例審査を設けています(2026年3月時点)。宗像市も2026年度の案内で、家計急変を申請の対象に含めています。

共働きで迷ったら、試算を頼む前に用意するもの

用意するのは、世帯全員の人数と年齢、夫婦それぞれの前年の所得、住まいが賃貸かどうかの情報です。大田区のように世帯全員の前年所得の合計で判定する自治体では、夫婦どちらの所得も合計に入ります。

子どもの学年と年齢、同じ家計で暮らす祖父母の有無も書き出しておきます。杉並区は世帯員の年齢などで目安額が変わるとし、大田区はモデル世帯の年齢まで示しているので、自分の世帯に近い欄を選ぶときに使えます。賃貸なら家賃の額も控えておきます。宗像市のように、賃貸住宅に住む世帯の基準を緩める自治体があるためです。

制度の概要と自治体の窓口は、文部科学省の就学援助ポータルサイトから確かめられます。

子どもが大学に進むころの多子世帯向けの授業料等減免では、収入とは別に、住民税上の扶養の数え方が判定にかかわります。

大田区のように合算で判定する自治体なら、夫婦それぞれの前年の所得を足し、その数字を住んでいる市区町村の表の、同じ人数の欄に当ててみる。目安の近くにいると分かれば、自治体の就学援助のページで今年度の申請期間を確かめるところまで、その日のうちに進められます。

出典

すべて2026-10-27に確認。

よくある質問

就学援助はだいたい年収いくらで対象になりますか?
全国共通の年収の線はなく、市区町村ごとに基準が決まっています。4人世帯の給与収入の目安は、熊本市で438万円(2026年度)、広島市で約527万円(2025年度)、杉並区で約608万円(2025年度)でした。どれも世帯構成を決めた例です。大田区では、実際の判定は世帯全員の前年所得の合計で行われます。
年収600万円程度でも就学援助の対象になる地域はありますか?
2025年度の杉並区は、父母・中学生・小学生の4人世帯で給与収入約608万円以下を認定の例として示していました。一方、大田区の2026年度の4人世帯の給与収入目安は563万円です。同じ年収でも、自治体と世帯構成で結果が分かれます。
共働きの場合、夫婦の収入は合算されますか?
大田区では合算されます。同一生計を営む世帯全員の前年所得の合計で判定するため、夫婦2人の所得が両方入ります。比べるのは収入ではなく、世帯全員の前年中の所得の合計(総所得金額等)です。
就学援助はどのくらいの家庭が受けていますか?
2024年度に要保護・準要保護として援助を受けた公立小中学生は1,168,756人で、全体の13.31%でした。おおよそ7〜8人に1人にあたります。

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