2026年度の多子世帯無償化は前年末扶養

教育費・進学memStock編集部
2026年度の多子世帯無償化は前年末扶養

多子世帯の大学無償化は、申告した子どもの数と住民税上の扶養親族の数の小さいほうが3以上で、本人も扶養されている学生について、所得制限なしで大学の授業料と入学金を上限額まで減免する仕組みです。2025年度に始まりました。子の人数は実子の数でなく住民税上の扶養親族などで数え、2026年度の判定には2025年12月31日時点の人数が使われています。2026年度と同じ判定方法が続く場合、上の子が就職し、年末の時点で扶養から外れて数えられる子が2人になると、その人数を使う年度の判定で多子世帯ではなくなる見込みです。2026年度の支援区分は2026年10月に切り替わりました。

多子世帯とは、申告数と扶養親族数の小さいほうが3以上の世帯

実子が何人いるかではなく、申告した子どもの数と住民税上の扶養親族の数のうち小さいほうが3以上で、学生本人もその生計維持者に扶養されていれば多子世帯にあたります。日本学生支援機構(JASSO)が「『多子世帯に属している』とは何か」というFAQで、2026年9月時点でこの条件を示しています。

住民税上の扶養親族の数には配偶者を含めません。扶養親族が配偶者と子2人の3人でも、数える子は2人です。

申告した数と住民税の数の小さいほうを取るので、一方が3人でももう一方が2人なら多子世帯にはあたりません。

児童手当の第3子の数え方はこの制度とは基準が違い、こちらの記事で扱っています。

2026年度判定で数えるのは2025年12月31日時点

2026年度の判定なら2025年12月31日時点の人数で、その結果は2026年10月から2027年9月までの支援区分に反映されています。

JASSOのFAQは2026年度判定について「2025年12月31日時点の扶養人数をご確認ください」と案内しています。

JASSOは、2026年4月の在籍報告の後に生計維持者や資産額が変わっても、その都度の支援区分の見直しはしないとしています。在学生の給付型奨学金の申込は4月頃と9月頃が予定されていますが、申込の月と、扶養人数を数える12月31日は別の日付として分けて考えます。

上の子が就職したら、支援はいつ終わる?

2026年度と同じ仕組みが続く場合、就職した年の12月31日時点で上の子が扶養親族から外れていれば、その人数を使う翌年度の判定で多子世帯ではなくなり、その年度の10月から下の子の多子世帯としての減免は止まる見込みです。

2026年度と同じ「前年12月31日時点の人数を、10月から翌年9月の支援区分に使う」形が翌年度以降も続くと仮定すると、第1子の就職時期ごとの見込みは次のとおりです。3人きょうだいで、ほかの2人は扶養親族に入っている前提です。

第1子の就職 扶養人数を数える日 その人数を使う判定 下の子の多子世帯支援(見込み)
2026年4月 2026年12月31日 2027年度判定 2027年9月分まで、2027年10月から対象外となる見込み
2027年4月 2027年12月31日 2028年度判定 2028年9月分まで、2028年10月から対象外となる見込み
2027年10月 2027年12月31日 2028年度判定(見込み) 2028年9月分まで、2028年10月から対象外となる見込み

表の右端は見込みです。一律の終了月は、今回確認した一次資料では示されていません。

第1子が2027年4月に就職する家庭なら、見ておく日付は2027年12月31日です。同じ仕組みが続けば、2027年10月から2028年9月までの支援区分は、第1子がまだ学生だった2026年12月31日時点の人数で決まる見込みです。きょうだいが4人いれば、1人が扶養から外れても残る3人が扶養親族に入っている限り、判定は変わりません。

上の子の収入と扶養の関係は、19〜22歳の扶養控除を扱ったこちらの記事が参考になります。

大学院進学や年収160万円以下のきょうだいはどう数える?

大学院に進んだきょうだいは、住民税上の扶養親族に入っていれば数えられる可能性がありますが、一次資料では確かめられていません。

2026年度の判定では、19〜22歳(18歳の早生まれを含む)の学生世代のきょうだいは、給与年収が123万円を超えて160万円以下でも子どもとして数えられます。ただし学生本人以外のきょうだいは別途申告が必要で、年齢と年収の範囲に入っていても申告しないまま数に入るものではありません。

大学院生は高等教育の修学支援新制度の対象外です。これは大学院生本人が支援を受けられないという意味で、大学院に進んだ上の子を下の子の判定で数えるかどうかとは別の話になります。扶養されている大学院生のきょうだいを数える条件は今回一次資料で確かめられず、住民税上の扶養親族に入っていれば数えられる可能性がある、というところまでにとどめます。

新しく生まれた子や生計維持者の再婚でも、数え方は変わります。

ケース 多子世帯の数え方 根拠
実子3人、全員が住民税上の扶養親族 3人。学生本人も扶養されていれば該当 JASSO FAQ
実子3人、第1子が基準日に扶養から外れている 2人。該当しない JASSO FAQ
扶養親族が配偶者と子2人 配偶者は数えず2人。該当しない JASSO FAQ
19〜22歳のきょうだいが給与年収123万円超160万円以下 別途申告すれば子どもとして数える JASSO「多子世帯支援について」
2026年1月1日〜8月31日に生まれた子 必要書類を学校に出せば2026年度判定に加算 JASSO「2026年10月の支援区分見直し」
再婚後、2人が扶養する子の合計が3人以上 4月の在籍報告以降の認定で満たせば、その年の10月以降に反映 文部科学省 大学生向けQ&A
大学院に進んだきょうだい 扶養親族なら数えられる可能性がある(未確認) 具体例の一次資料は未確認

支援は授業料の全額ではない

減免されるのは授業料と入学金の上限額までで、学校の請求がそれを超えた分や施設費などは自己負担です。2026年10月時点のJASSOの案内では、大学の上限は次のとおりです。

大学の設置者 入学金の上限 授業料の上限(年額)
国公立 28万円 54万円
私立 26万円 70万円

金額は万円未満を四捨五入した表示です。授業料が年100万円の私立大学なら、70万円を超える分は家庭が払う計算になります。

所得制限はなくても、資産の条件は残ります。学生本人と生計維持者の資産の合計が5,000万円以上3億円未満なら授業料等の減免は対象になり得ますが、給付型奨学金は0円です。3億円以上になると、多子世帯の減免の資産基準を超えます。

無償化と呼ばれる制度でも家計に負担が残る理由は、こちらの記事でまとめています。

申込は在学校を通じて、毎年度の確認がある

在学生は在学校を通じて授業料等減免と給付型奨学金を申し込みます。支援を受けている間は毎年度、家計と学業の適格認定があり、要件を満たさないと支援の廃止や停止になります。

文部科学省のQ&Aでは申込の時期は4月頃と9月頃が予定されていて、細かな日程や提出物は学校ごとの案内で確かめます。一度認められても、卒業まで自動で続く仕組みではありません。

制度の全体像は文部科学省の「高等教育の修学支援新制度」のページ、多子世帯の条件や支援区分の見直しはJASSOの「多子世帯支援について」のページに載っています。

下のきょうだいが小中学生なら、市区町村の就学援助を利用できる場合があります。共働き世帯の所得の目安が自治体でどれだけ違うかは、こちらの記事で比べています。

2026年度と同じ仕組みが続く場合は、第1子の内定が出た年の12月31日に扶養親族が何人になるかを数えてみてください。下の子の減免が外れる10月が、どの年になるかの見当がつきます。

出典

すべて2026-10-27に確認。

よくある質問

第1子がこの春に大学を卒業して就職しました。第3子の支援はすぐ終わりますか?
すぐには終わりません。2026年度判定では2025年12月31日時点の扶養人数を使い、結果は2026年10月から2027年9月の支援区分に反映されています。2026年度と同じ仕組みが続けば、2026年4月に就職してその年の12月31日時点で扶養から外れた場合、2027年9月分までは続き、2027年10月の切り替えで多子世帯の対象から外れる見込みです。ただし一律の終了月は、今回確認した一次資料では示されていません。
「前年12月31日時点」とは、いつの12月31日ですか?
2026年度判定では、前年の2025年12月31日です。2026年度の判定では2025年12月31日時点の扶養人数が使われ、その結果は2026年10月から2027年9月の支援区分に反映されています。申込をした月の人数ではありません。
多子世帯の大学無償化は毎年更新が必要ですか?
支援を受けている間は毎年度、家計と学業の適格認定があります。要件を満たさない場合は支援の廃止や停止があり、一度認められれば卒業まで続くわけではありません。提出物や期限は在学校の案内で確かめます。
再婚して扶養する子が合計3人以上になった場合、いつから対象になりますか?
文部科学省の大学生向けQ&Aでは、再婚後の4月の在籍報告以降の適格認定で条件を満たせば、その年の10月以降の支援に反映されるとしています。再婚した2人の確定済みの税情報で、扶養する子が合計3人以上であることが条件です。

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